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シーズン1
第4話 後編
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キケンなバディ! 第一期
第一章 記憶なき女とワケあり探偵
4
「…いらっしゃい、あら!」「よう~」
真部たちの前に現れたウェイトレスの名は、黒森彩加(三四)(旧姓 一条彩加)。彼女は幼少期から新体操をしており、五輪選手候補であったが、怪我を理由に夢を断念する。
その後、市内の一般企業で事務職を務めた彼女は、<フリージア>の常連客に、マスターと結ばれることとなる。現在は当店のウェイトレスをしながら小学生の子供二人を育てている。
「こんな綺麗な娘を騙して、あくどい商売でも始める気やろ?」
「お前、いい加減にしろよ、注文はいつもので…早く伝えろ」
俺は煩いウェイトレスを撃退して、用意された水を少し口に含んだ。
「良いお店ね、何を注文したの?」
「モーニングセットだよ、トーストにサラダにゆで卵にコーヒー…朝はこれに限る…気に入るはずだよ」
夏女は食欲旺盛で、俺はスポーツ新聞を読みながら、彼女の満足げな様子を眺めていた。
「とても美味しかったわ、ご馳走様~」
「ここは喫茶店だが、本格的な洋食も売りでね」
「コーヒーも美味しいやろ、うちの旦那が独学で作ったんや」
ここでまた、割って入ってきたのは喋りが達者な彩加であった。
「何だよ、お前仕事しろよ…」
「ええやんか別に、今暇なんや…あんた名前なんていうの?」
「…え?私ですか?…夏女、山口夏女です」
「遠い親戚の娘でね…」
俺はぼそっと、彩加に嘘の情報をこぼした。
「…親戚同士にしては何かよそよそしいな~」
その時、真部は彩加の鋭い発言で動揺していた。
「…しばらく会ってなかったから緊張してるんだよ…」
「はい…前に会った時は私、子供だったもので…」
「ふ~ん」
夏女が機転を利かしてくれたおかげで、その場をどうにか凌げた。
「…夏女、先に出といてくれ…」
「あんなおっさんより、男友達と遊んだほうが楽しいやろ~?」
「いえいえ…優しい叔父なんで…」
夏女を外で待たせて、俺は支払いを済ませる前に、小銭をじゃりじゃり鳴らしながら店内の公衆電話を利用した。
「…待たせてすまん、これからの予定なんだが…」
「はい、言う通りにするわ」
俺は篠山に電話を掛けた。今日、玲子は大学が休みで、彼女と買い物でも行ってきたらどうかと夏女を誘ってみたが…
「玲子さんと買い物…真部さんもついて来るの?」
「いいや、俺は他に用があるから…二人で楽しんでこい」
俺は夏女を待ち合わせ場所まで送って行くことにした。
「…この辺は賑やかで人が多いわね」
「神戸で一番の繁華街だからな…今度、ゆっくり案内しよう」
「は~い……!?」「…どうした?」
「な…何か頭がズキズキして…」
「まさか…記憶のことと関係が…!」
夏女は車中で急に頭の痛みを訴えて、真部は思わず愛車を脇道に停めた。
「…どうやら痛みが治まったみたい…何だったんだろう?」
「何か思い出したのか?」「いいえ…何も…」
夏女の頭痛はすぐに治まり、原因は不明だった。俺は彼女の異変を気にしつつ、愛車のエンジンをかけ直して、待ち合わせ場所の駅前に向かった。
<西日本旅客鉄道 三宮駅前>
「…玲子は電車で来るから、それまで待ってもらえるか…これ、小遣いだ」
「こんなに…貰っていいの?」
「好きに使いな」
「それじゃあ、行ってきます」
夏女は嬉しそうにして、俺の愛車から出た。そして…
「さてと…」
俺はすぐに車を出そうとせず、ラジオをつけて競馬中継を聴き、煙草を銜えながら夏女たちが合流するのを待った。それから時間が経ち…
「…ごめん、お待たせ~…えっと、夏女ちゃんだっけ?」
「そう、真部さんに名前考えてもらったの」
「良かったわね、やっぱり名前ないと不便だもんね」
「買い物に付き合ってくれるみたいだけど…良いの?」
「ええ、お父さんといたって暇だから…良い店を紹介するわ、行こ」
真部はロータリーから夏女たちを確認した後、愛車を発進させた。
若い者同士で楽しんでいる間、俺は競馬場で時間を潰すことにした。自分のことに集中すると、時間が経つのが早く感じてしまう。
