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プロローグ
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高校に合格した春。
高校生になればバイトが出来る。
中学生まではお小遣いを貰っていたけど、高校生になれば お小遣いは貰えないし、買いたい物も買えない。
中学生の頃は高くて買えなかった物でもバイトをしてお金を貯めれば買える様になる。
小説やゲーム、漫画に雑誌……
高校生になればお洒落もしないといけないのかな?
そうなると、洋服やメイク道具……スキンケアも必要?
何を買うにしろ元手が無ければ買えもしない。
私の高校は学校に申請を出せば、自由にバイトが出来る。
私は高校に入学して、すぐにバイトの面接を受けた。
柔らかな雰囲気でおっとりとした ふくよかな男性の店長が面接を担当し、私は明日からコンビニでバイトをする。
楽しみ半分、不安半分……。
私にちゃんと仕事が出来るのだろうか。
どんな仕事をするんだろう。
そんな思いを胸に、私は明日、初めてのバイトに挑む。
──────
バイト初日。
ワクワクとドキドキで私の心臓は大変な事になっていた。
落ち着け……大丈夫。
ちゃんとメモも用意したし、しっかりと覚えれば大丈夫。
私は店長に渡された制服に着替えながら、気持ちを落ち着かせる。
制服と言っても全身着替えるのではなく、インナーもズボンも私物。
上から羽織るシャツの様なものなので、着替えにはそんなに時間もかからない。
制服を着て、胸にバーコードのついた名札を付ける。
私専用の名札は注文しないといけないみたいで、届くのに時間がかかるそうだ。
名札には店長が「佐倉」と言う文字を書いてくれた。
もちろん、わたしの名字だ。
名札を付けた後に、自分の姿を鏡で見る。
大人の仲間入りしたみたいで気持ちが高揚していた。
私はバックヤードから出てレジに向かう。
今はお客さんがいない時間のようだった。
レジには一人の先輩と店長が私を待っている。
「はじめまして。今日から働かせて頂きます、佐倉と言います。宜しくお願いします!」
私は勢い良く頭を下げ、挨拶をすると先輩が自己紹介をしてくれた。
「よろしくー!!佐倉ちゃん!私は前園だよっ。」
元気で明るい先輩に私は笑顔になる。
それを和やかに見ていた店長が声を掛けてきた。
「それじゃあ、僕はレジをやっているから、前園さんは佐倉さんにレジのやり方を教えてあげてくれるかな?」
「はーいっ!」
先輩が元気良く返事をすると、店長は隣のレジに移動した。
私と先輩は入り口の奥の方にあるレジに移動する。
「それじゃ、レジのやり方を覚えようか!」
「はい。宜しくお願いします。」
私は緊張しながらも先輩の言葉に耳を傾ける。
先輩は“レジ休止中”の看板を置くとレジにあるピッとするバーコードリーダーを手に持ちながら説明をしてくれた。
「まず、自分の名札にあるバーコードをスキャンしてから商品をスキャンするんだ!それで、レジのこのボタンを押すと会計が表示されるよ!」
私はメモを取りながらしっかりと覚える。
「まぁ、後はやった方が早いかな!」
そう言うと、先輩はレジから出て商品棚からココアを持ってくるとレジに置いた。
「はい!会計してくださいな!」
いきなりの事で私は驚いたが、先輩に学んだ通り……メモを見ながら、まずは自分の名札をスキャンし、会計を済ませる。
「うん!ちゃんと出来てるね!また分からない事が出てきたら聞いてっ!これ、ご褒美だよ!」
先輩に誉められ嬉しくなっていると、先程先輩が自腹で買ったココアを差し出してきた。
私が受け取っていいのか困惑していると、先輩から受けとる様に催促されてしまったので、お礼を言ってから受けとった。
「基本は二人で、たまに三人シフトに入ってるんだー!」
「そうなんですか?」
「うん!二人でもちゃんと回せる様に佐倉ちゃんも頑張ろうね!」
「はいっ!」
私が返事をすると、先輩は満足そうに笑顔で頷いた。
レジ打ちから初めて、お客さんがいない時間が出来たら他の事も順次教えてくれる、と先輩が言い、私は他の仕事内容もしっかりと覚えて、ちゃんと仕事が出来る様に頑張ろうと心の中で強く思った。
高校生になればバイトが出来る。
中学生まではお小遣いを貰っていたけど、高校生になれば お小遣いは貰えないし、買いたい物も買えない。
中学生の頃は高くて買えなかった物でもバイトをしてお金を貯めれば買える様になる。
小説やゲーム、漫画に雑誌……
高校生になればお洒落もしないといけないのかな?
