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罰は斯くして――イヅミ
第八話 刑期終了
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神様、例えばこの世界に愛が溢れているのだとしたら、今の俺たちはどういえばいいのでしょうか。
愛してるという言葉すら交わさない。
俺は愛してるけど、そんな言葉あいつに言うつもりはない。
これは罰だ。
これは罪を購い続ける罪人を処刑し続けているのだ。
罪人は永遠に、許されないことを行ったから――。そして、罪人が罰を求めてるのを知っているから――。
ただ、それでも、もうそろそろ刑期は終えても良いと思うんだ――。
明るい朝が来る。鳥が囀り、朝を告げ隣にいる同族に擦り寄り。
温かみを共有し合う朝――俺は頬をかき、やけに眠気が強いのと、何かが満たされている感覚に驚いた。
今までここまで眠気が強くて、すっきりしたことなどなかった。
強い眠気に襲われたことも無かった。
それほどまでに満たされた何かがあるとするなら――隣に誰かがいることに気づく。
理がベッドの中で。俺の腕の中で眠っていた。
思わず欠伸してから、少し考え込み。躊躇ったけれど、ぎこちなーい手つきで理の頭を撫でてやる。史上初の出来事。
恥ずかしさのあまり、珈琲が欲しくなって部屋を出た。
だから俺はそのあとに密かに理が起きていたなんて知らずに済んだ。
「……なんだ、あいつ?」
――僕たちに言葉は要らない。
言葉は善人の物。罪人と処刑人には一切言葉など必要ないのです。
だけどそれでも僕らは、言葉なしで君を思い合うのです。
だから、「愛してる」「許す」なんて言わないで。必要ないから。
珈琲を飲んでから朝支度を調え。少し嬉しそうな理の狸寝入りに気づけば、朝ご飯は目玉焼きか卵焼きか決める決定権は起きてくるならあげようと思った。
愛してるという言葉すら交わさない。
俺は愛してるけど、そんな言葉あいつに言うつもりはない。
これは罰だ。
これは罪を購い続ける罪人を処刑し続けているのだ。
罪人は永遠に、許されないことを行ったから――。そして、罪人が罰を求めてるのを知っているから――。
ただ、それでも、もうそろそろ刑期は終えても良いと思うんだ――。
明るい朝が来る。鳥が囀り、朝を告げ隣にいる同族に擦り寄り。
温かみを共有し合う朝――俺は頬をかき、やけに眠気が強いのと、何かが満たされている感覚に驚いた。
今までここまで眠気が強くて、すっきりしたことなどなかった。
強い眠気に襲われたことも無かった。
それほどまでに満たされた何かがあるとするなら――隣に誰かがいることに気づく。
理がベッドの中で。俺の腕の中で眠っていた。
思わず欠伸してから、少し考え込み。躊躇ったけれど、ぎこちなーい手つきで理の頭を撫でてやる。史上初の出来事。
恥ずかしさのあまり、珈琲が欲しくなって部屋を出た。
だから俺はそのあとに密かに理が起きていたなんて知らずに済んだ。
「……なんだ、あいつ?」
――僕たちに言葉は要らない。
言葉は善人の物。罪人と処刑人には一切言葉など必要ないのです。
だけどそれでも僕らは、言葉なしで君を思い合うのです。
だから、「愛してる」「許す」なんて言わないで。必要ないから。
珈琲を飲んでから朝支度を調え。少し嬉しそうな理の狸寝入りに気づけば、朝ご飯は目玉焼きか卵焼きか決める決定権は起きてくるならあげようと思った。
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