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37.思い出すら横取りする気かい?
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ミネグブはあくまで、優雅だった。その人物像はエリオードどころかジェリアすらあまり知ったものではなかったが、クロイアに憑依した上でもその様子だった。
ミネグブはクロイアの体をまじまじと眺める。
「子ども……あら、若返ったわけではないのね。男の子だものね」
呑気なものだ。それか、戸惑いを見せないだけなのか。
エリオードは体勢を戻したが、辛そうだ。ジェリアは近くにあった椅子をエリオードの側に置く。彼は「ありがとう」と囁くと腰掛けた。再び元の立ち位置に戻るか悩んでいると、エリオードは首を振った。ジェリアは頷くと、彼の側に立った。
ミネグブはくすりと笑う。
「ふふ、何だか不思議な感じだわ。自分のものなのに、声も違う。視界も。ああ、すべてはこの子のものなのね」
少女のような。柔らかな、目。ジェリアの記憶の中に居る彼女とは違っていた。少なくとも、彼女が言葉を発しているのは見た事がない。
「早速で悪いが、聞きたい事がある。あまり憑依を続けさせたくないんだ」
エリオードの言葉に、ミネグブは「でしょうね」と返す。エリオードは口を開いた。
「あんたは、何で死んだ」
その言葉に、ミネグブは「単純な話よ」と微笑む。
「ひとつ、大きな悲しみがあるとするわね。すると、この世すべてに失望してしまうの。たったひとつなのだけれど、呑まれてしまったわ。そもそも私は、孤独だったから。誰にも助けを求められる立場じゃなかったの」
「……タロニの事か」
「ご明察。あの家は、女を一族と他の家をつなぐパイプにしたがるように見せて……実際は、売りにだしているだけなのよ」
それを聞き、エリオードは深くため息を吐いた。そして一瞬ちらりとジェリアを見ると、苦しげに呟く。
「俺の事、分からないか」
ミネグブは首を傾げた。それを見て、苦しげにエリオードは告げる。
「……なら、フォニカの事は」
「あら、私の妹ね。時々見かけるわ」
弾んだ声だった。
「でもごめんなさいね、私よく分からないの。私はタロニの本家から逃げようとして近づきもしなかったから。逆にあの子は、タロニの秘蔵っ子。よく比べられたわ」
「……もういい」
エリオードの切り方に違和感を覚えたのだろうが、ミネグブはあえて突っ込まなかった。気を取り直したのか、エリオードは続ける。
「あんたは自殺か?」
「ええ。寝室でイップァンリリーのの抽出毒を使ったわ。あれは希釈して香料にするといい香りで終わるだけなんだけど、原液ならグラス半分で死んでしまうのよ」
「あんたの死亡届は、教会に届いていない。失踪扱いだ」
それを聞き、ミネグブは「でしょうね」と初めて顔を曇らせた。
「アーネハイトがそんな失態を晒すわけないもの。墓地……生死の門を司る一族が自殺者を出すなんてね。そこでもし亡霊化なんてすれば、監督不行き届き……って、ごめんなさいね」
ジェリアを見た彼女に、「かまわないわ」と返す。実際本家にはそういうところがある。南部は分家なので、そこまで厳格ではないだけだ。
「あんたには亡霊の自覚が無かったんだな」
「ええ。知識としては持っているから、納得はしているけれど。ただ……終われなかったのね、私」
その言葉は絞り出されたような言葉だった。それが気になったのかエリオードはミネグブをのぞき込む。彼女はくすりと笑った。
「けれど、きっと意味はあるのでしょう。貴女には悪いけれど」
「私?」
「……ごめんなさいね。私、アーネハイトを許せないの。ラルネスの事も、その御両親の事も。正直死んでしまって……本当にごめんなさい、少し、貴女にとって嫌な感情を抱いたわ」
察した。しかしそこまでくるんで言われては、何も言えない。だからこそ、首を振るに留めた。
エリオードは一瞬、首を傾げる。
「待ってくれ。じゃああんたは、当主夫妻が殺害された事を知っているのか」
「ええ、見ていたわ」
その言葉に、息を呑む。身を乗り出すジェリアにそっと哀れむかのような目を向けると、ミネグブは首を振った。
「けれど、ごめんなさい。知らない人達だったわ」
「特徴は」
「目深にフードを被っていた男が二人。先に大奥様が殺されて、揺り動かしている当主様をその後に」
確かに、見つかった時は墓地の中で伯母に伯父が重なるようにして倒れ込んでいたという。信憑性はありそうだ。
