8 / 32
2章 運び屋
⒎ どうしようかな
しおりを挟む目を覚ますと、ぎゅーとされていた。まあ、ぎゅーと押しつぶられてるほうだけどね。
俺は今の状況は、部屋の大きさが五畳も満たないぐらいの大きさに5、6人の男達が寝ている。
昨日、俺は宿屋を探しまわって、見つけたのがこのボロそうな宿屋だった。もちろん値段は安く、朝ご飯なしで500デルだった。この宿屋の場合は先にお金を払うようになっている。
この宿屋に来た時は、俺しか居なかったが、後から、1人入って来たと思ったら、どんどん人数が増えていき、5、6人になって居た。
さらに、筋肉もりもりの人ばかりで、お酒の匂いが臭くてさらに動くので、全然寝れなかった……。
起きていると、リーア達の事がどうなってるのかが気になってしまう。
そもそも、運び屋になったからって今後のことは一切何も考えていない。ならばリーアの仲間になっても良かったのかもしれないと今頃思ってしまった。
その後俺はこの部屋から、頑張って抜け出した。
「はぁー、疲れた……外で寝た方がましだったかも知れない」
俺は外に出た後に真っ先に温泉に向かった。
俺がゆったりとお湯に浸かっていると、知っている話し声が聞こえて来た。
「あのさ朝風呂って体に悪くないのか?」
「短時間なら、入っても大丈夫らしい、逆に体に良いらしいぞ」
「へーそうなだな、ヒゥーは色々知ってるよな」
そして、入って来た2人は俺に気づいたようだ。
「ラーメンじゃないか!」
「また会ったな」
昨日も偶然会ったけど、よく会うなと思って、お湯に浸かってると……
「昨日、リーアとニアが一緒に居たから、声を掛けようとしたんだけど……」
あの後、また会ったのか。
「2人共ショボンとしてたから、何かあったのか?」
「確かにそれは、私も気になっていた」
「そうだったのか、俺はその後別れたから知らないな」
俺はなんとなく、知らない振りをする事にした。
「そうだったのか、てっきり知ってると思ったぜ」
ライドは全く気付いてそうにないが、ヒゥーは俺が嘘をついた事に気づいている様子だった。
ーー
「ヒゥーそろそろ出ようぜ」
「ライドは先に出ておけ、私はもう少しお湯に浸かっておく」
「あ、あぁ分かった」
ヒゥーはライドが出た後に俺を見た。
「どうしたんだ?」
「いや……ラーメンさっき嘘をついただろ」
やっぱりバレていたか。俺は言い訳をしたところで意味はないので正直に話す事にした。
「確かにさっき嘘はついたよ」
「やっぱりか、でもどうして?」
「どうしてて言われてもな、なんとなく……」
「じゃあ、リーア達に何をしたんだ」
ヒゥーのやつ、なんか誤解してないか?
「いやー、あれだよ、仲間にならない?って言われて断ったんだよ」
「そういうことだったのか、でもどうして?なんとなく、じゃあないよな?」
正直、実際は運び屋になるから、なんとなく断ったんだけどな……どしよう。
「あ、あれだよ、なんとなく……だよ」
「……」
そうしたら、ライドがまだかよと言ってきたので、ヒゥーが立ち上がり、「リーア達とちゃんと話しを付けておいた方がいいぞ」と言って去って行った。
そうだな、まだリーア達は街に居ると思うから見つけたらなんか言うか……。
俺は温泉に出た後に、朝ご飯を食べに行った。
朝ご飯を食べて思ったのだが、この世界の食べ物って普通美味しい。ハズレもあるが……。
そして、男達の話しが耳に入った。
「昨日さぁ、女2人が男達に捕まってるところを見たんだよ」
「まじか、いつだ!」
あの二人じゃないよな、そう思って聞いてると、
「昨日の夜ぐらいかな、確か1人は水色の髪の色でもう1人は猫の少女だったな、どっちも結構可愛かったぞ」
た、確か……リーアは水色の髪だよな、猫の少女まさかニアじゃ無いよな?
「まじかよ、助けに行っちゃう?俺たちに惚れるかも知れないぞ」
「いや、やめときな」
「どうして?」
「それが、連れて行った奴がさあの噂のブラックキャットだぞ」
ブラックキャット?
「ブラックキャットなんだそれ」
「お前知らないのか?」
「なんだよ」
「しょうがないな、ブラックキャットとはな、簡単にいうと、猫系の種族を襲う集団だよ、噂では結構強いらしいぞ」
「まじかよ、じゃあなんで、普通の女が捕まってんだ?」
「その猫の少女と一緒に居たからじゃね?」
まさか、リーアとニアがブラックキャットという奴らに捕まったのか。
「あの、その二人どこに行ったか知ってる」
「はぁ?そんなの知るわけないだろう?」
俺はそいつの胸ぐら掴んだ。
「方向でもいいから!」
俺は必死だった。
「な、なんだよ」
「なんでもいいかさ!」
「え、えーと、確か森の方だった気がする」
俺は急いで走り出した。
「大丈夫か」
「なんだ、あいつ……」
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
悪役に転生したけどチートスキルで生き残ります!
神無月
ファンタジー
学園物語の乙女ゲーム、その悪役に転生した。
この世界では、あらゆる人が様々な神から加護と、その神にまつわるスキルを授かっていて、俺が転生した悪役貴族も同様に加護を獲得していたが、世の中で疎まれる闇神の加護だった。
しかし、転生後に見た神の加護は闇神ではなく、しかも複数の神から加護を授かっていた。
俺はこの加護を使い、どのルートでも死亡するBADENDを回避したい!
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる