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57.そういやリーダーめっちゃお久しぶり。
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燈が湊に電話越しに葉月の無事を伝えると、湊は『よかった……』とあからさまに安心した声を絞り出した。
『光希はそっちに着いたか』
「はい。あの、やっぱり……」
『とりあえず誤魔化しておいたけど、多分分かってんじゃねえの」
それを聞き、胸が痛くなる。
彼は、その上で燈にいつものように接してくれているのか。そう考えるだけで、罪悪感でいっぱいになる。
一旦保留にされ、数分後に再び電話が繋がった。
『日向も今戻ってきた。光希が確か葉月のパソコン持っていってるからそれで資料作るように伝えろってさ』
起き抜けなのに、と思ったが確かに葉月は今回の事件唯一の被害者だ。
葉月が狙われた理由は分からない。しかし、万が一……これが『四』ひいては『S』に被害を及ぼすのが目的であるのであれば。
電話を終えると、燈は再び葉月の病室に戻ったのだった。
葉月が退院したのは、あの日から10日ほど経った後だった。
幸いVIP待遇を駆使して最新医療による治療を受けたおかげか、彼はすでに元気を取り戻していた。
そして……改めて、『四』の面々が集められた。
「俺が上から聞いた情報、葉月の情報、んで月夜の拷問結果を全部まとめたのがこれだ」
日向がそう言いながら、一枚の資料をテーブルに置いた。
「まずあの女は葉月を刺した実行犯で間違いない。でも更に上がいる、あの女そのものは鉄砲玉みたいなものだ」
「そもそも何で葉月はその女に近付いたんだよ、結構ブスだったぞ」
湊の呆れたような物言いに、葉月はげんなりとした様子で「うちの重役の姪を名乗ってきた」と答えた。
「もともと全然違う任務だったんだよ、未認可薬実験場の侵入者の締め上げ。その帰りにおじがお世話になってますーって。一応こっちも表の顔があるから愛想よく対応してたら、いきなりブスリだよ」
「は?お前なんで避けられなかったんだよ」
そこまで言って、湊は口をつぐんだ。葉月のかわりに、月夜が頷く。
「そ、あの女プロだったよ。狙いは『S』で、単純に接触しやすい葉月を狙った感じだった」
「今回はマジで油断してた……ごめんね……」
分かりやすくしょんぼりと肩を落とす葉月の背を、隣に座っている凛が優しくさすっていた。
あれから葉月も光希も、いつものように接してくれている。相変わらず光希の指示で店への出勤日数は減らされているが、この事件の調査や他店の管理などで光希自身は相当忙しそうだった。
「でも狙いが『S』って?もしかしてこないだ言ってた凛の親父疑惑のおっさんも関係あんのか?」
湊の問いに、日向は「それどころじゃない」とため息を吐いた。
「女がゲロった情報から、所属組織を見つけた。中華マフィアで、葉月を刺した女も凛に接触した男もここの人間だ」
日向の言葉に「出来過ぎだろ」と湊は笑った。そんな彼に「でも手間は省けたよ」と光希が言う。
「要はその組織が何を狙ってるかだけど、そこも掴めたの?言っちゃ何だけど女の方かなり下っ端でしょ、情報持ってた?」
「何で今日まで10日も空けたと思う?葉月の退院待ってたのもあるけど、もう一つあるんだなこれが」
月夜の得意気な顔に、光希は興味深げに視線を向ける。それを受けて月夜はにやりと笑うと、とある小型の機械を触り出した。
『光希はそっちに着いたか』
「はい。あの、やっぱり……」
『とりあえず誤魔化しておいたけど、多分分かってんじゃねえの」
それを聞き、胸が痛くなる。
彼は、その上で燈にいつものように接してくれているのか。そう考えるだけで、罪悪感でいっぱいになる。
一旦保留にされ、数分後に再び電話が繋がった。
『日向も今戻ってきた。光希が確か葉月のパソコン持っていってるからそれで資料作るように伝えろってさ』
起き抜けなのに、と思ったが確かに葉月は今回の事件唯一の被害者だ。
葉月が狙われた理由は分からない。しかし、万が一……これが『四』ひいては『S』に被害を及ぼすのが目的であるのであれば。
電話を終えると、燈は再び葉月の病室に戻ったのだった。
葉月が退院したのは、あの日から10日ほど経った後だった。
幸いVIP待遇を駆使して最新医療による治療を受けたおかげか、彼はすでに元気を取り戻していた。
そして……改めて、『四』の面々が集められた。
「俺が上から聞いた情報、葉月の情報、んで月夜の拷問結果を全部まとめたのがこれだ」
日向がそう言いながら、一枚の資料をテーブルに置いた。
「まずあの女は葉月を刺した実行犯で間違いない。でも更に上がいる、あの女そのものは鉄砲玉みたいなものだ」
「そもそも何で葉月はその女に近付いたんだよ、結構ブスだったぞ」
湊の呆れたような物言いに、葉月はげんなりとした様子で「うちの重役の姪を名乗ってきた」と答えた。
「もともと全然違う任務だったんだよ、未認可薬実験場の侵入者の締め上げ。その帰りにおじがお世話になってますーって。一応こっちも表の顔があるから愛想よく対応してたら、いきなりブスリだよ」
「は?お前なんで避けられなかったんだよ」
そこまで言って、湊は口をつぐんだ。葉月のかわりに、月夜が頷く。
「そ、あの女プロだったよ。狙いは『S』で、単純に接触しやすい葉月を狙った感じだった」
「今回はマジで油断してた……ごめんね……」
分かりやすくしょんぼりと肩を落とす葉月の背を、隣に座っている凛が優しくさすっていた。
あれから葉月も光希も、いつものように接してくれている。相変わらず光希の指示で店への出勤日数は減らされているが、この事件の調査や他店の管理などで光希自身は相当忙しそうだった。
「でも狙いが『S』って?もしかしてこないだ言ってた凛の親父疑惑のおっさんも関係あんのか?」
湊の問いに、日向は「それどころじゃない」とため息を吐いた。
「女がゲロった情報から、所属組織を見つけた。中華マフィアで、葉月を刺した女も凛に接触した男もここの人間だ」
日向の言葉に「出来過ぎだろ」と湊は笑った。そんな彼に「でも手間は省けたよ」と光希が言う。
「要はその組織が何を狙ってるかだけど、そこも掴めたの?言っちゃ何だけど女の方かなり下っ端でしょ、情報持ってた?」
「何で今日まで10日も空けたと思う?葉月の退院待ってたのもあるけど、もう一つあるんだなこれが」
月夜の得意気な顔に、光希は興味深げに視線を向ける。それを受けて月夜はにやりと笑うと、とある小型の機械を触り出した。
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