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龍の忘れ物編
第二十四話 ドラゴンの卵
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いつも通り仕事をしていると、不思議なことに気づく。
ミディ団長がやたらぼんやりとする日々が多い。
私は何か悪いことでも起きたのかと心配し、休憩のときに声をかけた。
「ミディ団長、どうされました?」
「え?! あ、ああ、奥様か。……いや、少し考え事だね」
「何か問題でも?」
「うーん……君には見せてもいいか」
ミディ団長は、治癒をする一室の奥にあるカーテンをあけると、その中に入り、カーテンの中に私も入った。
中に入ると巨大な卵があるものだから驚いた。
「この間、君が治癒したドラゴンがね、置いていった。あのドラゴンは主人と決めた者に卵を置いていく習性があってね……君が怪我を治してくれたお礼に置いていったようだね」
「いつ孵化するんですか?」
「君がまた来るときだろう。主人と認めた者が来ない限りは孵化はしない……卵料理最近食べてないなアって考えていたんだね!」
「ちょ、ちょっと待って、料理にしないでください、使っちゃ駄目です団長!」
「どうしてだね? 百人くらいに振る舞えるんだね」
「兎に角! この子は私が預かります!」
「ふむ……孵らせたいのなら、魔力を与えるといいんだね。まあ子供の世話なんて大変なのに好んでやるとは物好きなんだねェ」
ゼロの身体ほどある卵をぽこんとミディ団長が叩いた瞬間、卵がひび割れた。
私達は身をぎくりと固めて、私はミディ団長を睨み付ける。
ミディ団長は慌てて首を振り、卵を抱きしめる。
「ち、違うんだね、卵は割ってないんだね! 力入れてない!」
「じゃあそこをお退きください、卵が割れた箇所を」
「わ、わーれーてーなーい!! 僕が割ったんじゃないんだね、僕の責任じゃない……わっ?!!!」
卵が一気にがらがらと崩れて、ミディ団長は顔を青ざめさせた。
だがすぐに血の気が戻る、卵の中には可愛らしいドラゴンが孵っていたからだ。
ミディ団長はそのドラゴンを抱えて、ほら!と証明しようと私に見せる。
「ね。ほらっ、僕のせいで割れたんじゃあない! うんうん、君が面倒見給え」
「ミディ団長!」
ミディ団長は私にドラゴンを預けると、そのままカーテンを閉めて、休憩から治療に戻っていった。
「ドラゴンの子が起きたら、世話していていいから」
卵を無理矢理割った罪悪感からか、少しおまけもつけてはくれた。
私は赤い鱗を持つ、人間の子供でいう三歳ほどの大きさのドラゴンを抱えて戸惑う。
ドラゴンの子は目を開けるなり、くるるるあーと鳴いた。
鳴いてすり寄り、私に甘えてきた。
「ええと、お腹すいてるわよね……何をあげたらいいのかしら」
私はドラゴンの子を抱えて、厨房へ向かった。
ミディ団長がやたらぼんやりとする日々が多い。
私は何か悪いことでも起きたのかと心配し、休憩のときに声をかけた。
「ミディ団長、どうされました?」
「え?! あ、ああ、奥様か。……いや、少し考え事だね」
「何か問題でも?」
「うーん……君には見せてもいいか」
ミディ団長は、治癒をする一室の奥にあるカーテンをあけると、その中に入り、カーテンの中に私も入った。
中に入ると巨大な卵があるものだから驚いた。
「この間、君が治癒したドラゴンがね、置いていった。あのドラゴンは主人と決めた者に卵を置いていく習性があってね……君が怪我を治してくれたお礼に置いていったようだね」
「いつ孵化するんですか?」
「君がまた来るときだろう。主人と認めた者が来ない限りは孵化はしない……卵料理最近食べてないなアって考えていたんだね!」
「ちょ、ちょっと待って、料理にしないでください、使っちゃ駄目です団長!」
「どうしてだね? 百人くらいに振る舞えるんだね」
「兎に角! この子は私が預かります!」
「ふむ……孵らせたいのなら、魔力を与えるといいんだね。まあ子供の世話なんて大変なのに好んでやるとは物好きなんだねェ」
ゼロの身体ほどある卵をぽこんとミディ団長が叩いた瞬間、卵がひび割れた。
私達は身をぎくりと固めて、私はミディ団長を睨み付ける。
ミディ団長は慌てて首を振り、卵を抱きしめる。
「ち、違うんだね、卵は割ってないんだね! 力入れてない!」
「じゃあそこをお退きください、卵が割れた箇所を」
「わ、わーれーてーなーい!! 僕が割ったんじゃないんだね、僕の責任じゃない……わっ?!!!」
卵が一気にがらがらと崩れて、ミディ団長は顔を青ざめさせた。
だがすぐに血の気が戻る、卵の中には可愛らしいドラゴンが孵っていたからだ。
ミディ団長はそのドラゴンを抱えて、ほら!と証明しようと私に見せる。
「ね。ほらっ、僕のせいで割れたんじゃあない! うんうん、君が面倒見給え」
「ミディ団長!」
ミディ団長は私にドラゴンを預けると、そのままカーテンを閉めて、休憩から治療に戻っていった。
「ドラゴンの子が起きたら、世話していていいから」
卵を無理矢理割った罪悪感からか、少しおまけもつけてはくれた。
私は赤い鱗を持つ、人間の子供でいう三歳ほどの大きさのドラゴンを抱えて戸惑う。
ドラゴンの子は目を開けるなり、くるるるあーと鳴いた。
鳴いてすり寄り、私に甘えてきた。
「ええと、お腹すいてるわよね……何をあげたらいいのかしら」
私はドラゴンの子を抱えて、厨房へ向かった。
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