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01章 『始まりはフラジャイルな金糸雀』
01章-14
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***01-14-19
鼻を啜りながら、少し落ち着いたのか、ミリーは続きの話を再開する。
つまり、猫とカナリアの鳴き声で気付いたミリーが2階の自室に入った時には既に両者の姿は消えてしまっていた、ということだ。
「しかし、カナリアは鳥篭の中に居たんじゃなかったのか?」
「……ミリーが鳥篭の鍵を閉め忘れてたんだと思う」
なるほど、それなら猫が獲物に手を出せたのも道理、か。
気付くとレイチェルがこちらを睨んでいる。
ミリーが傷付くようなことを言うな、ということらしい。
……事実を確認しただけだったんだが、これはレイチェルの言う通りだな。
「すまん、ミリー」
「ううん、アシュレイお兄ちゃんは何も悪くないよ。悪いのは鍵を掛け忘れてたミリーだから……うぅぅ……」
と言って、またレイチェルの胸に顔を埋め、肩を震わせてシクシクと泣き始めてしまった。
頭を再度、撫で撫でしているレイチェルのジト目を何とかやり過ごせないかと、外を眺めていると例の時計塔が目に入った。
⭐︎⭐︎⭐︎
鼻を啜りながら、少し落ち着いたのか、ミリーは続きの話を再開する。
つまり、猫とカナリアの鳴き声で気付いたミリーが2階の自室に入った時には既に両者の姿は消えてしまっていた、ということだ。
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なるほど、それなら猫が獲物に手を出せたのも道理、か。
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