ミネグブの言い連ねた特徴を書き留めて、エリオードはため息を吐いた。
「強盗にしては何も盗んでいない。つまり、当主夫妻暗殺が最初から目的だったって事か」
「ええ。完全に不意を狙ったようだったわ」
「……惨い話だ」
ジェリアを気遣ったのか、エリオードの口からそっとそんな言葉がこぼれた。ジェリアはまた涙腺が崩れそうになるのを、必死で堪えた。
「でも少し気になるのが、どうしてラルネスは狙われなかったのかなのよね。探そうともしなかったもの」
ミネグブの言葉に、エリオードは「いなかったって事くらい調べてたんだろ」と呟く。それに、ミネグブは首を傾げた。
「いたわよ? 私の部屋に」
「え」
「女を連れ込んでいたわ、いつも通り」
その言葉に、全身の力が抜けそうになる。そんなジェリアに気付くわけもなく、ミネグブは続けた。
「女はいつも通り裏口から逃がされていたけれど。その後にあの人ったら、自分の両親が死んでいるのを見つけて」
「すまん、一旦止めてくれ!」
エリオードの叫びに、ミネグブは身を跳ねさせる。エリオードはジェリアを見上げた。顔面蒼白のまま震えているジェリアを、エリオードは強く抱きしめる。そのまま、ミネグブに顔だけ向けた。
「後で詳しく聞かせてくれ、またすぐ戻る」
「あら、それなら私はこの子の中で眠らせてもらおうかしら。また起こしてくれればいいわ。腐食させないように抑えるから、安心して」
そうとだけ言い残して、ミネグブは目を閉じた。そして、そっと目を開く。それはもう、女のそれではなかった。
「……父さん? いったい、なにが」
「クロイア、一旦中断だ。姉貴にそれを報告しにいってくれ、俺はジェリアを休ませる」
「ジェ、ジェリアさん? なにかあったんですか」
駆け寄ってくるクロイアに、ジェリアは「大丈夫よ」と囁く。その声は砕けそうな程に震えていた。
クロイアが扉を開き、ジェリアを抱き上げたエリオードがまず上がる。エリオードはクロイアに素早く内容を指揮し走らせた。
「ジェリア、大丈夫か」
さすがにエリオードの前でまで虚勢を張る気力は無かった。何も答えられないジェリアを、そのままある部屋まで運ぶ。
どうやら客間らしい。ベッドにそのまま寝かせられる。エリオードの手が離れそうになったのを、ジェリアは反射で掴んだ。エリオードは受け入れ、空いた手でジェリアの頭を撫でる。
「何か飲むか」
首を振る。今はとにかく、不安がすべてを支配してきていた。震えの止まらないジェリアを見て居たたまれなくなったのか、エリオードもベッドに上がるとそのままエリオードはジェリアを抱きしめた。
「ジェリア」
ジェリアは泣く事すら出来なかった。ただ、震えるだけだ。そんなジェリアの頭をそっと撫でる。そのまま、囁いた。
「大丈夫、大丈夫だ。俺がいる。俺が、ここにいるから」
その台詞は、聞いた事がある。ラルネスが散々自分に言っていた。今はそれを告げる主がエリオードというだけで……とても、胸の奥がかき回される。
そうだ、この言葉を……自分は、この男から聞きたかった。ずっと、そうだった。
「エリオード……」
「うん」
「……ラルネスが、やったという事?」
ジェリアの言葉に、エリオードは口を噤んだ。慎重に言葉を選ぶように、口を開く。
「決めつける事は出来ない。でも、不自然なところも確かにある。そこを明かさないと、お前も納得出来ないだろ」
頷くジェリアを、エリオードはより強く抱きしめる。痛みがないように、優しく。
「俺がちゃんと調べる。だから、ゆっくりここで休んで……」
「い、いや」
ジェリアの手が、エリオードの背を強く掴んだ。エリオードはそんなジェリアに戸惑うも、微笑む。
「分かった、一緒に居る。大丈夫だ」
「……ごめんなさい。よく考えれば、奥様は」
「お前は何も考えなくていい。今日の夜までに教会に戻ればいいんだろ、それまではここにいてくれ。俺の、そばに」
エリオードの言葉は、どこまでも優しかった。だから、彼が抱きしめてくれる腕にそのまま甘える。エリオードはそんなジェリアを心から愛おしそうに抱きしめた。
やがて、寝息が聞こえだした。ふと体をずらしてジェリアの顔を見ると、蒼白な顔のままで眠っていた。余程精神的に参っていたのだろう。
エリオードはジェリアを起こさないようにそっと引き離すと、ジェリアを仰向けに寝かせた。そして、忌々しげに眉を寄せる。そのまま、ジェリアのスカートの中に手を入れた。ジェリアが気付かないように、慎重に下着をずらしていく。
……今日ジェリアと合流してから、ずっと感じていた。
「糞野郎が」
のぞき込む。勘は……当たっていた。
