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第一部――第六章 朧月を閉じこめたプラネタリウムに、三人の勇者
第三十七話 親友へ、有難う
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一番に入ってきたのは、大犬座。微笑みかけるよりも先に飛びつくように抱きついてきて、わんわんと泣いた。その衝撃に陽炎は咽せて、少し苦しがった。
それから鳳凰座が側によって泣いていて、何故だか見かけない派手な鎧姿の男が凄く近くで頬を赤らめているので、また愛属性かとげんなりしつつ、そしてもう一人見かけない着物美人を見つけると着物美人はにこりと微笑んで、柘榴と話していた。
一番最後に部屋を覗き込むように冠座と劉桜が居たのでおいでおいでと手招きをすると、二人は感極まり泣き出してゆっくりと入ってきた。
鷲座は何処かへ行ったようで、柘榴が会わせたい人が後一人いるけど今外で鷲座と話してると教えてくれた。
「陽炎ちゃん、良かった、あの変態ホモくそったれ衆にえげつないことやえげつないことされなくて!!」
「……わんちゃん、それどういう意味なの? どういうことをされかけたの、陽炎様?」
「大犬座ー、お前鳳凰座姉さんが居るときはそういう言葉は控えろって言っただろ」
少し掠れてる声が痛々しくて、それと同時に叱ってくれる陽炎が嬉しくて大犬座はまた甲高い声で泣いた。
それを抱きしめてなだめながら、鎧姿の男と、和服美人を見やる。
「えーっと、初めまして……陽炎でっす。プラネタリウム、の、星座かな……?」
「わらわは魚座じゃ。貴様とは親友なんじゃから、あまり気を遣うでない。下僕共にも気を遣う必要はなかろうて」
「おらは獅子座だ! 陽炎皇子、おら、救えただ? おら、陽炎皇子救えただ? おらは、陽炎皇子の中で英雄になれただか?! 陽炎皇子だけの英雄になれただか?!」
嗚呼、また逆属性パターンかよ、と陽炎は唸って困惑する。
何故毎回愛属性の女性が出にくいのだろうか、そんなに己は男受けするのだろうかと暫し本気で頭痛がしかけた陽炎はひきつった笑みを浮かべる。
「ちょっと、獅子ちゃん、あんまり迫らないの! いい?! 陽炎ちゃんは貴方にじゃなくて、柘榴ちゃんに助けられたの!」
「……――まぁ、うん。皆に助けられたさ。有難……」
言いかけて、少しの目眩。それに敏感に察したのが魚座で、依存力か、と呟いた。
それに反応したのが柘榴で、魚座に自分たちへの説明を求める。
素直に主人以外の言うことを聞く星座に驚いたのだが、その説明は後で柘榴から聞こうと思いつつ、陽炎は耳を傾ける。
「あの忌まわしい水の成分を体が欲していて、体に支障がきとるんじゃろうて。そのうち禁断症状が始まるぞ。それを奴らは狙って飲ませていたんじゃろうし」
「……結果まで、麻薬と同じかよ……くそ、あいつら……!」
忌まわしそうに嘆く陽炎へ、柘榴は更に言葉を続けて現実を教える。
「それだけじゃない。多分、依存しているのはプラネタリウムと水瓶座にもだ」
現実を教えられるなり、陽炎はため息を数十年分込めてつきたくなりつつ、質問をしてみる。
「……――センセー、俺、治るんですか?」
「それは君の努力次第だよ、かげ君。頑張れば世の中どうとでもなろう!」
営業めいた台詞の柘榴を冷視しながら、ため息をつくと、皆に謝りながら少し眠りたいと告げる。
それを聞いた柘榴は魚座に視線をやると、魚座はこくりと頷いたので、皆へ解散を告げる。
一番の功労者は柘榴。だからなのか、皆は柘榴に逆らえず、文句を言いながらも部屋から出て行った。
その様子を見て、陽炎は声を出して笑いたかった。
「プラネタリウムの次の主人になるか」とでも冗談を言いたかったが、それを今言ったら、きっとまた非難囂々なのだろう。
