キケンなバディ!

daidai

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シーズン1

第33話 後編

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キケンなバディ! 第一期
第六章 探偵の日常

   2

 喫茶店<フリージア>。
 夏女たちは<フリージア>で晩餐を済ませようとした。
「はい、特製ハンバーグセットお待ち~」
「わあ、美味しそう~」
「…あんたら、ほんまに恋人同士やないの?」
「しつこいですよ、彩加さん…武中君も何とか言ってよ…」
 武中は夏女の言うことを聞かず、自棄やけ食いをしていた。彼にとって、今日は散々な一日なのは間違いなかった。

「男はちゃんと選びや、あんたは人が良いから騙されそうやわ~」
「そういうの興味なくて…」
「あんたもしっかりしいや、割り勘なんて以ての外や」
「分かってますよ、もうどっかに行ってくれませんかね…」
武中は彩加を邪魔者扱いして追い払った。

「…何か機嫌悪そうね、私のせい?」
「いや…気にしなくていいよ、今日は楽しかったかい?」
「ええ、良い気分転換になったわ、ありがとう」
「…また誘ったら一緒に遊んでくれるかい?」
「勿論よ、今度は車で遠出できたらいいね~」
武中は夏女の思いがけない返答で立ち直り、明るい表情を見せた。
そして、別れの時が訪れて…

「俺はタクシーを拾って帰るよ、そっちは何で帰る?」
「電車で帰るわ、それじゃあまたね~」
夏女たちは国鉄三宮駅前で別れた。武中は夏女の姿が見えなくなるまで手を振り、名残惜しそうな表情を浮かべた。
こうして、彼の恋の花は散っていくのであった。

「ただいま~ごめんね、留守番任せて」
夏女は帰宅して、待っていたペットたちを抱きしめた。そして…

「出掛けていたのか、今日は休みだったんだな」
先に帰っていた小霧は夏女のことに気づき、自室から出て一階のリビングルームに顔を出した。

「臨時休業みたいなもんね…達洋は麻雀で明日の朝まで帰らないわ」
「徹マンか、俺も誘ってほしかったな…ところで飯は食べたのか?」
「ええ食べてきたわ、小霧ハブさんは?」
「俺も食べてきたんだが…小腹が空いてね、土産の寿司を食べていたところだ…少し摘まんでいかないか?」
「せっかくだから頂くわ、お酌しましょうか」
 夏女は小霧に誘われて、二度目の晩餐に参加した。彼女は初めて真部がいない一夜を過ごすのであった。
 そして、夜が明けて…

 翌朝、夏女はいつものように目を覚まし、一階に降りていくわけだが…

「あら、帰ってたの」「お早うさん…」
 夏女が台所に向かうと、自分で淹れたコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる真部の姿があった。
「昨日はどうだった?楽しめた?」
「まあな、久々に友達と馬鹿騒ぎできたよ」
「あらそう、その割には元気ないわね…どうしたの?」
夏女は真部の機嫌の悪さを察して、事情を聴こうとした。すると…

「…昨日、武中とデートしてたんだってな」
「え…どうしてそのことを!?」
「元刑事、探偵の情報網をなめるな…目撃情報が殺到しているぞ」
「デートじゃないわよ、ちょっと一緒に遊んだだけよ」
夏女は昨日の件を弁解するが、真部の不機嫌な表情に変化はなかった。

「ラブホテル街で見たという情報も入った…どう説明する?」
「それは間違った情報よ!ラブホテルなんて行ってないわ!」
「本当だな?」
 真部は夏女の言ったことが信じられず、凝視するのであった。
「武中君に訊いてみたらいいじゃない!」
「…分かったよ、もし、嘘だったら…あいつを殺している…かもな」
「………」
 その時の真部からは凄まじい殺気が感じ取られて、あながち冗談でもないなと夏女は思った。

「…心配してくれたのね、一応、礼を言っておくわ」
「俺はお前の相棒であり、保護者でもあるからな、悪いことは言わん、あいつだけは止めとけ」
「何で?悪い人には見えないけど…」
「俺や斎藤はあいつの恋愛歴に詳しいが…があってな…お前も数に入っているんじゃないか?」
「私なんて駄目よ、そのうち彼に相応しい女性ひとが現れるでしょう」
 真部は夏女の気遣った言葉が体内からだに染みて、同時に安堵した。

「…何はともあれ、お互い休日を満喫したようだな、営業再開するが…準備は良いか?」
「ええ、また稼がないとね!」
 夏女たちは束の間の休息を終えて、難解で未知なる場所に足を踏み入れるのであった。
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