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勇者参列編
第十七話 花嫁の騎士でありたい堕天使
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会議室に戻れば幾らか会議は終わった後で、兄様はシラユキに部屋を案内されて休むよと告げて連れられていった。
本能的に信じられる魔物が分かるようで、ほっとした。
シラユキは良くも悪くも、頭が柔軟で数居る魔物の中で理解力もあるし、懐も深い。
その分、兄様の力に敵とは言え少しはなってくれるのだろう。
場に残ったのは私と、ラクスター。
ミディ団長も今日は寝るよ、と去って行ったし、他の幹部も部屋に戻っていった。
「お前の兄さん、この件が終わったらお前に関する情報以外は記憶消去する流れになったよ。勇者のパーティ一同もな。あまりに与える情報が多すぎるからって」
「そう、ねえ、ラクスター。貴方は私をどう思う?」
「どうって?」
「貴方は多分私と似た立場だから……生き返らせた私のことは、恩人としか思わない?」
私は涙を堪えながらラクスターに問いかけると、ラクスターは戸惑ってからハンカチを取り出し、私へハンカチを差し出す。
私が受け取ると、涙を流して良いからふけ、と仕草で伝えてから考え込む。
「オレはお前のこと、恩人だし大事だとは思う。多大な恩もあるんだ、この羽根とかな」
ラクスターは黒い翼を露わにし、ばさりと羽ばたかせて笑った。
「だけどな、それ以上にオレはお前のこと気に入ってるよ。オレはこの命は、蘇った命はあとはもうお前守る為にだけ使おうと思うくらいにはな」
「どうして? 私に恩があるから?」
「落ち着けって。性格的なもンも生き方も、オレはお前のこと最高だって思うんだ。お前だけがオレの主で上司だ。これは恩義じゃねえ、そう誓ったオレ自身の生き方だ。お前の騎士でありたいんだよ。誰に言われても曲げない。オレの意思だ……それくらいこの羽根に価値はあるし、お前が気に入ったからな」
ニィっとラクスターは歯を見せ笑い、私に跪き手の甲を取る。
「魔王に何言われたか知らねえが、オレはお前のやりたいことを優先してやる。守って欲しいもンがあるならそいつを守ってやるし、魔王との仲を応援してほしけりゃ周りを黙らせてやる。……お前に悩みがあるなら聞いてやる、いつもお前の味方でいさせてくれ。それは、オレの決めた意思なんだよ、生き返らせたお前が命じたわけじゃない」
私は暗に自分の意思を突き進んで大丈夫だと言われてるような感覚に包まれ、安堵を覚えると涙をぽろぽろと零し立ち上がり姿勢を正すラクスターの両手を握った。
「話が長くなるけれど、聞いてくれる?」
「オレの時間はお前のためにあるからな」
答え方が気障臭いのに、あまりそういう雰囲気を感じさせないのはラクスターの持つ気安さならではだと、私は安心し微笑んだ。
本能的に信じられる魔物が分かるようで、ほっとした。
シラユキは良くも悪くも、頭が柔軟で数居る魔物の中で理解力もあるし、懐も深い。
その分、兄様の力に敵とは言え少しはなってくれるのだろう。
場に残ったのは私と、ラクスター。
ミディ団長も今日は寝るよ、と去って行ったし、他の幹部も部屋に戻っていった。
「お前の兄さん、この件が終わったらお前に関する情報以外は記憶消去する流れになったよ。勇者のパーティ一同もな。あまりに与える情報が多すぎるからって」
「そう、ねえ、ラクスター。貴方は私をどう思う?」
「どうって?」
「貴方は多分私と似た立場だから……生き返らせた私のことは、恩人としか思わない?」
私は涙を堪えながらラクスターに問いかけると、ラクスターは戸惑ってからハンカチを取り出し、私へハンカチを差し出す。
私が受け取ると、涙を流して良いからふけ、と仕草で伝えてから考え込む。
「オレはお前のこと、恩人だし大事だとは思う。多大な恩もあるんだ、この羽根とかな」
ラクスターは黒い翼を露わにし、ばさりと羽ばたかせて笑った。
「だけどな、それ以上にオレはお前のこと気に入ってるよ。オレはこの命は、蘇った命はあとはもうお前守る為にだけ使おうと思うくらいにはな」
「どうして? 私に恩があるから?」
「落ち着けって。性格的なもンも生き方も、オレはお前のこと最高だって思うんだ。お前だけがオレの主で上司だ。これは恩義じゃねえ、そう誓ったオレ自身の生き方だ。お前の騎士でありたいんだよ。誰に言われても曲げない。オレの意思だ……それくらいこの羽根に価値はあるし、お前が気に入ったからな」
ニィっとラクスターは歯を見せ笑い、私に跪き手の甲を取る。
「魔王に何言われたか知らねえが、オレはお前のやりたいことを優先してやる。守って欲しいもンがあるならそいつを守ってやるし、魔王との仲を応援してほしけりゃ周りを黙らせてやる。……お前に悩みがあるなら聞いてやる、いつもお前の味方でいさせてくれ。それは、オレの決めた意思なんだよ、生き返らせたお前が命じたわけじゃない」
私は暗に自分の意思を突き進んで大丈夫だと言われてるような感覚に包まれ、安堵を覚えると涙をぽろぽろと零し立ち上がり姿勢を正すラクスターの両手を握った。
「話が長くなるけれど、聞いてくれる?」
「オレの時間はお前のためにあるからな」
答え方が気障臭いのに、あまりそういう雰囲気を感じさせないのはラクスターの持つ気安さならではだと、私は安心し微笑んだ。
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