【BL】星座に愛された秘蔵の捨てられた王子様は、求愛されやすいらしい

かぎのえみずる

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第五部ー君の眠りは僕には辛すぎてー

番外編1 アトューダと悪魔座

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「恨んだことはありませんか」

 それはまだ、プラネタリウムが生まれていない頃、彼がまだクガレという魂として存在していた時代の話。
 悪魔座――クガレは、きょとんとして、どう答えようか戸惑う。
 それを見たアトューダは墓地にて、新しい墓を見つめてから、クガレに視線を移す。
 カレンは未熟な魂だからか、中々アトューダに会いに来られないようだが、クガレは違い、しょっちゅう遊びに来ていた。
 彼がそれを現在でも覚えているかどうかと言われれば、それはノーとなるが。
 まぁ未来は兎も角、この頃クガレは、アトューダの元へ遊びに来てはカレンの話をしていた。
 そして主人の偏屈な話しもして、二人で笑い、時折クラウル――蟹座のモデルだ――も交じって、三人でからかったりもしていた。

「恨んだことはありませんか、クガレ」
「恨む? どうしてだね?」
「――だって、私はお前の親なのに、お前に気付くことが出来ず、死なせてしまったのですよ」
「それはだって、仕方ないね。断の儀式だったんだから。神官も大変だね」

 断の儀式――それは性欲を一身に断ち切り、街のために神のお告げを待つ神官がする、一年の軟禁の禁欲ことだ。
 一切神殿から出ることは許されず、食事も決まっていて、読む本も決まっている。気紛れに行動することは許されず、一日最低五回は禊ぎをする。
 身を清めることにより、神のお告げを待つということらしいが、それをアトューダはする前に、一人の女性を愛し、偶然子がなった。そして、子を失った彼女を今では妻にしている。それが男のけじめだそうだが、クガレにはまだ判らなかった。

「そんな物わかりの良い子供は不気味ですよ。恨んでいるなら恨んでいる、で宜しいじゃないですか」
「――何でいきなり。あ、もしかして、クラウルに何か言われたかね? 父ちゃん」

 黙り込んでいるところを見ると、図星のようで。
 この様子では酒の席で、クラウルに何か八つ当たりされたに違いない。そのはずみで、言ってしまったのだろう、彼も。
 しょうがない大人達だ、と思いながら、クガレはまた、恨んでないよ、と言った。

「父親として、責務は果たしたと思うね。あれが、精一杯だろう?」
「――それでも、私はお前の父親だ。私だったら、恨みますよ。寛大なお前と違って」
「寛大なんかじゃないよ。ただ、さ。どう恨めっていうの? 自分を救ってくれた人を」
「……――救ってなど、いません。救えてません」

 新しい墓をそっと触り、そこに連なる名前に、アトューダは目を細める。
 隣の墓は、カシス――冠座――だろうか。そうだといい。彼女はとても可愛くて、良き理解者だったから。アトューダと仲が良いあまりに、よく女性から嫉妬されていた。実際二人の関係はそんなことは一切なかったのに。女性相手で初めて、普通に友達となれた人。
 そしてその隣は、パテーニ――大犬座――。あんなに可愛くて、元気が良くて。ガキ大将を相手に一人で立ち向かう姿は勇敢だった。そして彼女がガキ大将を倒して、その座を奪ったことは武勇伝として子供達に語り継がれ、大人達は目ん玉をひんむいた。アトューダは笑ってしまったが。将来が楽しみだったのに、若くして死んでしまった。
 どれもこれも、時代の所為だった。
 もう世は戦乱に移ろうとし、街は滅びの道を辿ろうとしている。
 
 そして、それをお告げで告げることの出来なかった己は二人の墓の間に――明日眠る。
 
「私は、お前をこの手で抱きしめたかった。お前を抱き上げて、高い高いをしてやりたかった」
「魂でも出来るじゃあないか」
「重くないんですよ! 軽すぎるんですよ! 何ミリグラムですか?! ゼロでしょう?!」
「我が儘」
「ええ、我が儘ですとも。――ですからね、私は……唯一心残りがあるとすれば、妻とお前とカレンなんです」
 
 お告げで告げることの出来なかった己は、この墓に生き埋めという刑が決まった。
 こんな戦乱に神官など必要ないという声もあってか、同僚はもう既に全員墓の中で苦しんで生き埋めされた。
 あんなに敵視してきたクラウルとアデレオ――鷲座――と、面倒くさがり屋の蒼刻一は反対してくれたが、結局は明日、生き埋めとなってしまった。
 墓に己の名が、まだ生きているのに連なっていると、ぞっとする。
 アトューダは目を伏せてから、上空を見上げクガレを見つめる。
 