頭の奥が、焼けていく。頭痛すら感じてきた。そっと形を戻すと、エリオードは深くため息を吐いた。
「……さて、どう落とし前つけてやるかな」
ミネグブはクロイアの体をまじまじと眺める。
「子ども……あら、若返ったわけではないのね。男の子だものね」
呑気なものだ。それか、戸惑いを見せないだけなのか。
エリオードは体勢を戻したが、辛そうだ。ジェリアは近くにあった椅子をエリオードの側に置く。彼は「ありがとう」と囁くと腰掛けた。再び元の立ち位置に戻るか悩んでいると、エリオードは首を振った。ジェリアは頷くと、彼の側に立った。
ミネグブはくすりと笑う。
「ふふ、何だか不思議な感じだわ。自分のものなのに、声も違う。視界も。ああ、すべてはこの子のものなのね」
少女のような。柔らかな、目。ジェリアの記憶の中に居る彼女とは違っていた。少なくとも、彼女が言葉を発しているのは見た事がない。
「早速で悪いが、聞きたい事がある。あまり憑依を続けさせたくないんだ」
エリオードの言葉に、ミネグブは「でしょうね」と返す。エリオードは口を開いた。
「あんたは、何で死んだ」
その言葉に、ミネグブは「単純な話よ」と微笑む。
「ひとつ、大きな悲しみがあるとするわね。すると、この世すべてに失望してしまうの。たったひとつなのだけれど、呑まれてしまったわ。そもそも私は、孤独だったから。誰にも助けを求められる立場じゃなかったの」
「……タロニの事か」
「ご明察。あの家は、女を一族と他の家をつなぐパイプにしたがるように見せて……実際は、売りにだしているだけなのよ」
それを聞き、エリオードは深くため息を吐いた。そして一瞬ちらりとジェリアを見ると、苦しげに呟く。
「俺の事、分からないか」
ミネグブは首を傾げた。それを見て、苦しげにエリオードは告げる。
「……なら、フォニカの事は」
「あら、私の妹ね。時々見かけるわ」
弾んだ声だった。
「でもごめんなさいね、私よく分からないの。私はタロニの本家から逃げようとして近づきもしなかったから。逆にあの子は、タロニの秘蔵っ子。よく比べられたわ」
「……もういい」
エリオードの切り方に違和感を覚えたのだろうが、ミネグブはあえて突っ込まなかった。気を取り直したのか、エリオードは続ける。
「あんたは自殺か?」
「ええ。寝室でイップァンリリーのの抽出毒を使ったわ。あれは希釈して香料にするといい香りで終わるだけなんだけど、原液ならグラス半分で死んでしまうのよ」
「あんたの死亡届は、教会に届いていない。失踪扱いだ」
それを聞き、ミネグブは「でしょうね」と初めて顔を曇らせた。
「アーネハイトがそんな失態を晒すわけないもの。墓地……生死の門を司る一族が自殺者を出すなんてね。そこでもし亡霊化なんてすれば、監督不行き届き……って、ごめんなさいね」
ジェリアを見た彼女に、「かまわないわ」と返す。実際本家にはそういうところがある。南部は分家なので、そこまで厳格ではないだけだ。
「あんたには亡霊の自覚が無かったんだな」
「ええ。知識としては持っているから、納得はしているけれど。ただ……終われなかったのね、私」
その言葉は絞り出されたような言葉だった。それが気になったのかエリオードはミネグブをのぞき込む。彼女はくすりと笑った。
「けれど、きっと意味はあるのでしょう。貴女には悪いけれど」
「私?」
「……ごめんなさいね。私、アーネハイトを許せないの。ラルネスの事も、その御両親の事も。正直死んでしまって……本当にごめんなさい、少し、貴女にとって嫌な感情を抱いたわ」
察した。しかしそこまでくるんで言われては、何も言えない。だからこそ、首を振るに留めた。
エリオードは一瞬、首を傾げる。
「待ってくれ。じゃああんたは、当主夫妻が殺害された事を知っているのか」
「ええ、見ていたわ」
その言葉に、息を呑む。身を乗り出すジェリアにそっと哀れむかのような目を向けると、ミネグブは首を振った。
「けれど、ごめんなさい。知らない人達だったわ」
「特徴は」
「目深にフードを被っていた男が二人。先に大奥様が殺されて、揺り動かしている当主様をその後に」
確かに、見つかった時は墓地の中で伯母に伯父が重なるようにして倒れ込んでいたという。信憑性はありそうだ。
ミネグブの言い連ねた特徴を書き留めて、エリオードはため息を吐いた。
「強盗にしては何も盗んでいない。つまり、当主夫妻暗殺が最初から目的だったって事か」
「ええ。完全に不意を狙ったようだったわ」
「……惨い話だ」
