『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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01章 『始まりはフラジャイルな金糸雀』

01章-05

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***01-05-20

 ここ、クロノクル市は小さいながら世界相手の貿易で潤っている港町だ。

 お陰でこの図書館にも大量の本があり、その管理に町の税金が使われ、俺みたいなやる気のない人間でも雇ってもらえる。

 何せ、街の中心街でこれだけ広い建物ながら、その仕事はただ受付にぼーっと待機だけしとれば良いのだ。それなんて天職?

 給料泥棒だって?

 結構結構、怠惰(たいだ)でいられる俺にとっては選ばれし称号ですとも。




 が、レイチェルの探し物は見てても、終わりそうにない。

 おい、帰りの辻馬車に乗れなくなったらシャレにならんぞ。

「どうした? 何を探してるんだ?」
「うーん……」

 早く終わらせて帰りたくて、声を掛けてみたが、何やら煮え切らない返事が返ってくる。


⭐︎⭐︎⭐︎
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