77 / 114
第二章
──第76話──
しおりを挟む
地下の一番奥の部屋へ、ネロと共に歩いて行く。
「ラルフ~?そろそろ飯に……って、おわっ!?」
「あ!ルディ!ネロ!もうそんな時間~?」
俺は部屋を覗いて声を掛けるが、その光景に驚きを隠せなかった。
ラルフの身体……服には赤が飛び散り“もどき”は……
これダメ!!
モザイク!!
絶対モザイク必要だって!!
誰かモザイク班を呼んでくれ!!
俺は見るに堪えられず、すぐにラルフと“もどき”を洗って綺麗にし、“もどき”に治癒の魔法をかけた。
「わぁ!!ルディありがとー!」
「う、うん。どーいたしまして……。」
「ラルフは何してたんだ?そんな事してもコイツは話せ無いんだろ?」
ラルフの行動を不思議に思ったネロが首を傾げながら言葉にする。
「あのね!歯を抜いた次の日くらいから、よく分からないけど言葉みたいな事を話す様になってきたんだ!」
「……そーなのか?」
俺は“もどき”を見ながらラルフの言葉を聞いていた。
“もどき”は憔悴しきっていて、力も無く だらん としている。
ラルフは持っていた道具を机の上に置きながら俺の問いに答えた。
「今日のお昼に見てみると単語だけは話す様になってたんだよ!だけど、僕の質問には全然答えてくれないから困ってるんだよねー。でも、ルディが治してくれたおかげで、またお話が聞けるよっ!ありがとー!!」
「えー、と……どーいたしまして……?」
困ってるからってさ!!
話を聞く方法はいくらでもあるだろ!!
そんな新しい玩具で遊んでみたって雰囲気でやる事じゃない!!
もう少し平和的方法は考えられないのかな!?
俺の様子とは裏腹にネロは淡々と言葉を放つ。
「それで?何を言ってたんだ?」
「んー……銀色を殺す、だったかな?銀色って何だろうねー?……あ、ほら、こんな感じでずっと言ってるんだー。」
ラルフが“もどき”を視線で示すと、丁度“もどき”が うわ言の様にブツブツと声を出していた。
────ギンイロ────コロセ────
コロス────サガセ───コロセ────
「なんか……里に来た魔物と似てるな。」
“もどき”の様子を見ていたネロが、そう口にした。
その声にゆっくりと“もどき”は顔を上げる。
ガタッガタガタガタッ
“もどき”が俺を認識すると──突如、暴れだした。
「ガァァアアアァァ!!」
「うぉ!?」
急に声を出した事に驚いたのは俺だけで、ラルフとネロはその様子を冷静に見ていた。
何で二人は驚かないんだよ!
急に動いたり、大きい音が鳴ったら驚くもんだろ!!
ほら、あれだ!
ホラー映画でよくある様な、急にバンッとかドンッとか言う音って驚かないか!?
俺は二人にビビっていると思われたく無いので、咳払いをしてその場を誤魔化す。
すると、二人の瞳が俺を映す。
いや、俺は別にビビってねーぞ?
ただ、少し驚いただけだからな?
決して怖がってた訳じゃねーぞ?
そう思っていた俺だが、俺の予想とは違う言葉がラルフ、そしてネロの口から放たれる。
「銀色って……」
「ルディの髪の色の事か?」
…………。
は?
何で俺??
何か悪い事でもしたか??
俺、何も悪い事してねーんだけど??
んー……。
「銀色なら何にでも反応するって事は……?」
俺の考えに二人も少し考えてから頷いた。
「……そうかもな。」
「分かった!じゃあ、僕は銀色のモノを色々探して試して見るよ!!」
ラルフが勢い良く返事をした所で、ラルフのお腹が鳴り出した。
俺とネロは顔を見合せ、少し笑い「腹が減ったな」と言葉にする。
ラルフはその言葉に照れながらも答え、三人で食堂に向かった。
食堂に着き、三人で料理を堪能している時に、俺は二人に質問をする。
「なぁ、ギルドの依頼って……俺のランクだと、どんな依頼があるんだ?」
「んぁ?別に大した依頼はねーぞ?」
「薬草採取ばっかりだったよー!僕はルディに少し教えて貰ってたから、凄く簡単だった!!」
ネロとラルフはそれぞれ答えてくれる。
ラルフが簡単だったって言うんだから、そこまで難しく無いのかな?