そうなると、洋服やメイク道具……スキンケアも必要?
何を買うにしろ元手が無ければ買えもしない。
私の高校は学校に申請を出せば、自由にバイトが出来る。
私は高校に入学して、すぐにバイトの面接を受けた。
柔らかな雰囲気でおっとりとした ふくよかな男性の店長が面接を担当し、私は明日からコンビニでバイトをする。
楽しみ半分、不安半分……。
私にちゃんと仕事が出来るのだろうか。
どんな仕事をするんだろう。
そんな思いを胸に、私は明日、初めてのバイトに挑む。
──────
バイト初日。
ワクワクとドキドキで私の心臓は大変な事になっていた。
落ち着け……大丈夫。
ちゃんとメモも用意したし、しっかりと覚えれば大丈夫。
私は店長に渡された制服に着替えながら、気持ちを落ち着かせる。
制服と言っても全身着替えるのではなく、インナーもズボンも私物。
上から羽織るシャツの様なものなので、着替えにはそんなに時間もかからない。
制服を着て、胸にバーコードのついた名札を付ける。
私専用の名札は注文しないといけないみたいで、届くのに時間がかかるそうだ。
名札には店長が「佐倉」と言う文字を書いてくれた。
もちろん、わたしの名字だ。
名札を付けた後に、自分の姿を鏡で見る。
大人の仲間入りしたみたいで気持ちが高揚していた。
私はバックヤードから出てレジに向かう。
今はお客さんがいない時間のようだった。
レジには一人の先輩と店長が私を待っている。
「はじめまして。今日から働かせて頂きます、佐倉と言います。宜しくお願いします!」
私は勢い良く頭を下げ、挨拶をすると先輩が自己紹介をしてくれた。
「よろしくー!!佐倉ちゃん!私は前園だよっ。」
元気で明るい先輩に私は笑顔になる。
それを和やかに見ていた店長が声を掛けてきた。
「それじゃあ、僕はレジをやっているから、前園さんは佐倉さんにレジのやり方を教えてあげてくれるかな?」
「はーいっ!」
先輩が元気良く返事をすると、店長は隣のレジに移動した。
私と先輩は入り口の奥の方にあるレジに移動する。
「それじゃ、レジのやり方を覚えようか!」
「はい。宜しくお願いします。」
私は緊張しながらも先輩の言葉に耳を傾ける。
先輩は“レジ休止中”の看板を置くとレジにあるピッとするバーコードリーダーを手に持ちながら説明をしてくれた。
「まず、自分の名札にあるバーコードをスキャンしてから商品をスキャンするんだ!それで、レジのこのボタンを押すと会計が表示されるよ!」
私はメモを取りながらしっかりと覚える。
「まぁ、後はやった方が早いかな!」
そう言うと、先輩はレジから出て商品棚からココアを持ってくるとレジに置いた。
「はい!会計してくださいな!」
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「うん!ちゃんと出来てるね!また分からない事が出てきたら聞いてっ!これ、ご褒美だよ!」
先輩に誉められ嬉しくなっていると、先程先輩が自腹で買ったココアを差し出してきた。
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「はいっ!」
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