眠りにつきかけながらも、陽炎は呟く。
「俺、ちゃんと真っ向から生きるよ。……生きてて良かった、有難う、親友」
それは言葉になったか、ならなかったかは判らない。
それから鳳凰座が側によって泣いていて、何故だか見かけない派手な鎧姿の男が凄く近くで頬を赤らめているので、また愛属性かとげんなりしつつ、そしてもう一人見かけない着物美人を見つけると着物美人はにこりと微笑んで、柘榴と話していた。
一番最後に部屋を覗き込むように冠座と劉桜が居たのでおいでおいでと手招きをすると、二人は感極まり泣き出してゆっくりと入ってきた。
鷲座は何処かへ行ったようで、柘榴が会わせたい人が後一人いるけど今外で鷲座と話してると教えてくれた。
「陽炎ちゃん、良かった、あの変態ホモくそったれ衆にえげつないことやえげつないことされなくて!!」
「……わんちゃん、それどういう意味なの? どういうことをされかけたの、陽炎様?」
「大犬座ー、お前鳳凰座姉さんが居るときはそういう言葉は控えろって言っただろ」
少し掠れてる声が痛々しくて、それと同時に叱ってくれる陽炎が嬉しくて大犬座はまた甲高い声で泣いた。
それを抱きしめてなだめながら、鎧姿の男と、和服美人を見やる。
「えーっと、初めまして……陽炎でっす。プラネタリウム、の、星座かな……?」
「わらわは魚座じゃ。貴様とは親友なんじゃから、あまり気を遣うでない。下僕共にも気を遣う必要はなかろうて」
「おらは獅子座だ! 陽炎皇子、おら、救えただ? おら、陽炎皇子救えただ? おらは、陽炎皇子の中で英雄になれただか?! 陽炎皇子だけの英雄になれただか?!」
嗚呼、また逆属性パターンかよ、と陽炎は唸って困惑する。
何故毎回愛属性の女性が出にくいのだろうか、そんなに己は男受けするのだろうかと暫し本気で頭痛がしかけた陽炎はひきつった笑みを浮かべる。
「ちょっと、獅子ちゃん、あんまり迫らないの! いい?! 陽炎ちゃんは貴方にじゃなくて、柘榴ちゃんに助けられたの!」
「……――まぁ、うん。皆に助けられたさ。有難……」
言いかけて、少しの目眩。それに敏感に察したのが魚座で、依存力か、と呟いた。
それに反応したのが柘榴で、魚座に自分たちへの説明を求める。
素直に主人以外の言うことを聞く星座に驚いたのだが、その説明は後で柘榴から聞こうと思いつつ、陽炎は耳を傾ける。
「あの忌まわしい水の成分を体が欲していて、体に支障がきとるんじゃろうて。そのうち禁断症状が始まるぞ。それを奴らは狙って飲ませていたんじゃろうし」
「……結果まで、麻薬と同じかよ……くそ、あいつら……!」
忌まわしそうに嘆く陽炎へ、柘榴は更に言葉を続けて現実を教える。
「それだけじゃない。多分、依存しているのはプラネタリウムと水瓶座にもだ」
現実を教えられるなり、陽炎はため息を数十年分込めてつきたくなりつつ、質問をしてみる。
「……――センセー、俺、治るんですか?」
「それは君の努力次第だよ、かげ君。頑張れば世の中どうとでもなろう!」
営業めいた台詞の柘榴を冷視しながら、ため息をつくと、皆に謝りながら少し眠りたいと告げる。
それを聞いた柘榴は魚座に視線をやると、魚座はこくりと頷いたので、皆へ解散を告げる。
一番の功労者は柘榴。だからなのか、皆は柘榴に逆らえず、文句を言いながらも部屋から出て行った。
その様子を見て、陽炎は声を出して笑いたかった。
「プラネタリウムの次の主人になるか」とでも冗談を言いたかったが、それを今言ったら、きっとまた非難囂々なのだろう。
眠りにつきかけながらも、陽炎は呟く。
「俺、ちゃんと真っ向から生きるよ。……生きてて良かった、有難う、親友」
それは言葉になったか、ならなかったかは判らない。
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