ジェリアを気遣ったのか、エリオードの口からそっとそんな言葉がこぼれた。ジェリアはまた涙腺が崩れそうになるのを、必死で堪えた。
「でも少し気になるのが、どうしてラルネスは狙われなかったのかなのよね。探そうともしなかったもの」
ミネグブの言葉に、エリオードは「いなかったって事くらい調べてたんだろ」と呟く。それに、ミネグブは首を傾げた。
「いたわよ? 私の部屋に」
「え」
「女を連れ込んでいたわ、いつも通り」
その言葉に、全身の力が抜けそうになる。そんなジェリアに気付くわけもなく、ミネグブは続けた。
「女はいつも通り裏口から逃がされていたけれど。その後にあの人ったら、自分の両親が死んでいるのを見つけて」
「すまん、一旦止めてくれ!」
エリオードの叫びに、ミネグブは身を跳ねさせる。エリオードはジェリアを見上げた。顔面蒼白のまま震えているジェリアを、エリオードは強く抱きしめる。そのまま、ミネグブに顔だけ向けた。
「後で詳しく聞かせてくれ、またすぐ戻る」
「あら、それなら私はこの子の中で眠らせてもらおうかしら。また起こしてくれればいいわ。腐食させないように抑えるから、安心して」
そうとだけ言い残して、ミネグブは目を閉じた。そして、そっと目を開く。それはもう、女のそれではなかった。
「……父さん? いったい、なにが」
「クロイア、一旦中断だ。姉貴にそれを報告しにいってくれ、俺はジェリアを休ませる」
「ジェ、ジェリアさん? なにかあったんですか」
駆け寄ってくるクロイアに、ジェリアは「大丈夫よ」と囁く。その声は砕けそうな程に震えていた。
クロイアが扉を開き、ジェリアを抱き上げたエリオードがまず上がる。エリオードはクロイアに素早く内容を指揮し走らせた。
「ジェリア、大丈夫か」
さすがにエリオードの前でまで虚勢を張る気力は無かった。何も答えられないジェリアを、そのままある部屋まで運ぶ。
どうやら客間らしい。ベッドにそのまま寝かせられる。エリオードの手が離れそうになったのを、ジェリアは反射で掴んだ。エリオードは受け入れ、空いた手でジェリアの頭を撫でる。
「何か飲むか」
首を振る。今はとにかく、不安がすべてを支配してきていた。震えの止まらないジェリアを見て居たたまれなくなったのか、エリオードもベッドに上がるとそのままエリオードはジェリアを抱きしめた。
「ジェリア」
ジェリアは泣く事すら出来なかった。ただ、震えるだけだ。そんなジェリアの頭をそっと撫でる。そのまま、囁いた。
「大丈夫、大丈夫だ。俺がいる。俺が、ここにいるから」
その台詞は、聞いた事がある。ラルネスが散々自分に言っていた。今はそれを告げる主がエリオードというだけで……とても、胸の奥がかき回される。
そうだ、この言葉を……自分は、この男から聞きたかった。ずっと、そうだった。
「エリオード……」
「うん」
「……ラルネスが、やったという事?」
ジェリアの言葉に、エリオードは口を噤んだ。慎重に言葉を選ぶように、口を開く。
「決めつける事は出来ない。でも、不自然なところも確かにある。そこを明かさないと、お前も納得出来ないだろ」
頷くジェリアを、エリオードはより強く抱きしめる。痛みがないように、優しく。
「俺がちゃんと調べる。だから、ゆっくりここで休んで……」
「い、いや」
ジェリアの手が、エリオードの背を強く掴んだ。エリオードはそんなジェリアに戸惑うも、微笑む。
「分かった、一緒に居る。大丈夫だ」
「……ごめんなさい。よく考えれば、奥様は」
「お前は何も考えなくていい。今日の夜までに教会に戻ればいいんだろ、それまではここにいてくれ。俺の、そばに」
エリオードの言葉は、どこまでも優しかった。だから、彼が抱きしめてくれる腕にそのまま甘える。エリオードはそんなジェリアを心から愛おしそうに抱きしめた。
やがて、寝息が聞こえだした。ふと体をずらしてジェリアの顔を見ると、蒼白な顔のままで眠っていた。余程精神的に参っていたのだろう。
エリオードはジェリアを起こさないようにそっと引き離すと、ジェリアを仰向けに寝かせた。そして、忌々しげに眉を寄せる。そのまま、ジェリアのスカートの中に手を入れた。ジェリアが気付かないように、慎重に下着をずらしていく。
……今日ジェリアと合流してから、ずっと感じていた。
「糞野郎が」
のぞき込む。勘は……当たっていた。
頭の奥が、焼けていく。頭痛すら感じてきた。そっと形を戻すと、エリオードは深くため息を吐いた。
「……さて、どう落とし前つけてやるかな」
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