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第四話 後輩からえっちの提案、やったねセフレが増えたよ

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 ただれた夜を終えれば、また仕事は始まる。
 朝になると双樹は朝の仕事の訓練……プロゲーマーなのであいつは。世界大会に向けての調整で、一人部屋に閉じこもっているから、朝ご飯を作っておいて。
 光見も仕事の支度をしている。光見はサラリーマンで、広報担当だ。
 朝の日課である企業アカウントであるSNSで昨日のピザの写真を載せたらしいのだが、速攻で通知がぴこぴこ滝のように聞こえる。
 光見の飯テロは、全然飯テロにならないまずテロなので、よく炎上する。
 ある意味企業アカウントの才能があるやつだとおもう。

「こんなに美味しそうなのに」
「お前の審美眼をだとしたら疑うよ。なあ、光見。お、おれたちさ、その」
「またその話ですか。結婚なんて三人でできるわけないでしょう? 男三人ですよ」
「そ、うだけど。じゃ、じゃあ付き合ったりとかは!?」
「野良だから言うんですけどね。双樹は俺含めじゃないと人を愛せない、俺は複数人じゃないとえっちできない。
 そんな性質で付き合うだけ不幸になりますよ」
「……結婚したいよお……」
「うーん、それだけ好きってのは嬉しいんですけどね」

 さて、お先に行ってきます、だなんて逃げるように光見は出勤していった。
 はあ、いつになったら付き合えるのか。それともずーーーっとセフレってだけなのかなあ。
 オレはため息をついて、髭を剃っていくと、朝支度を整え、合鍵を手に出勤していく。
 コインパーキングの料金はいつもの値段で、事前に双樹から貰っていたお金を食わせてから、車に乗っていく。
 車で仕事先について、シフトカードを押していけば、空いてる時間で雑草取りをしているリルを外に見つける。
 リルのそばには例の襲ってきた奴がいたので、まずいと、オレはあわててリルを手伝うこととした。

「おはよう!」
「おはよう、奴元先輩」
「おう、奴元。なあ、そろそろコンビ替え時じゃねえか?」
「いやー、オレリルについてもらわないとだめなんすよね、こいつ奥様方に大人気でさあ!」
「いいなあ、俺もりるちゃんの恩恵うけてえなあ」
「ははは、じゃあそろそろ打ち合わせなのでいってきます!」

 リルの首根っこをつまんで、おっさんをおいてすたすた歩いて行くと、リルはふっと悪戯めいた笑みを浮かべた。

「こういうときの奴元先輩は男らしくてスマートだな」
「もうそういうのはいいから。今日の確認、しにいくぞ」
「はあい」


 俺とリルはそのあと仕事を引き受け、トラックでお客様の元に向かう。
 リルは助手席で爪にささくれがないか見たり、窓を見たりしている。
 オレはお気に入りのラジオをつけて、時々入ってくる内線の連絡事項に耳を傾けている。
 内線自体はこっちから連絡するときはスイッチが必要で、それ以外はプライバシーは守られている。
 
「奴元先輩」
「何よ、りるちゃん」
「奴元先輩ってゲイなのか」
「んー、そうだね。そうかもしれない」
「結構軽く答えるんだな」
「散々悩んだ思春期は通り越したからなあ」
「そう。ねえ、奴元先輩、俺のことはどう?」
「え」
「俺は好みじゃない?」
「おま、え」

 ビックリして赤信号ぎりぎりのところで停止したから、体が前のめりになる。
 後ろの車の運転手がサイドミラー越しに見れば怒っている、そりゃそうだ。
 オレはリルの顔が何となく見られなくて、この甘い空気も落ち着かない。

「俺は好きだけどな。この逞しい腕も、腹筋も」

 リルは呟くとオレの腕を艶めかしく撫でさすってから、腹を撫でる。
 車は渋滞気味の道に入ったのでなかなか前に進まない。
 それを好機と見たのか、リルはオレの下腹部に手を伸ばす。

「りる、ちゃ」
「先輩ならこんなこともできる」

 リルはにこっと笑うと、下腹部を撫でさすってくるし、リルの手つきはやたらオレの好みをついていて、刺激に弱いオレの肉棒はそそり立ってしまう。
 リルは雄がそそり立つと、まだしばらく動かないだろう道を確認してから、オレの下腹部に顔を埋め、奉仕しだした!

「りる、待って、待ってって」
「先輩のむわってする。汗のにおいだ」
「あっ……っく、あ。そこ、裏筋、もっと舐めて……」
「奴元先輩、汗のにおい強くなってきた……」

 リルはちゅるちゅると小さな口で頬張ってくれる。その所作がやたら処女めいていて、すげーそそる。
 イケそうにないのに、その所作だけで仕込みたくなってくる。
 辿々しいリルの舌技なのに、手淫は巧みだから腰がおかしくなりそう。
 昨日あれだけ二人を抱いたって言うのに、これだから嫌になるよな。
 光景だけで割といける。リルの頭をがっと掴んで、上下に律動させると、リルは苦しそうにわめいてる。
 リルの喉奥にたっぷり精子をびゅるるるうるっと放てば、リルは顔をあげて、涙目で口腔を見せた。
 ああ、そういう、こと、する?
 リルは口腔でくちゅくちゅ精子を泡立てると、あーと舌を差し出して見せつけた。
 えっちな子だなあ……。

「ひゃうもおへんひゃい」
「ああもう、口ふけふけ、吐き出せ。ほらティッシュだ」
「んうう♡ ……先輩の薄い」
「そら昨日ヤってきたの、知ってるだろ」
「今更セフレの一人、増えても構わないはずだが」
「えええー……リル、リルがセフレか」
「俺はぶさいくか? 好みじゃないか?」
「いや、すげー綺麗な顔してる……」

 だから困るんだよな。
 でもそうだな。オレもそろそろ咲良兄弟から離れて、恋人でも作ってみるのもいいのかもしれない。
 まずはセフレでお試し期間でもしてみるかなー。
 それにだいぶリルのが若い。オレは三十代で、リルは二十代だ。
 おっさんにそのうち飽きていくだろう、それならそれで割り切って遊んでおくか。

「仕事の後、オレんちおいで」

 誘うとリルはとろんとした瞳で微笑んだ。
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