「これから先、お前に待ち受ける物が何か、見たかった――お前はどんな人と友達になるのか、どんな人を好きになるのか……」
「――天に報告するね」
「神など居ないと、神官の私が言うのはおかしいですかね」
「皮肉なんて言うもんじゃあないね、父ちゃん」
「――……クガレ、一つ、お願いがあるんです」
「何?」
 
 アトューダはクガレのふよふよとした少し人の形を成している魂をそっと触れるように、空に手を置き、微笑む。
 
「もし、カレンが私のことを忘れてしまっても、私のことは言わないでほしい」
「……ど、どうして?! 忘れるわけないね!」
「――あの蒼の妖仔ということは、永久の、気が遠くなるほどの時を共に歩むということですよ? 人の記憶はコップなんです。溢れれば零れる。そのうち私は零れるでしょう――だから、ね。クガレ、お前も忘れて良い。私と蒼だけが覚えていれば、それでいい」
「……そんな……」

 泣きそうな声をクガレが出すと、アトューダはにこりと微笑む。それは穏やかで、明日死ぬ人間だとは思えないほどの日常的な笑み。

「私はね、私のことを覚えて貰うより、新しい出会い、新しい記憶、新しい喜びを記憶していってほしいんですよ、お前達に。これから先、長い長い未来がお前にはあるでしょう。でも、お前は幸せにおなりなさい。新しい人との出会いを大事にしなさい――そして、お前に愛しい人が出来たら、その人を一番覚えていて、コップの奥底にしまっておきなさい」
「……――父ちゃん」
 
 その言葉は、本当に遺言のようで。今、彼が本当に生き埋めになって、死んでしまうのだと実感する。
 父親はそれきり口を開かず、ただ、墓の己の名前をなぞっていただけだった。
 
 クガレは泣きながら帰る――その途中で、クラウルに出会う。
 

「何泣いてるんだ、ガキ。パテーニが居なくなって、泣き虫が居なくなったと思ったら」
「……――クラウル、本当に明日、父ちゃんは死ななきゃダメなのかね?」
「――……オレだってな、何とかしてやりたい。貴様の為に、何とかしてやりたいとは思う。これ以上子供の声が、この街から消えるのは、幽霊とはいえ、耐え難いからな」

 子供嫌いな彼が、戦乱の時代になって嫌ったことは子供が死んでいくことだった。
 街の第一犠牲者が、一番口論していたパテーニだからこそなのかもしれないが、パテーニが死んでから、クラウルは己に甘くなった。

「――ガキ、一つ、教えてやろう」
「何だね?」
「一人、奴の道連れが出来たということだ――……町長め、アトューダを生き埋めにする罰だ……ッ」
「……――ッ!」
 
 よく見ると――クラウルの手は真っ赤で、目は怒りに満ちていた。
 真っ赤な鮮血――それは彼の物ではない。
 
「クラウル、なんてことを……!」
「オレは、この街を出る。アデレオと蒼にはもう話してある。――逃げなきゃならんからな、これから。ガキ、体を得たら、まず先に悪友を作れ。とても、――楽しいぞ。お前の親父がオレにとっては、まぁ申し分のある悪友だった」
「……クラウル」
「まぁ、オレとアトューダには敵わないだろうがな。将来、元気でいつも笑っていろ、ガキ。貴様は不気味に笑っていた方がマシだ。ガキの泣き声は耳障りだからな。――……カレンには最後まで会えなかったが、まぁいい。カレンのことは、貴様が一番に守ってやれ。貴様の大事な、弟だぞ――? いいな、判ったか、ガキ」
「……――うん、判った、元気でね、クラウル」

 クガレがそう言うと、クラウルはにやっと血がよく似合う笑い方をして、子供も戦慄くような笑みで去っていく。
 
 アトューダに続いて、クラウルも消える、この街から。
 アデレオは? アデレオはどうなった?
 
「何やってるんだ、クガレ」
「ご主人! アデレオは何処だね!?」
「――……学者が武器開発に必要だからといってな、連れて行かれた」
「な、なんで止めなかったね!? ご主人ならどうにでも出来ただろう?! 父ちゃんの死刑も、クラウルの殺しも、アデレオの研究も、ご主人ならッ……!」
「クガレ、人に関わって生きてちゃなんねぇんだ、もう僕達は」

 黒い髪を風に靡かせ、蒼刻一は目を細める。その風はまるで、昔の暖かな街の名残のように感じた蒼刻一は、募る悔しさを、髪をかくことで誤魔化した。

「人に関わって生きても、人は先に死ぬ――過ぎた力を持った僕は、もう何もしちゃいけねぇんだ」
「……どう、して」
「人は、自分自身で問題を解決しなきゃなんねぇ。それは僕自身にも言えることだ。――僕は自ら不老不死になった。不老不死になるということは、一人になるということだ」
「ぼかぁ、いるね! ご主人のそばにいるね! カレンも、水子の皆も居るね!」
「――アトューダからの、餞別だと思うことにしてる。……――クガレ、人は、決して弱くない生き物だ。だから、それぞれ考え方がある。それを止めることも、拒否させることも、もう、一般人でない僕はしちゃいけないんだ――絶対に叶う出来事だから」
「……ご主人」

