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4章 旅の始まり

19. 名も無い村

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今はすばしっこい、犬?兎?蛙?みたいな魔物と戦っている。

「右だ!」

おっと、この魔物は思った以上にすばしっこいため武器を剣に変えている。
この武器は準備をしている時に買っておいたやつだ。

グラスもカチャカチャと音を立てて大剣から長剣に変えたみたいだ。

ツキユいわく、犬?兎?蛙?みたいな魔物はトリュップというらしい。

トリュップはここら辺に何体もいて、何回も襲われた。
最初襲われた時はとても気持ち悪かった事は頭できっちり覚えている。

「今だ!」

グラスは叫びながら、トリュップを倒そうとしたが、攻撃がかわされた。
流石に何体も来たらイラついてくる。

そして、数十分間ぐらい倒してやっと進むことが出来た。

「やっと、いなくなったよー」

あれこれ2、3時間経っているので、皆んな疲れているようだ。

歩いていると、向こうに村のような場所が見えた。

「村だ!」
「やっと……」
「あれ、こんな近くに村があったんだな」

その村に近づくと、そこの人達は俺達を暖かく迎えてくれた。

「いやぁ、久しぶりの客でねぇ」
「そうなんだー!」
「あの、この村の名前は何と言うんだ?」
「こんな小さな村に名前なんてありませんよ、言うなれば名も無い村ですかね、ホホ」

村を見てみると、至って普通の村のように見えたが、頭に何かを被ってる人が多い。
それと動物が人間になったみたいな人もこの前の街よりもよく見かける。

「なんか甘いもの無いかな?」
「ツキユはさっき食べてたじゃないか」
「それなら、あちらのお店に美味しい食べ物がございますよ」
「早速行こうよ!」

俺は地味に仲間にバレないように、鞄から出して食べていたから、今はあまりお腹が空いていない。

実は俺の鞄はたまにあるスキルの【アイテムボックス】を使っているので、何個でも入れる。そのためバックがとても軽い、それをポケットにしても良かったのだが、ポケットから色々出すのはちょっと変に見られるのでやめておいた。

「俺はお腹が空いてないから、どっか歩いて来る……」
「私も……」
「わかった」

フライヤはこの村に来てから、少し調子が悪そうだった。

「よし、ツキユ達行くぞ!」

俺とフライヤ以外はご飯を食べに行くことになったようだ。






ーー

「そこの君占いして見ないか?えへへ」

俺が歩いていると、おばさん?に声を掛けられた。

「え?」
「大丈夫ぅ金は取らないよ。えへへ、無料だよお得だよ。えへへ」

占いか、前の世界の時は確か信じていたような、信じていなかったような感じだった。

でも、この世界の占いはあたりそうなのでしてみようかな。いちよう無料だし、

「じゃあ……一回だけ……」
「ご賢明な判断ですなぁ。えへへ」

その言葉の最後に付けてくる変な奇妙な笑い声は少し、あれだけど……。

そして変なおばさんについて行き、占いをしそうな場所に連れて来られた。

「そこに座れ。 えへへ」

俺はそっと椅子に座った。

テーブルの真ん中には水晶玉のような物が置いてある。周りはいかにも占いしそうな空間になっており、少し暗い。

「さて、はじめましょか。えへへまず君の名前何ですか? えへへ」
「ラ、ラーメンです……」
「ラーメンですか? えへへわかりました。」

おばさんは隣にある、タオルみたいな物を指差してた。

「まず、その特別なーー タオルで手を拭いてください。えへへ」

俺が手を綺麗に拭いたら、おばさんは「次は水晶玉を触れ、えへへ」と言った。

触って見ると、一瞬光って見えた気がする。

俺が水晶玉から手を離すと、おばさんは水晶玉を触り、何かを唱えたら水晶玉が光り出した。

その後、手で振るとカードのような物が何枚か、おばさんの手元に飛んで来た。

それを綺麗に横に並べるとおばさんはカードみたいな物に手を横から順にスーとかざした。

そうしたら、カードがひっくり返って、そこには何かが描いてあるようだ。

俺からだと、暗くて見えにくい。

おばさんはカードを手に持ち、何かを言い出した。

「貴方はこれまで、色々な冒険をしたようですね」

おばさんの口調が変わった。

いや、でも俺はそこまで冒険をした覚えは無い、気がするけど……怪しな。

おばさんは違うカードを持った。

「そして、今貴方は王国に向かって居ますね」

それは合っている。

おばさんはカードを横から順に取ってるみたいだ。

「そこで、"学園"、"運び屋"、"神"などが関わって来ますよ。覚えて置いてください」

本当なのだろか……?

「後は忠告ですよ、仲間と敵ですね」

仲間と敵? どう意味なのだろうか。

「終わりです」
「終わり……」
「そうですよ、えへへ」

おばさんの口調が戻ったようだ。

「あ、ありがとうございました……」

俺が外を出ようとしたら、おばさんに声を掛けられた。

「それと、これを、守りたい女性に渡してください。えへへ、左胸ら辺にこれを持っておけば、きっと救われますよ。えへへ」
「わ、わかった……ありがとうございました……」

おばさんから、貰った物はカードのような物で、何かが描かれている。

そして、入り口を出て、変な感じがして、後ろを見るとさっきまであった占いの店が無くなっていた。

「えっ……」





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