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星流れのデート編
第三十一話 デートのお誘い。
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執務室で仕事をしているゼロにお茶を持っていった。
今日は治癒団の仕事はお休みを貰ったから、少しだけゼロの側にいさせてもらおうと思って。
ねえ聞いて。私はお茶を持っていっただけなのよ。
それなのに、執務室に入ればシラユキとゼロが真剣な顔で、地図を睨んでいた。
すごい気迫で地図を睨むものだから、吃驚しちゃった。
私は慌てて去ろうとしたら、待て!とゼロが声をかけてきた。
ゼロはここのところ寝ていないのか、目元に隈が出来ていた。
「我が乙女よ、何処が良い?」
「え、え、何が、ですか」
「でえとの場所だ!!」
大きな声で威風堂々告げられ最初は驚いたけれど、瞬いてから顔を真っ赤に染め上げてしまった。
近づいてお茶をゼロの元に置いて、お盆で顔を隠すとゼロは私を膝の上に座らせ抱き寄せ、地図を広がる。
こ、この体勢落ち着かないわ、ゼロがすごく身近に感じて。
「もうすぐ星流れの日なのだよ、満天の星空から流れ星が大量に落ちる季節だ」
「流れ星をカップルで見ると、幸せに永久へ結ばれるなんて言い伝えがありますのよ」
シラユキが胸を張って教えてくれた。
「よって星流れを見るには、我が乙女の好きな場所が良いと思ってだな」
「そうは、言っても、あの、私、この辺り以外あまり知らないの。生前寝込んでいたから……」
しどろもどろに言うとゼロとシラユキは顔を見合わせてから、私をぎゅっと抱きしめる。
ゼロの腕の力が籠もりすぎて痛い、痛くてしょうがないけれど、擽ったい痛み。
「我が乙女よ! それなら事前に共に景色の良き場所を探そう!」
「ど、どうしたの、急に張り切って」
「私が恐れながら進言致しましたわ。このままの好感度で良いのですか! と。いつかアルギスに奪われても文句言えない状態なので、奥様を魔王様好き好きィって状態にまで好感度高めましょうと提案致しました!」
「し、シラユキさん……」
「だって!! 私は他の方が奥方様になられるのは、最早徹底してお断りしたいくらいにはお嫌ですもの!! 奥方様は、ウル様が宜しいもの!」
シラユキをそこまで不安にさせる何かがあったのかな、と小首傾げているとゼロが不機嫌そうに私を撫でながら喉奥で嗤った。
「風の魔王ユリシーズから、ラブレターがきたらしい」
「魔王様の許可を得た上で、千切らせて頂きましたわ!」
「どいつもこいつも。余の花嫁は、ウルだと言っておるのにな」
「まったくです!」
二人して子供のように怒っているから、少し気恥ずかしいけれど嬉しく思い、私はゼロの服の袖を少しだけ引っ張る。
ゼロはケーキにシロップを山盛りかけたような甘い眼差しと声で、私に「どうした?」と問いかけた。
「あの……景色の良い場所を見つける、って、デート?」
「そうだが?」
「えっと……一度、憧れが、あってね。お、お弁当、私作って、いいかしら?」
蚊の飛ぶような細い声で、顔面を真っ赤にし、体中の血が沸騰しそうな恥ずかしさを堪えて上目遣いで尋ねるとゼロは固まっていた。
「シラユキよ」
「ま、魔王様、分かります、今のはこの私でもきゅんといたしました! 心中お察しします!」
「ああ、助かる。ウルの望む材料、何だってもって来させよ!」
ゼロは牛の姿になって雄叫びをあげていたから、私が何をしたのか分からなくておろおろとしてしまった。
今日は治癒団の仕事はお休みを貰ったから、少しだけゼロの側にいさせてもらおうと思って。
ねえ聞いて。私はお茶を持っていっただけなのよ。
それなのに、執務室に入ればシラユキとゼロが真剣な顔で、地図を睨んでいた。
すごい気迫で地図を睨むものだから、吃驚しちゃった。
私は慌てて去ろうとしたら、待て!とゼロが声をかけてきた。
ゼロはここのところ寝ていないのか、目元に隈が出来ていた。
「我が乙女よ、何処が良い?」
「え、え、何が、ですか」
「でえとの場所だ!!」
大きな声で威風堂々告げられ最初は驚いたけれど、瞬いてから顔を真っ赤に染め上げてしまった。
近づいてお茶をゼロの元に置いて、お盆で顔を隠すとゼロは私を膝の上に座らせ抱き寄せ、地図を広がる。
こ、この体勢落ち着かないわ、ゼロがすごく身近に感じて。
「もうすぐ星流れの日なのだよ、満天の星空から流れ星が大量に落ちる季節だ」
「流れ星をカップルで見ると、幸せに永久へ結ばれるなんて言い伝えがありますのよ」
シラユキが胸を張って教えてくれた。
「よって星流れを見るには、我が乙女の好きな場所が良いと思ってだな」
「そうは、言っても、あの、私、この辺り以外あまり知らないの。生前寝込んでいたから……」
しどろもどろに言うとゼロとシラユキは顔を見合わせてから、私をぎゅっと抱きしめる。
ゼロの腕の力が籠もりすぎて痛い、痛くてしょうがないけれど、擽ったい痛み。
「我が乙女よ! それなら事前に共に景色の良き場所を探そう!」
「ど、どうしたの、急に張り切って」
「私が恐れながら進言致しましたわ。このままの好感度で良いのですか! と。いつかアルギスに奪われても文句言えない状態なので、奥様を魔王様好き好きィって状態にまで好感度高めましょうと提案致しました!」
「し、シラユキさん……」
「だって!! 私は他の方が奥方様になられるのは、最早徹底してお断りしたいくらいにはお嫌ですもの!! 奥方様は、ウル様が宜しいもの!」
シラユキをそこまで不安にさせる何かがあったのかな、と小首傾げているとゼロが不機嫌そうに私を撫でながら喉奥で嗤った。
「風の魔王ユリシーズから、ラブレターがきたらしい」
「魔王様の許可を得た上で、千切らせて頂きましたわ!」
「どいつもこいつも。余の花嫁は、ウルだと言っておるのにな」
「まったくです!」
二人して子供のように怒っているから、少し気恥ずかしいけれど嬉しく思い、私はゼロの服の袖を少しだけ引っ張る。
ゼロはケーキにシロップを山盛りかけたような甘い眼差しと声で、私に「どうした?」と問いかけた。
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「そうだが?」
「えっと……一度、憧れが、あってね。お、お弁当、私作って、いいかしら?」
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「シラユキよ」
「ま、魔王様、分かります、今のはこの私でもきゅんといたしました! 心中お察しします!」
「ああ、助かる。ウルの望む材料、何だってもって来させよ!」
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