 蒼刻一は決して伸びない髪の毛を掻きむしると、面倒くさそうにため息をついた。
 説明するのが億劫だと言わんばかりに。
 彼だって辛い。愛した、生まれたこの街が、変わる様を見ていくのはとても辛い。
 愛した人たちが死んでいくのを見ていくのは辛い――それは、パテーニが死んだことにより、思い知った。

「――……人は人に頼らなくてはならない。人外の枠の外である、僕に、もう頼っちゃいけない。それを、あの三人は判っていた。それだけ」
「……――ご主人……。ねぇ、お願いだね、いつか、この街を作って! あの頃の街を作って! ご主人だって、あの活気があった街を見たいだろ?!」
「……――ん」
「お願いだね、お願いだね!」
「……――考えとく」
 
 
 蒼刻一はそう言って、己もそろそろこの居るには変わりすぎて、辛すぎる街から出て行く。
 クガレはそれを追いかける――心に、あの街の光景を描きながら、沢山のあの街の暖かかった人々を思い出しながら。
 
 
 
 *
 
 
「クガレ?」
「え、と……あ、何だ、カラス兄さん?!」

 気付かぬ間に寝てしまったようで、目を覚ませばそこには神官服ではない、己の父親によく似た妖仔が。
 悪魔座が口端で流れていた涎を拭うと、鴉座はくすくすと笑って、ほら、と手元のお盆に乗ってるケーキを見せた。

「お昼寝の後のデザートは如何? 一応、カレンのものも持ってきましたよ」
「――カラス兄さん、ぼかぁ言ったね。そう呼んで良いのは、父ちゃん一人だって」
「……――クガレ」

 鴉座は、盆ごと脇の机に置いて、ベッドで眠る幽霊座に歩み寄り、その髪の毛を撫でる。
 己は幽霊座の横に置いた椅子の上で、不満げに見つめるだけ。鴉座が何か言うまで。
 

「クガレ、――聞こえますかカレン。私は、お前達をわが子だとは思えない」
「なら……」
「だけどね、子供を持つ喜びを教えてください。私と陽炎は男同士、子供は出来ません。お前を、これからわが子だと思うように接することを許してくださいませんか? 少しでも良い、慈悲を下さい――」
「……――と、う……」

 その笑みに、つい先ほど夢に出ていたアトューダの面影を見いだした悪魔座は首をぶんぶんとふって、鴉座を睨み付ける。
 これは別人、重ねてはいけないのだ。
 重ねては、陽炎が悲しむ。鴉座もきっと悲しむ。妖仔では己だけが知ってる事情なんだから、あの時黙っていれば良かったのに話してしまったことに、悪魔座は今更ながら悔やむ。

「――カラス兄さん、ぼかぁもう良い年なんだね。親は必要ないし、カレンにはこのことは秘密だって言ったじゃないかね」
「――……いい年でも、親は居てもわるいものじゃないでしょう?」
「……カラス兄さん、だって貴方が親になれば、……このコップの奥底はどうすればいいの?」
「コップ?」
 
 ――コップの奥底に沈んでいる、アトューダが本当の親という記憶。
 彼は忘れろと言った。それでも、絶対に忘れたくない記憶。それを手放せと言うのだろうか。
 鴉座は、微苦笑して、悪魔座を撫でた。
 
「親が四人いたって、別に良いでしょう? お前達は、永久に子供のままなのだから」
「うわぁ。酷いことを遠慮無くいうんだね……。――カラス、父ちゃん」
「……クガレ」
「甘えたいときだけ、利用させてもらうね。貴方が初めて会ったときにしたように、利用させてもらうね。でも、カレンには内緒にしていてくれよ?」
「――それは勿論。ああ、それと陽炎にも内緒に。彼はきっと、複雑な思いを抱いて、純粋にお前達に接することが出来なくなってしまう。あれはとても、不器用だからね」
「……お互い、好きな人に秘密だなんて、大変だね」
「ですね」
 
 
 ――天のアトューダは、見てくれているだろうか。
 今、記憶は新しい物が増えた。好きな人も、友人も、新しい父親も出来た。
 コップの水が、追加された、この瞬間を見てくれているといいな、と思い、悪魔座は、にこりと笑い、ケーキに手を伸ばした。
 
 今日、夕方にはブランコにまた乗せてあげよう、この弟を、なんて思いながら。
 
 
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