49 / 88
畏れた心の在処編
第四十九話 人気者の勇者ギルバート
しおりを挟む「くっ、可愛すぎる……!」
エーファの視界を介して見えたルノの姿の愛らしさに思わず眉間を押さえた。
万が一ルノが危ない目に遭っていたらいけないからと、今日は勉学がおざなりにならない程度にエーファと視覚共有を行っていた。エーファの視界の中でルノがとても真面目に授業を受けている様子が見えた。けれどもどうしても気になるのか、チラチラと視線をこちらに寄越していた。
オレの自惚れでないのなら、きっとオレに会いたくて寂しくて堪らないのだろう。
昼食の間はいつもあの眼鏡の友人と過ごす習慣があるようだから邪魔はしなかったが、早く彼に会いに行ってあげなければと思った。
特に時折にこりと無防備な微笑を漏らすのが可愛くて堪らなくて…………
「アレクシス、何かあったのか?」
オレが思わず立ち止まってしまったので、横を歩いていた友人のヒューゴも一緒に立ち止まった。
「いや、何。少々使い魔からの連絡を受け取っていただけだ」
「そうか」
頷いてから、ヒューゴが小声で呟く。
「Pajrte, rütàs.」
その呪文と共に音の精霊が周囲を囲むのを感じた。周囲に音を漏らさないようにする結界だ。
もちろん、これから他人に聞かれたくない話をするからだ。
これで傍目には談笑をしながら歩いている男子学生としか感じ取れないであろう。
「それで――――君の実家からの報せは本当なのか?」
「ああ」
この間父の使い魔である黒鷹のクエルトゥが持ってきた手紙のことを思い出しながら答えた。
「そんな、グロースクロイツ家に……いや、魔術界全体に仇なす人間がこの学園にいるなんて」
クエルトゥの運んできた報せの内容は、魔術界に多大なダメージを与えかねない悪事を企んでいる者がこの古イルス魔術学校に潜んでいるという内容だった。
こちらで調査を進めているから周辺に気を付けるように、と。
問題はその悪事というのがとんでもない内容だったことだ。
「この前も聞いたが、場合によっては魔術界を根底から覆す可能性すらあるとか?」
ヒューゴが尋ねながら首を横に振った。
それもそうだろう。魔術界を覆すなどと、話の規模が大きすぎてすぐには飲み込めない。
この歴史ある魔術界を揺るがす企みなど、一体どんなものか想像も付かない。
そうでなかったとしてもグロースクロイツ家に害を為す存在であることは確定的らしい。
「グロースクロイツ家を疑う訳ではないが、証拠はあるのか?」
故に、そう聞きたくなることは仕方がないだろう。
オレは顔を顰めて答えた。
「……父がその情報を掴んだらしいが、証拠がまだ薄いからと情報の出所はオレには報されなかった」
「そうか」
ヒューゴは難しい顔をして顎に手を当てる。
彼の考えていることは手に取るように理解できた。
「分かっている。オレも疑問に思っているんだ」
先回りして口を開いた。
「何故学園の外にいる父が誰よりも早くその情報を察知することが出来たのか。不埒な企みをする輩がどんな人間なのか、大体でいいから情報はないのか。それが不明なのなら何故その企みだけ判明したのか。あまりにも情報が局所的過ぎる」
曖昧模糊とした父からの報せの不審な点は山ほどあった。
父がオレに何か隠し事をしている。そう感じていた。
「しかし敵がいるという点だけでも報せてきたということは、つまり――――」
「ああ」
一つだけはっきりとしていることがあった。
ヒューゴの言おうとしていることにオレは頷き、言葉を引き継いだ。
「『跡継ぎとしてグロースクロイツ家の敵を討て』ということだ」
きっと、それが何者であったのだとしても。
* * *
「ルノ」
「あ、アレクシス」
今日の授業が終わると、アレクシスが教室の外でオレを待っていた。
わざわざオレのことを迎えに来てくれたのだろう。
エーファも「きゅっ!」と鳴いてアレクシスの肩に飛び乗った。
「ルノ、大丈夫だったか?」
「ああ、いつもと変わりなかったぜ」
彼の元に駆け寄り、顔を見上げる。
彼のいつもの微笑を目にして心が落ち着くのを感じた。
「あ、ルノくんの……!」
オレの後ろから来たケントがアレクシスの姿に目を丸くした。
「君は、ケント・アバークロビーくんだったか」
アレクシスはケントのフルネームを違うことなく完璧に口にすると、ニッコリと笑みを向けた。
「いつもルノが世話になっているな」
「い、いえいえ!」
ケントが慌てたように礼をした。
ケントは貴族の出だから、余計に大貴族であるグロースクロイツの格が理解できて緊張するのだろう。
オレはもうその辺の感覚が麻痺しつつある。
あるいは陰口というほどではないが「ヤバい目の付けられ方をしたんじゃないか?」なんてアレクシスについて話したりしていたのを思い出して、気まずさを覚えているのかもしれない。
それにしてもアレクシスがケントに向ける笑みは何というか、凄みがある。