気づけば最終レース、財布の中はすっからかんではなかったが、見事に大負けした。夏競馬は奥が深くて的中率が低い。大穴狙いの馬券は全て撃沈、俺は憂鬱な顔で馬券場を後にした。
空が薄暗くなっていき、その頃、俺は晩飯を作るのに夢中になっていた。料理は得意な方ではないが、カレーは自信がある。
真部は彼女に自信作を食べさせようと必死になっていたが、それはどうも叶いそうになかった。
〈ジリリリ…〉
晩飯の準備が整った時、リビングに設置されている電話が鳴りだした。真部は仕方なく出ることにした。
「もしもし…」〈…もしもし、俺だ〉
電話の相手は、篠山であった。
「何か用か?」
〈はは、機嫌が悪いのは…あの娘が帰ってこないからだろ?心配はいらん、うちの娘と食事して帰るそうだ」
「わざわざどうも…晩飯が無駄になった…〉
俺はつい嫌な性格が出て、乱暴に電話を切った。そして、数時間経ち、夏女が帰ってきた。
「…ただいま、ごめんなさい、遅くなっちゃって…」
「構わんよ…それで…どうだった?楽しかったか?」
「ええ、とっても!晩御飯、玲子さんに奢ってもらったわ~」
「そうか…それならいいんだ」
「…なんかいい匂いするね~」
「カレーだよ、一緒に食べようと思ったんだが…」
「あっごめんなさい!」
「別に気にしなくていいよ、一晩寝かせた方が美味いからな…」
「あの…シャワー浴びて良い?汗掻いちゃって…」
「構わんよ、先に入ってくれ……」
真部は夏女に言わなければいけないことがあったが、そのタイミングを逃してしまっていた。よって…
「…きゃあああああああ!!!」
その時、バスルームから夏女の悲鳴がして、真部は直ちに現場へと向かった。それで言いかけたことを思い出したのであった。
「夏女……!!」
バスルームの様式の浴槽を見ると、大きな生物の姿があった。
「あの…これってアザラシ?」
夏女は驚きながらも正解を出していた。
「ああ、アゴヒゲアザラシのハジメ(牝)だ…」
「きゅう~」
ハジメは二年程前、夏女と同じように和田岬で発見された。どうやら、迷子になったようだが、何故か俺に懐いて、家族の一員となっていた。趣味は風呂場での水浴び。
真部の家族は曲者が多い。そのうち慣れるだろう。彼女にはまだ明かさないといけないことがいくつもある。
かくして、俺と夏女の生活の幕が開こうとした。
第一章 記憶なき女とワケあり探偵
4
「…いらっしゃい、あら!」「よう~」
真部たちの前に現れたウェイトレスの名は、黒森彩加(三四)(旧姓 一条彩加)。彼女は幼少期から新体操をしており、五輪選手候補であったが、怪我を理由に夢を断念する。
その後、市内の一般企業で事務職を務めた彼女は、<フリージア>の常連客に、マスターと結ばれることとなる。現在は当店のウェイトレスをしながら小学生の子供二人を育てている。
「こんな綺麗な娘を騙して、あくどい商売でも始める気やろ?」
「お前、いい加減にしろよ、注文はいつもので…早く伝えろ」
俺は煩いウェイトレスを撃退して、用意された水を少し口に含んだ。
「良いお店ね、何を注文したの?」
「モーニングセットだよ、トーストにサラダにゆで卵にコーヒー…朝はこれに限る…気に入るはずだよ」
夏女は食欲旺盛で、俺はスポーツ新聞を読みながら、彼女の満足げな様子を眺めていた。
「とても美味しかったわ、ご馳走様~」
「ここは喫茶店だが、本格的な洋食も売りでね」
「コーヒーも美味しいやろ、うちの旦那が独学で作ったんや」
ここでまた、割って入ってきたのは喋りが達者な彩加であった。
「何だよ、お前仕事しろよ…」
「ええやんか別に、今暇なんや…あんた名前なんていうの?」
「…え?私ですか?…夏女、山口夏女です」
「遠い親戚の娘でね…」
俺はぼそっと、彩加に嘘の情報をこぼした。
「…親戚同士にしては何かよそよそしいな~」
その時、真部は彩加の鋭い発言で動揺していた。
「…しばらく会ってなかったから緊張してるんだよ…」
「はい…前に会った時は私、子供だったもので…」
「ふ~ん」
夏女が機転を利かしてくれたおかげで、その場をどうにか凌げた。
「…夏女、先に出といてくれ…」
「あんなおっさんより、男友達と遊んだほうが楽しいやろ~?」
「いえいえ…優しい叔父なんで…」
夏女を外で待たせて、俺は支払いを済ませる前に、小銭をじゃりじゃり鳴らしながら店内の公衆電話を利用した。
「…待たせてすまん、これからの予定なんだが…」