もっと討伐系があるのかと思っていたが、そうでも無いみたいだ。
……別に俺はどっちでも良いんだけどな。
里で相手にしてた魔物より強い相手はここら辺にはいないしな。
そうだな…。
薬草採取だったら……
「今、俺が持ってるモンでも依頼があれば引き取って貰えるのか?」
ネロは肉を頬張りながらも、俺の問いに答えてくれた。
「あぁ、出来るぞ。そもそも薬草なんて好き好んで集める奴なんか、冒険者にしては珍しいからな。」
「そうなのか?」
「知識として知っていても、わざわざ持ち歩く奴は少ないな。まず、調合が出来ないし、薬草を使ったとしても そのままだと気休め程度にしかならんからな。それなら、薬として売ってるモンを持ってた方が良いだろ?」
「確かにな……」
冒険者としてなら、薬草よりも薬の方を持っていた方が良いだろう。
魔道具の魔法鞄を持ってたとしても上限が決められてるしな……。
【収納】を覚えていれば、そんなに考えなくても良いんだけど。
【収納】を使えるのは、そんなにいる訳じゃ無いみたいだし……。
なら、依頼は結構簡単なのでは?
俺はそう考えながら、料理を口にする。
その間、俺達の方に誰かが向かってくる気配を感じた。
だが、ネロもラルフも気にする様子も無く料理を堪能している。
その様子を見て、俺も気にする事無く料理を堪能していると、その気配は俺達の近くまで来ていた。
俺に触れて来ようとする気配を感じ、俺は振り向いて その気配の主に威嚇した。
「ラルフ~?そろそろ飯に……って、おわっ!?」
「あ!ルディ!ネロ!もうそんな時間~?」
俺は部屋を覗いて声を掛けるが、その光景に驚きを隠せなかった。
ラルフの身体……服には赤が飛び散り“もどき”は……
これダメ!!
モザイク!!
絶対モザイク必要だって!!
誰かモザイク班を呼んでくれ!!
俺は見るに堪えられず、すぐにラルフと“もどき”を洗って綺麗にし、“もどき”に治癒の魔法をかけた。
「わぁ!!ルディありがとー!」
「う、うん。どーいたしまして……。」
「ラルフは何してたんだ?そんな事してもコイツは話せ無いんだろ?」
ラルフの行動を不思議に思ったネロが首を傾げながら言葉にする。
「あのね!歯を抜いた次の日くらいから、よく分からないけど言葉みたいな事を話す様になってきたんだ!」
「……そーなのか?」
俺は“もどき”を見ながらラルフの言葉を聞いていた。
“もどき”は憔悴しきっていて、力も無く だらん としている。
ラルフは持っていた道具を机の上に置きながら俺の問いに答えた。
「今日のお昼に見てみると単語だけは話す様になってたんだよ!だけど、僕の質問には全然答えてくれないから困ってるんだよねー。でも、ルディが治してくれたおかげで、またお話が聞けるよっ!ありがとー!!」
「えー、と……どーいたしまして……?」
困ってるからってさ!!
話を聞く方法はいくらでもあるだろ!!
そんな新しい玩具で遊んでみたって雰囲気でやる事じゃない!!
もう少し平和的方法は考えられないのかな!?
俺の様子とは裏腹にネロは淡々と言葉を放つ。
「それで?何を言ってたんだ?」
「んー……銀色を殺す、だったかな?銀色って何だろうねー?……あ、ほら、こんな感じでずっと言ってるんだー。」
ラルフが“もどき”を視線で示すと、丁度“もどき”が うわ言の様にブツブツと声を出していた。
────ギンイロ────コロセ────
コロス────サガセ───コロセ────
「なんか……里に来た魔物と似てるな。」
“もどき”の様子を見ていたネロが、そう口にした。
その声にゆっくりと“もどき”は顔を上げる。
ガタッガタガタガタッ
“もどき”が俺を認識すると──突如、暴れだした。
「ガァァアアアァァ!!」
「うぉ!?」
急に声を出した事に驚いたのは俺だけで、ラルフとネロはその様子を冷静に見ていた。
何で二人は驚かないんだよ!
急に動いたり、大きい音が鳴ったら驚くもんだろ!!
ほら、あれだ!
ホラー映画でよくある様な、急にバンッとかドンッとか言う音って驚かないか!?
俺は二人にビビっていると思われたく無いので、咳払いをしてその場を誤魔化す。
すると、二人の瞳が俺を映す。
いや、俺は別にビビってねーぞ?
ただ、少し驚いただけだからな?
決して怖がってた訳じゃねーぞ?
そう思っていた俺だが、俺の予想とは違う言葉がラルフ、そしてネロの口から放たれる。
「銀色って……」
「ルディの髪の色の事か?」
…………。
は?
何で俺??
何か悪い事でもしたか??
俺、何も悪い事してねーんだけど??
んー……。
「銀色なら何にでも反応するって事は……?」
俺の考えに二人も少し考えてから頷いた。
「……そうかもな。」
「分かった!じゃあ、僕は銀色のモノを色々探して試して見るよ!!」
ラルフが勢い良く返事をした所で、ラルフのお腹が鳴り出した。
俺とネロは顔を見合せ、少し笑い「腹が減ったな」と言葉にする。
ラルフはその言葉に照れながらも答え、三人で食堂に向かった。
食堂に着き、三人で料理を堪能している時に、俺は二人に質問をする。
「なぁ、ギルドの依頼って……俺のランクだと、どんな依頼があるんだ?」
「んぁ?別に大した依頼はねーぞ?」
「薬草採取ばっかりだったよー!僕はルディに少し教えて貰ってたから、凄く簡単だった!!」
ネロとラルフはそれぞれ答えてくれる。
ラルフが簡単だったって言うんだから、そこまで難しく無いのかな?
