『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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01章 『始まりはフラジャイルな金糸雀』

01章-04

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***01-04-20

「しかし、今更こんな時間に来る人もないし、すぐ閉める時間になるんだぞ」

 何せ、今日は同僚が急な休みで、俺1人が閉めの作業をしなければならない。
 なんで、早目に終わりたいんだが?

「だから、私が来たでしょーが…………まだ閉館じゃないんでしょ? ね?」

 両手を合わせて、上目遣いにお願いされてしまう。

 ……また彼女のお願いには勝てないなぁ。

 俺は溜め息を付きつつ、頷くしか無かった。

「よし、言質(げんち)は取ったわよ。心配しなくても直ぐに終わるから!」

 調子の良いことを言いつつ、レイチェルは本棚へ。

 折角(せっかく)、今日は何もせずに終わると思ったんだけどなー。


 ボヤきながら俺は自分の仕事、司書として図書館の閉め作業を始めていった。


⭐︎⭐︎⭐︎
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