「はい、言う通りにするわ」
俺は篠山に電話を掛けた。今日、玲子は大学が休みで、彼女と買い物でも行ってきたらどうかと夏女を誘ってみたが…
「玲子さんと買い物…真部さんもついて来るの?」
「いいや、俺は他に用があるから…二人で楽しんでこい」
俺は夏女を待ち合わせ場所まで送って行くことにした。
「…この辺は賑やかで人が多いわね」
「神戸で一番の繁華街だからな…今度、ゆっくり案内しよう」
「は~い……!?」「…どうした?」
「な…何か頭がズキズキして…」
「まさか…記憶のことと関係が…!」
夏女は車中で急に頭の痛みを訴えて、真部は思わず愛車を脇道に停めた。
「…どうやら痛みが治まったみたい…何だったんだろう?」
「何か思い出したのか?」「いいえ…何も…」
夏女の頭痛はすぐに治まり、原因は不明だった。俺は彼女の異変を気にしつつ、愛車のエンジンをかけ直して、待ち合わせ場所の駅前に向かった。
<西日本旅客鉄道 三宮駅前>
「…玲子は電車で来るから、それまで待ってもらえるか…これ、小遣いだ」
「こんなに…貰っていいの?」
「好きに使いな」
「それじゃあ、行ってきます」
夏女は嬉しそうにして、俺の愛車から出た。そして…
「さてと…」
俺はすぐに車を出そうとせず、ラジオをつけて競馬中継を聴き、煙草を銜えながら夏女たちが合流するのを待った。それから時間が経ち…
「…ごめん、お待たせ~…えっと、夏女ちゃんだっけ?」
「そう、真部さんに名前考えてもらったの」
「良かったわね、やっぱり名前ないと不便だもんね」
「買い物に付き合ってくれるみたいだけど…良いの?」
「ええ、お父さんといたって暇だから…良い店を紹介するわ、行こ」
真部はロータリーから夏女たちを確認した後、愛車を発進させた。
若い者同士で楽しんでいる間、俺は競馬場で時間を潰すことにした。自分のことに集中すると、時間が経つのが早く感じてしまう。
気づけば最終レース、財布の中はすっからかんではなかったが、見事に大負けした。夏競馬は奥が深くて的中率が低い。大穴狙いの馬券は全て撃沈、俺は憂鬱な顔で馬券場を後にした。
空が薄暗くなっていき、その頃、俺は晩飯を作るのに夢中になっていた。料理は得意な方ではないが、カレーは自信がある。
真部は彼女に自信作を食べさせようと必死になっていたが、それはどうも叶いそうになかった。
〈ジリリリ…〉
晩飯の準備が整った時、リビングに設置されている電話が鳴りだした。真部は仕方なく出ることにした。
「もしもし…」〈…もしもし、俺だ〉
電話の相手は、篠山であった。
「何か用か?」
〈はは、機嫌が悪いのは…あの娘が帰ってこないからだろ?心配はいらん、うちの娘と食事して帰るそうだ」
「わざわざどうも…晩飯が無駄になった…〉
俺はつい嫌な性格が出て、乱暴に電話を切った。そして、数時間経ち、夏女が帰ってきた。
「…ただいま、ごめんなさい、遅くなっちゃって…」
「構わんよ…それで…どうだった?楽しかったか?」
「ええ、とっても!晩御飯、玲子さんに奢ってもらったわ~」
「そうか…それならいいんだ」
「…なんかいい匂いするね~」
「カレーだよ、一緒に食べようと思ったんだが…」
「あっごめんなさい!」
「別に気にしなくていいよ、一晩寝かせた方が美味いからな…」
「あの…シャワー浴びて良い?汗掻いちゃって…」
「構わんよ、先に入ってくれ……」
真部は夏女に言わなければいけないことがあったが、そのタイミングを逃してしまっていた。よって…
「…きゃあああああああ!!!」
その時、バスルームから夏女の悲鳴がして、真部は直ちに現場へと向かった。それで言いかけたことを思い出したのであった。
「夏女……!!」
バスルームの様式の浴槽を見ると、大きな生物の姿があった。
「あの…これってアザラシ?」
夏女は驚きながらも正解を出していた。
「ああ、アゴヒゲアザラシのハジメ(牝)だ…」
「きゅう~」
ハジメは二年程前、夏女と同じように和田岬で発見された。どうやら、迷子になったようだが、何故か俺に懐いて、家族の一員となっていた。趣味は風呂場での水浴び。
真部の家族は曲者が多い。そのうち慣れるだろう。彼女にはまだ明かさないといけないことがいくつもある。
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