心なしか威圧感を感じるのは気のせいだろうか。
でもまさかアレクシスがケントに対抗心を感じる訳なんてないし、オレの思い過ごしだろう。
「これからルノと夕食を共にするつもりなんだが、問題はないね? ルノもそれでいいか?」
アレクシスはオレとケントに交互に視線を向けて尋ねる。
三人で食事しようとは言わないんだな。アレクシスも意外に人見知りなのかもしれない。
「大丈夫だ、特にケントと何かする予定はない」
先に答えた。
昼食の時はその後の授業も一緒に受けるから自然に連れ立っていたが、放課後はケントと時間を過ごしたことはあまりない。そんなに長い間他人と一緒に時間を過ごすなんてやってられない。
「はい、大丈夫です」
「良かった。じゃあ、行こうか」
アレクシスはこれ見よがしにオレの肩に手を置いた。
彼の右手に刻まれた黄薔薇がよく見えた。
「じゃあな」
踵を返し、ケントに手を振る。
「ああ、また明日」
ケントが朗らかに笑って挨拶を返す。
気のせいか、それを見たアレクシスの手に力が籠ったような気がした。
やっぱりケントに対して少し棘がある気がする。
もしかして嫉妬してるとか……?
自分に対して都合のいい想像をしようとしている自分気づき、首を横に振った。
彼がそんな安っぽい嫉妬をするような男だったら、『彼に相応しくない』だとか細かいことを考えなくて済むのに。そう思っただけだ。
それでも肩に食い込む指の感触が心地よくて、少しの間彼に身を寄せるようにして隣を歩いたのだった。
「カリポリポリ……」
何処に持っていたのか、肩の上のエーファが硬い木の実を齧る音が周囲に響いていた。
エーファの視界を介して見えたルノの姿の愛らしさに思わず眉間を押さえた。
万が一ルノが危ない目に遭っていたらいけないからと、今日は勉学がおざなりにならない程度にエーファと視覚共有を行っていた。エーファの視界の中でルノがとても真面目に授業を受けている様子が見えた。けれどもどうしても気になるのか、チラチラと視線をこちらに寄越していた。
オレの自惚れでないのなら、きっとオレに会いたくて寂しくて堪らないのだろう。
昼食の間はいつもあの眼鏡の友人と過ごす習慣があるようだから邪魔はしなかったが、早く彼に会いに行ってあげなければと思った。
特に時折にこりと無防備な微笑を漏らすのが可愛くて堪らなくて…………
「アレクシス、何かあったのか?」
オレが思わず立ち止まってしまったので、横を歩いていた友人のヒューゴも一緒に立ち止まった。
「いや、何。少々使い魔からの連絡を受け取っていただけだ」
「そうか」
頷いてから、ヒューゴが小声で呟く。
「Pajrte, rütàs.」
その呪文と共に音の精霊が周囲を囲むのを感じた。周囲に音を漏らさないようにする結界だ。
もちろん、これから他人に聞かれたくない話をするからだ。
これで傍目には談笑をしながら歩いている男子学生としか感じ取れないであろう。
「それで――――君の実家からの報せは本当なのか?」
「ああ」
この間父の使い魔である黒鷹のクエルトゥが持ってきた手紙のことを思い出しながら答えた。
「そんな、グロースクロイツ家に……いや、魔術界全体に仇なす人間がこの学園にいるなんて」
クエルトゥの運んできた報せの内容は、魔術界に多大なダメージを与えかねない悪事を企んでいる者がこの古イルス魔術学校に潜んでいるという内容だった。
こちらで調査を進めているから周辺に気を付けるように、と。
問題はその悪事というのがとんでもない内容だったことだ。
「この前も聞いたが、場合によっては魔術界を根底から覆す可能性すらあるとか?」
ヒューゴが尋ねながら首を横に振った。
それもそうだろう。魔術界を覆すなどと、話の規模が大きすぎてすぐには飲み込めない。
この歴史ある魔術界を揺るがす企みなど、一体どんなものか想像も付かない。
そうでなかったとしてもグロースクロイツ家に害を為す存在であることは確定的らしい。
「グロースクロイツ家を疑う訳ではないが、証拠はあるのか?」
故に、そう聞きたくなることは仕方がないだろう。
オレは顔を顰めて答えた。
「……父がその情報を掴んだらしいが、証拠がまだ薄いからと情報の出所はオレには報されなかった」
「そうか」
ヒューゴは難しい顔をして顎に手を当てる。
彼の考えていることは手に取るように理解できた。
「分かっている。オレも疑問に思っているんだ」
先回りして口を開いた。
「何故学園の外にいる父が誰よりも早くその情報を察知することが出来たのか。不埒な企みをする輩がどんな人間なのか、大体でいいから情報はないのか。それが不明なのなら何故その企みだけ判明したのか。あまりにも情報が局所的過ぎる」
曖昧模糊とした父からの報せの不審な点は山ほどあった。
父がオレに何か隠し事をしている。そう感じていた。
「しかし敵がいるという点だけでも報せてきたということは、つまり――――」
「ああ」
一つだけはっきりとしていることがあった。
