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第五部ー君の眠りは僕には辛すぎてー
第二十四話 致命傷
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「……ホーリーゴースト、否、柘榴、テメェ、マジに説歌いなのな。……あのコの血を一番強く、引いてるんだな」
蒼刻一の言葉に、柘榴はにへらと愛嬌のある笑みを浮かべて、蒼刻一を離し、鷲座に肩を貸して、地上に戻れないことに困惑する。
すると、蒼刻一が柘榴に言葉をかける。
「中だ。中に、呉が居る――陽炎も亜弓も」
「……蒼刻一」
「柘榴ォ、僕は――不老不死を諦めたわけじゃねぇ。でも、でも――今回は、見逃してやる。テメェの“歌”にやられたからな、負けを認めてやる」
蒼刻一はぼそりと呟く。
その声に、柘榴は苦笑を浮かべて、鷲座に肩を貸して、共に中に入る――。
(どうせテメェも同じ道を歩むんだ――予感がするんだ。それなら精々あがけ)
蒼刻一はため息をつく――と、その時、不気味な雪が足下を凍らせて、その場から動けなくなった。
彼は一瞬で夢から覚めたような、うんざりとした顔つきになり、その人物を睨み付ける。
その人物も睨み付けたまま、一切の隙も見せない――。
「オレも中に入って良いよな? 聖霊が許されたんだもの」
「……テメェは、字環を脅すから、駄目だ」
「だって楽しいじゃないか。強い者が、己に屈服する姿なんて」
にこりと、白雪は笑う――。
ざわりと空に雪が舞い散り、地面から雪が桜吹雪を踏みしめたように、はらはらと。
それは不思議な光景。雪が地面から、降っている。
蒼刻一は己が与えた能力が、見事に綺麗に使われてるのを見て満足げに笑う。
「似合うな、雪」
「元から背負っていた名前だからね――。ねぇ、君は蓮見をどうするつもりなの? オレをどうしたいわけ?」
「――そうだな、テメェの国に売り渡すってのも面白いよなァ? 殺すぐらいじゃ足りねぇよ、テメェ生き返ったんだから。生き地獄を味わわせてやる」
「……蒼刻一、いつまでも昔のオレだと思うなよ?」
白雪はにたりと笑いかけて、字環の名を含めた数式を呟く。
その瞬間――。
「あ……?」
蒼刻一の口から、一筋血が流れる。
そして、蒼刻一は雲の上に倒れ込む――声無くして。
それを見て、白雪が世にも残虐な笑みを浮かべて雲に転がる蒼刻一を、サッカーボールが相手のように蹴る。
「あはは、君に関して、ダメージを喰らわせる式を今まで計算していたんだ――死にはしないけれど、三ヶ月意識は失う……その間に、君を殺す式を見つけてやる。字環ごと、な」
白雪はサングラスを取り外し、胸ポケットへしまい込んで、中へと入る。
蒼刻一の言葉に、柘榴はにへらと愛嬌のある笑みを浮かべて、蒼刻一を離し、鷲座に肩を貸して、地上に戻れないことに困惑する。
すると、蒼刻一が柘榴に言葉をかける。
「中だ。中に、呉が居る――陽炎も亜弓も」
「……蒼刻一」
「柘榴ォ、僕は――不老不死を諦めたわけじゃねぇ。でも、でも――今回は、見逃してやる。テメェの“歌”にやられたからな、負けを認めてやる」
蒼刻一はぼそりと呟く。
その声に、柘榴は苦笑を浮かべて、鷲座に肩を貸して、共に中に入る――。
(どうせテメェも同じ道を歩むんだ――予感がするんだ。それなら精々あがけ)
蒼刻一はため息をつく――と、その時、不気味な雪が足下を凍らせて、その場から動けなくなった。
彼は一瞬で夢から覚めたような、うんざりとした顔つきになり、その人物を睨み付ける。
その人物も睨み付けたまま、一切の隙も見せない――。
「オレも中に入って良いよな? 聖霊が許されたんだもの」
「……テメェは、字環を脅すから、駄目だ」
「だって楽しいじゃないか。強い者が、己に屈服する姿なんて」
にこりと、白雪は笑う――。
ざわりと空に雪が舞い散り、地面から雪が桜吹雪を踏みしめたように、はらはらと。
それは不思議な光景。雪が地面から、降っている。
蒼刻一は己が与えた能力が、見事に綺麗に使われてるのを見て満足げに笑う。
「似合うな、雪」
「元から背負っていた名前だからね――。ねぇ、君は蓮見をどうするつもりなの? オレをどうしたいわけ?」
「――そうだな、テメェの国に売り渡すってのも面白いよなァ? 殺すぐらいじゃ足りねぇよ、テメェ生き返ったんだから。生き地獄を味わわせてやる」
「……蒼刻一、いつまでも昔のオレだと思うなよ?」
白雪はにたりと笑いかけて、字環の名を含めた数式を呟く。
その瞬間――。
「あ……?」
蒼刻一の口から、一筋血が流れる。
そして、蒼刻一は雲の上に倒れ込む――声無くして。
それを見て、白雪が世にも残虐な笑みを浮かべて雲に転がる蒼刻一を、サッカーボールが相手のように蹴る。
「あはは、君に関して、ダメージを喰らわせる式を今まで計算していたんだ――死にはしないけれど、三ヶ月意識は失う……その間に、君を殺す式を見つけてやる。字環ごと、な」
白雪はサングラスを取り外し、胸ポケットへしまい込んで、中へと入る。
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