もっと討伐系があるのかと思っていたが、そうでも無いみたいだ。
……別に俺はどっちでも良いんだけどな。
里で相手にしてた魔物より強い相手はここら辺にはいないしな。
そうだな…。
薬草採取だったら……
「今、俺が持ってるモンでも依頼があれば引き取って貰えるのか?」
ネロは肉を頬張りながらも、俺の問いに答えてくれた。
「あぁ、出来るぞ。そもそも薬草なんて好き好んで集める奴なんか、冒険者にしては珍しいからな。」
「そうなのか?」
「知識として知っていても、わざわざ持ち歩く奴は少ないな。まず、調合が出来ないし、薬草を使ったとしても そのままだと気休め程度にしかならんからな。それなら、薬として売ってるモンを持ってた方が良いだろ?」
「確かにな……」
冒険者としてなら、薬草よりも薬の方を持っていた方が良いだろう。
魔道具の魔法鞄を持ってたとしても上限が決められてるしな……。
【収納】を覚えていれば、そんなに考えなくても良いんだけど。
【収納】を使えるのは、そんなにいる訳じゃ無いみたいだし……。
なら、依頼は結構簡単なのでは?
俺はそう考えながら、料理を口にする。
その間、俺達の方に誰かが向かってくる気配を感じた。
だが、ネロもラルフも気にする様子も無く料理を堪能している。
その様子を見て、俺も気にする事無く料理を堪能していると、その気配は俺達の近くまで来ていた。
俺に触れて来ようとする気配を感じ、俺は振り向いて その気配の主に威嚇した。
0
お気に入りに追加
256
あなたにおすすめの小説
異世界に行けるようになったので胡椒で成り上がる
兎屋亀吉
ファンタジー
ある日倒れているおじいさんにモ〇バーガーを奢ったら異世界に転移した。もらった魔法具の力で現実世界と異世界を行き来できるようになった俺は、異世界貿易の基本である胡椒の密輸を始めた。
異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う
馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない
そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!?
そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!?
農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!?
10個も願いがかなえられるらしい!
だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ
異世界なら何でもありでしょ?
ならのんびり生きたいな
小説家になろう!にも掲載しています
何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします
根暗男が異世界転生してTS美少女になったら幸せになれますか?
みずがめ
ファンタジー
自身の暗い性格をコンプレックスに思っていた男が死んで異世界転生してしまう。
転生した先では性別が変わってしまい、いわゆるTS転生を果たして生活することとなった。
せっかく異世界ファンタジーで魔法の才能に溢れた美少女になったのだ。元男は前世では掴めなかった幸せのために奮闘するのであった。
これは前世での後悔を引きずりながらもがんばっていく、TS少女の物語である。
※この作品は他サイトにも掲載しています。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
異世界へ全てを持っていく少年- 快適なモンスターハントのはずが、いつの間にか勇者に取り込まれそうな感じです。この先どうなるの?
初老の妄想
ファンタジー
17歳で死んだ俺は、神と名乗るものから「なんでも願いを一つかなえてやる」そして「望む世界に行かせてやる」と言われた。
俺の願いはシンプルだった『現世の全てを入れたストレージをくれ』、タダそれだけだ。
神は喜んで(?)俺の願いをかなえてくれた。
希望した世界は魔法があるモンスターだらけの異世界だ。
そう、俺の夢は銃でモンスターを狩ることだったから。
俺の旅は始まったところだが、この異世界には希望通り魔法とモンスターが溢れていた。
予定通り、バンバン撃ちまくっている・・・
だが、俺の希望とは違って勇者もいるらしい、それに魔竜というやつも・・・
いつの間にか、おれは魔竜退治と言うものに取り込まれているようだ。
神にそんな事を頼んだ覚えは無いが、勇者は要らないと言っていなかった俺のミスだろう。
それでも、一緒に居るちっこい美少女や、美人エルフとの旅は楽しくなって来ていた。
この先も何が起こるかはわからないのだが、楽しくやれそうな気もしている。
なんと言っても、おれはこの世の全てを持って来たのだからな。
きっと、楽しくなるだろう。
※異世界で物語が展開します。現世の常識は適用されません。
※残酷なシーンが普通に出てきます。
※魔法はありますが、主人公以外にスキル(?)は出てきません。
※ステータス画面とLvも出てきません。
※現代兵器なども妄想で書いていますのでスペックは想像です。
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる