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33.玲雅くんのセンス、とんでもなかったよ。
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「というわけで合流しちゃいました」
「嘘でしょ」
翌日、9時ちょうど。ひじりとIzumiの泊まっているホテルに、2台のタクシーが到着した。そこには、やはり……メンバーだけでなく、『IC Guys』もいた。
玲雅がひじりに向かって歩み寄ってくる。そして、手首を掴まれた。
「沖縄くらいなら、すぐ来れるんだから。これからは『行ってきます』じゃなくて、『一緒にきて』。分かった?」
「はわわわわわわ」
「あー何か久々に見たな、この感じ」
呆れ切ったTakaの呟きの脇で、雪斗が「ねえねえ」と口を開いた。
「リーダーさんのプレゼント買いにいくんでしょ?本当に僕たちも混ざって大丈夫?」
「えっそんな話になってたの?」
「おう。まあ、もうHijiriと玲雅くんの関係もバレてるし、とことん開き直って集客やってこうってな」
「まあ、確かにコラボって考えたらありといえばありかもね」
Reoのあっけらかんとした答えに、Izumiも満更ではなさそうだった。
玲雅が、さりげなく挙手をした。
「うん、じゃあチーム分け。俺とひじりは二人で、他は好きにすればいいんじゃないかな」
「他グループの企画に指示する厚かましさとんでもねえなお前」
タクヤの苦言もあり、全員で公平にくじを引く事になった。勿論、すでにカメラは回っている。
厳正かつ公正なくじ引きの結果。ひじりと組むのは、Reoだった。
「よし、どこ行くかな。とりあえずあまり離れない方がいいだろうしな」
「その前に一発殴らせてくだしあ……」
「えっ何で?」
各々がばらけていく。ちなみに玲雅はSouとだった。あの二人はどうやら、グループ外でもそれなりに仕事の関係を持ちだしているらしい。ちなみに解散前、玲雅はぼそりと「雪斗じゃなくてよかった」と呟いていた。やはり、しこりはあるらしい。
ひとまず一発だけ腹に入れさせてもらってから、Reoが運転するレンタカーで走り出す。潮風が心地よかった。
「そういやIzumiとも言ってたんだけどさ、Naokiの誕生日サプライズの後海行こうぜ。お前水着持ってきた?」
「え!?持ってきてない!皆持ってきてるの!?」
「いやそりゃお前、沖縄行くって言ってたんだから。お前とTakaだけじゃないかな、そしたら。あっちはあっちで調達するって言ってたから、俺らもプレゼント買うついでに用意すっか」
そうか、沖縄の海開きは早いと聞いたことがある。確かに今回は慰安も兼ねているし、とことん遊んでもよさそうだ。
まずはお土産屋に行って、二人で即決でプレゼントを購入した。
「えー、俺達が買ったのはこのシーサーのぬいぐるみでーす。リーダーにはこんな風にいつも笑っててほしいからでーす」
「焼き物だと顔怖いのにねえ」
そしてそのまま、水着を選びだす。何なら、この時間の方が長かった。
「これはちょっとフリルで乳ごまかしてる感あるな、Hijiriは自乳あるんだからもっとスタイリッシュなのでいい。これはパレオが厚いから脚が見えない、もっと透け感を」
「一回叩かれろ!」
そんなこんなで、Hijiriの水着も決定した。すると時間は丁度いい頃合いだった。
レンタカーで海沿いを走る。集合場所は、Naokiが撮影しているというショッピングモールだ。駐車場に着くと、丁度Izumiとタクヤもレンタカーから降りてくるところだった。
「あれ、他は?」
「さあ。もう中に入ってるんじゃないかな、行こう」
四人で歩いて、中に入る。すると、途中で残りの全員と合流した。勿論目立つので観光客が騒ぎ出したが、全員で口に手を当てると察してくれたらしい。
「とりあえずNaokiくんとっ捕まえないと。チーマネいわく、3階にいるみたいだよ。その場で解散だって」
「何か休ませてあげれてなくて申し訳ねーな……」
ひとまず、ぞろぞろと移動する。三階につくと、収録スタッフが見えた。しかし丁度解散の瞬間だったらしい。そこに、全員で突撃した。
「「「リーダーおめでとーう!」」」
「わっ!?」
漫画のように身をびくつかせたNaokiが、慌てて振り返る。そして、一瞬固まっていた。
「えっ……!?な、何でお前ら!?えっ!?ていうか、『IC Guys』もいるじゃねえか!」
「これは本当に偶然なんだよね」
玲雅の言葉に、ひじりはぶんぶん頭を振って頷く。すると、Naokiは腰を抜かしたように屈んで笑いだした。
「いやマジでびっくりした……って、え?おめでとうって何だよ」
「いやNaokiくん誕生日でしょ」
「……ああ!マジか!」
背後でひそひそ「忘れてたんだ」「ほら忙しキングだから」「いやそもそも来週だから」とメンバーが喋る中、Reoが笑ってNaokiを起こした。
「つーわけで皆プレゼント買ってきたんだよ。ここで渡すから」
「は!?いや嬉しいけどお前らなんか皆でかくね!?Hijiri持ってるのなんかTakaくらいの身長あるじゃねーか!」
「そうやってすぐ人の身長いじるのよくないと思いますけどねえ!」
「嘘でしょ」
翌日、9時ちょうど。ひじりとIzumiの泊まっているホテルに、2台のタクシーが到着した。そこには、やはり……メンバーだけでなく、『IC Guys』もいた。
玲雅がひじりに向かって歩み寄ってくる。そして、手首を掴まれた。
「沖縄くらいなら、すぐ来れるんだから。これからは『行ってきます』じゃなくて、『一緒にきて』。分かった?」
「はわわわわわわ」
「あー何か久々に見たな、この感じ」
呆れ切ったTakaの呟きの脇で、雪斗が「ねえねえ」と口を開いた。
「リーダーさんのプレゼント買いにいくんでしょ?本当に僕たちも混ざって大丈夫?」
「えっそんな話になってたの?」
「おう。まあ、もうHijiriと玲雅くんの関係もバレてるし、とことん開き直って集客やってこうってな」
「まあ、確かにコラボって考えたらありといえばありかもね」
Reoのあっけらかんとした答えに、Izumiも満更ではなさそうだった。
玲雅が、さりげなく挙手をした。
「うん、じゃあチーム分け。俺とひじりは二人で、他は好きにすればいいんじゃないかな」
「他グループの企画に指示する厚かましさとんでもねえなお前」
タクヤの苦言もあり、全員で公平にくじを引く事になった。勿論、すでにカメラは回っている。
厳正かつ公正なくじ引きの結果。ひじりと組むのは、Reoだった。
「よし、どこ行くかな。とりあえずあまり離れない方がいいだろうしな」
「その前に一発殴らせてくだしあ……」
「えっ何で?」
各々がばらけていく。ちなみに玲雅はSouとだった。あの二人はどうやら、グループ外でもそれなりに仕事の関係を持ちだしているらしい。ちなみに解散前、玲雅はぼそりと「雪斗じゃなくてよかった」と呟いていた。やはり、しこりはあるらしい。
ひとまず一発だけ腹に入れさせてもらってから、Reoが運転するレンタカーで走り出す。潮風が心地よかった。
「そういやIzumiとも言ってたんだけどさ、Naokiの誕生日サプライズの後海行こうぜ。お前水着持ってきた?」
「え!?持ってきてない!皆持ってきてるの!?」
「いやそりゃお前、沖縄行くって言ってたんだから。お前とTakaだけじゃないかな、そしたら。あっちはあっちで調達するって言ってたから、俺らもプレゼント買うついでに用意すっか」
そうか、沖縄の海開きは早いと聞いたことがある。確かに今回は慰安も兼ねているし、とことん遊んでもよさそうだ。
まずはお土産屋に行って、二人で即決でプレゼントを購入した。
「えー、俺達が買ったのはこのシーサーのぬいぐるみでーす。リーダーにはこんな風にいつも笑っててほしいからでーす」
「焼き物だと顔怖いのにねえ」
そしてそのまま、水着を選びだす。何なら、この時間の方が長かった。
「これはちょっとフリルで乳ごまかしてる感あるな、Hijiriは自乳あるんだからもっとスタイリッシュなのでいい。これはパレオが厚いから脚が見えない、もっと透け感を」
「一回叩かれろ!」
そんなこんなで、Hijiriの水着も決定した。すると時間は丁度いい頃合いだった。
レンタカーで海沿いを走る。集合場所は、Naokiが撮影しているというショッピングモールだ。駐車場に着くと、丁度Izumiとタクヤもレンタカーから降りてくるところだった。
「あれ、他は?」
「さあ。もう中に入ってるんじゃないかな、行こう」
四人で歩いて、中に入る。すると、途中で残りの全員と合流した。勿論目立つので観光客が騒ぎ出したが、全員で口に手を当てると察してくれたらしい。
「とりあえずNaokiくんとっ捕まえないと。チーマネいわく、3階にいるみたいだよ。その場で解散だって」
「何か休ませてあげれてなくて申し訳ねーな……」
ひとまず、ぞろぞろと移動する。三階につくと、収録スタッフが見えた。しかし丁度解散の瞬間だったらしい。そこに、全員で突撃した。
「「「リーダーおめでとーう!」」」
「わっ!?」
漫画のように身をびくつかせたNaokiが、慌てて振り返る。そして、一瞬固まっていた。
「えっ……!?な、何でお前ら!?えっ!?ていうか、『IC Guys』もいるじゃねえか!」
「これは本当に偶然なんだよね」
玲雅の言葉に、ひじりはぶんぶん頭を振って頷く。すると、Naokiは腰を抜かしたように屈んで笑いだした。
「いやマジでびっくりした……って、え?おめでとうって何だよ」
「いやNaokiくん誕生日でしょ」
「……ああ!マジか!」
背後でひそひそ「忘れてたんだ」「ほら忙しキングだから」「いやそもそも来週だから」とメンバーが喋る中、Reoが笑ってNaokiを起こした。
「つーわけで皆プレゼント買ってきたんだよ。ここで渡すから」
「は!?いや嬉しいけどお前らなんか皆でかくね!?Hijiri持ってるのなんかTakaくらいの身長あるじゃねーか!」
「そうやってすぐ人の身長いじるのよくないと思いますけどねえ!」
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