キケンなバディ!

daidai

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付録・短編

第23話 前編

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44 けがれた黄金
最終章 結締めの雫



 ドガガ…ドバァァァンン…
 激しい雨の中、和田岬の住宅街で爆発が起きた。爆発したのは達洋の愛車マスタングで、近隣住民はそれで驚愕して、慌てて自宅の窓から燃え盛る炎を眺めていたが…

 達洋の愛車を大破させたのはウォルターの手下マーヴェリックで、彼らに恐怖や不安を募らせるための行為のようであった。

ガシャン…
 マーヴェリックの左腕は義手で、大口径のライフルが義手接続部に装着されていた。彼は達洋の愛車を破壊した後、彼らの事務所に侵入しようとしたが…

「…!」
ド…バァンンン
 マーヴェリックが達洋の事務所の扉を開けようとすると、何かが作動して扉ごと吹き飛んだ。
 達洋の達洋の事務所にはちょっとしたトラップが仕掛けられており…

 マーヴェリックは間一髪でトラップを回避して、何事もなかったかのように事務所内に進むが…

ギシ…パァ…パパパァン
 その時、事務所の玄関先の床で破裂音がした。マーヴェリックが踏み入れた場所にもトラップが仕掛けられていた。

「あんまり効果がないみたい」
〈…だろうな、俺たちと似て丈夫タフだな〉
「もう出るわ」
〈くどいが、注意しろ…騒ぎをでかくすれば、あいつらが駆けつける〉
 達洋は斗真と史也が来ることを期待していた。彼の願いは伝わり、まもなく史也たちの覆面パトカーが到着する。それまで時間を稼がなければならない。
 夏女は武装して、強敵マーヴェリックに戦いを挑んだ。

ドパララララ…

 夏女は短機関銃ウージーをマーヴェリックに向けて連射した。マーヴェリックは夏女に気づいて、すかさず反撃した。

 …ドゥガガガガァァ
 マーヴェリックの得物、大口径ライフルはワイヤーのようなものを引くと弾が発射されるようだ。彼は夏女を殺さないことを頭に入れて、所内で乱射した。
一階そっちは随分賑やかそうだな〉
「まるで火力が違う、とても敵わないわ」
 夏女はつい弱音を吐いてしまった。マーヴェリックは攻防一体で成す術がないようだが…

「ふう…ふう…」
 マーヴェリックの呼吸は荒く、汗をかいて顔色が優れない様子であった。
「!」
 夏女はマーヴェリックの隙を見つけて、思い切って彼の懐に飛び込んだ。
「ちっ」
 マーヴェリックは夏女に間合いを詰められて、攻撃しようと動くが既に遅かった。彼女は接近しながら2.5インチのコルトパイソンの引き金を引くが…

 マーヴェリックには夏女の撃った弾は一切効かなかった。彼の身につけている戦闘服やマントは防弾着のようだ。かなりの防御力を誇り、全く通用しなかった。
 
 夏女は愛銃の弾が切れると、攻撃手段を変えた。彼女は愛用している革手袋を着用、接近戦で勝負した。
「…!」
 夏女は空手を主体とした格闘スタイルでマーヴェリックを追い詰めた。
「はああああああ!」
 夏女は気合の雄叫びを上げて、迫力に押されてマーヴェリックは身動きが取れず、彼女の回し蹴りがクリーンヒットした。そして…

ガシャン…
 マーヴェリックは大口径ライフルを取り外して、鋼の義手に付け替えた。射撃戦から格闘戦へと移り変わり、二人の戦闘が激化していく。 
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