ヒューゴの言おうとしていることにオレは頷き、言葉を引き継いだ。
「『跡継ぎとしてグロースクロイツ家の敵を討て』ということだ」
きっと、それが何者であったのだとしても。
* * *
「ルノ」
「あ、アレクシス」
今日の授業が終わると、アレクシスが教室の外でオレを待っていた。
わざわざオレのことを迎えに来てくれたのだろう。
エーファも「きゅっ!」と鳴いてアレクシスの肩に飛び乗った。
「ルノ、大丈夫だったか?」
「ああ、いつもと変わりなかったぜ」
彼の元に駆け寄り、顔を見上げる。
彼のいつもの微笑を目にして心が落ち着くのを感じた。
「あ、ルノくんの……!」
オレの後ろから来たケントがアレクシスの姿に目を丸くした。
「君は、ケント・アバークロビーくんだったか」
アレクシスはケントのフルネームを違うことなく完璧に口にすると、ニッコリと笑みを向けた。
「いつもルノが世話になっているな」
「い、いえいえ!」
ケントが慌てたように礼をした。
ケントは貴族の出だから、余計に大貴族であるグロースクロイツの格が理解できて緊張するのだろう。
オレはもうその辺の感覚が麻痺しつつある。
あるいは陰口というほどではないが「ヤバい目の付けられ方をしたんじゃないか?」なんてアレクシスについて話したりしていたのを思い出して、気まずさを覚えているのかもしれない。
それにしてもアレクシスがケントに向ける笑みは何というか、凄みがある。
心なしか威圧感を感じるのは気のせいだろうか。
でもまさかアレクシスがケントに対抗心を感じる訳なんてないし、オレの思い過ごしだろう。
「これからルノと夕食を共にするつもりなんだが、問題はないね? ルノもそれでいいか?」
アレクシスはオレとケントに交互に視線を向けて尋ねる。
三人で食事しようとは言わないんだな。アレクシスも意外に人見知りなのかもしれない。
「大丈夫だ、特にケントと何かする予定はない」
先に答えた。
昼食の時はその後の授業も一緒に受けるから自然に連れ立っていたが、放課後はケントと時間を過ごしたことはあまりない。そんなに長い間他人と一緒に時間を過ごすなんてやってられない。
「はい、大丈夫です」
「良かった。じゃあ、行こうか」
アレクシスはこれ見よがしにオレの肩に手を置いた。
彼の右手に刻まれた黄薔薇がよく見えた。
「じゃあな」
踵を返し、ケントに手を振る。
「ああ、また明日」
ケントが朗らかに笑って挨拶を返す。
気のせいか、それを見たアレクシスの手に力が籠ったような気がした。
やっぱりケントに対して少し棘がある気がする。
もしかして嫉妬してるとか……?
自分に対して都合のいい想像をしようとしている自分気づき、首を横に振った。
彼がそんな安っぽい嫉妬をするような男だったら、『彼に相応しくない』だとか細かいことを考えなくて済むのに。そう思っただけだ。
それでも肩に食い込む指の感触が心地よくて、少しの間彼に身を寄せるようにして隣を歩いたのだった。
「カリポリポリ……」
何処に持っていたのか、肩の上のエーファが硬い木の実を齧る音が周囲に響いていた。
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します!
Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。
転生前も寝たきりだったのに。
次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。
でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。
何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。
病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。
過去を克服し、二人の行く末は?
ハッピーエンド、結婚へ!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。

【完結】婚約者なんて眼中にありません
らんか
恋愛
あー、気が抜ける。
婚約者とのお茶会なのにときめかない……
私は若いお子様には興味ないんだってば。
やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?
大人の哀愁が滲み出ているわぁ。
それに強くて守ってもらえそう。
男はやっぱり包容力よね!
私も守ってもらいたいわぁ!
これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語……
短めのお話です。
サクッと、読み終えてしまえます。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる