【R18あり】推しに溺愛されるのが私とか!

湖霧どどめ

文字の大きさ
上 下
15 / 43

15.うわあ……Hijiri頑張ってる……

しおりを挟む
 あくまで、手つきは優しい。何だか模索しているかのような仕草で、玲雅はひじりを抱きしめる。そんな彼を、ひじりは抱き締めた。
 玲雅の匂いが、強くなっている。甘く熱い、においだった。いくら声を聞いて目で見つめ続けていたとしても、それだけは今まで感じたことの無い彼だった。
 ……本気で、死んでしまうかもしれない。そう感じる程の、衝動。

「ひじりっ……」

 すがるような声。人々に思いを縋らせてきた彼が、今こうやって自分に縋りついている。その事実が、どこか……優越感へと化けていく。それに、自分でも怖気がした。
 戻れない。純粋に、彼を敬愛していた頃には。こんな、彼の裏腹を知ってしまったら。
 ひじりの服の中に、玲雅の手が少しずつ侵入してくる。ひじりもまた、彼の服の中に手を入れじかに背中に触れた。びくり、と玲雅の体が跳ねる。

「玲雅くん、可愛いっ……」

 今まで、感じた事の無い感想。それでやっと、一線を溶かしてしまったのだと思い知る。
 玲雅はまた、口付けてきた。今度は、そっと舌でひじりの唇に触れてくる。少しだけ開けば、ゆっくりと入ってきた。柔らかくて、薄い。
 ぬぷ、ぬぷ、と柔らかい音。それでも、その奥には熱があると思い知る。そっと離れた時、唾液の糸が垂れてきた。

「これ、癖になりそうっ……」

 今まで聞いた事のない声に、心臓が脈打つ。こんな玲雅、知らない。それでももう、受け入れると決めた。
 さりげなく、ブラジャーのホックを外した。玲雅はその姿を見て、ごくりと喉を鳴らした。

「ひじり、こういうの慣れてる?」
「な、慣れてはないですけどっ……」

 ひじりの上ずった言葉に、玲雅は少しだけ眉を寄せた。その表情に、ぐらりとする。

「あ、あのっ、ごめんなさっ……」
「いや、俺らくらいの歳ならそれが普通でしょ。俺がおかしいだけだから、気にしないで」

 そうは言いつつ、玲雅はひじりの首に口を埋めた。ぴり、とした痛みに脈打ってしまう。口を外した玲雅は、「難しいな」と呟いた。そのまま、指でひじりの首を拭う。その指をひと舐めして、再び首に顔を埋めた。

「この匂い、他に知ってる奴いるんだ……」

 その言葉ひとつひとつが、響く。それは脳内に、子宮にと、一気にやってくる。どうしようもない反応だった。

「あっ、や、玲雅様っ……」
「くん、でしょ」
「玲雅くんっ……」

 玲雅の手が、ひじりの膨らみに触れた。じかに当たる指に揺らされ、びくびくと反応してしまう。そんなひじりを息荒く見下ろしながら、玲雅は少しだけ表情を緩めた。

「俺に触られるのが、いいの?それとも、誰に触られてもこうなるの?」

 返事をする前に、玲雅の目つきが変わった。

「やだな」
「あっ!」

 くに、くに、と摘まれる。玲雅にされている、という事実だけでおかしくなりそうなのに。こんなにも、刺激が強い。

「これが、恋なのかな……っ。あー、おかしくなりそう……ごめんね」
「や、あっ、あっ」

 まともに返事など出来ない。ただ、玲雅の腰を掴むことしか。そこで、見えてしまった。彼の滾りが。
 玲雅は何度も、膨らみをなぞっては揺らす。その度に、見える程の熱が彼の下腹部に脈打っていた。ひじりは意を決して、彼のベルトに手をかけた。がちゃがちゃ音を鳴らすとどうも振動するようで、玲雅は何度も息を漏らす。
 やがて、露出させた。やはり、相当熱かった。

「ひじりっ……」

 スカートがめくれて剥き出しになっているひじりの太ももに、玲雅が擦り付けてくる。完全な雄の求愛行動に、ひじりの湿り気も強まっていく。
 もう、どうなったっていい。そう思った。
 スカートの中に手を入れ、下着をずり下ろす。玲雅をそっとベッドに倒し、上に乗った。見上げてくる玲雅は、写真などとは比べ物にならない程の色気だった。むせ返りそうになる。

「わ、私も下手かもですけど……っ。き、気持ち悪かったら言ってください……!」

 顔が熱い。そんなひじりの頬に手をやって、玲雅は頷いた。
 玲雅の肉棒に、手を添える。すると、彼は露骨に声を漏らした。歌う時とは違う、致死量な程の甘さ。亀頭に入口をあてがうと、ひじりの腰を掴む玲雅の手の力が強まった。だから……押し込んだ。

「あっ……!」

 急激な、圧迫感。目から勝手に涙が漏れる。生理的なものなのか、そうでないのかは分からない。
 玲雅は、片手で顔を覆っていた。少しだけ見えている口元は、大きく開いている。胸の上下も激しい。
 そっと、腰を浮かせる。そのまま、下ろす。その度に、中がきゅっ、きゅっ、と玲雅を苛んでいく。

「あ、うっ……ひじり、動かない、でっ……」
「あっ、あっ、はあっ」

 玲雅の言葉は聞こえている。それでも、ひじりは腰を止められない。玲雅の細かな喘ぎも、止まらない。
 繋がっている。あんなに、輝きとして見上げていた彼と。その興奮と、未だ消えきれない罪悪感。それらが、すべてぐちゃぐちゃと混ざっていく。

「ひじり、だめだっ……こんなの、俺知らないっ……」
「だ、大丈夫ですからっ、あっ、あっ、お願いっ……もっと、もっと……」

 これは、最大のわがままだ。けれど、もう引っ込みがつかないところまできてしまっている。

「もっと、私にっ……私に、見せてっ……」

 決して、今まで望みもしなかった。自分は、与えてもらう側でしかなかった。要望なんて、恐れ多くて出来やしなかったのに。
 玲雅は未だに顔を隠していた。だから、そっとその手を外した。出てきた顔は、とろけきっていた。

「はあ、あっ……ひじり、やめてっ……もう、もう……」

 こんな姿、他の人間はきっと見たことがないはずだ。自分だけの、自分だけのものなのだ。
 ぎりぎりまで、浮かせる。そのまま、落とす。すると、玲雅は「だからっ」と声を上げた。それでも絶対に、やめはしない。

「大丈夫、私には見せて大丈夫ですっ。だから、ね?ね?」
「ほ、本当?逃げない?逃げたりしないっ……?」

 玲雅の手の力が、強くなる。腰に食い込まれた爪の痛みすら、ひじりにとっては至福だった。

「ずっと、ずっと……好き、ですっ……」

 ありったけの愛を。その声に乗せれば、ひじりの中が一気に締まった。それに、玲雅は反応する。その硬直の意味は、ひじりには分かっていた。
 息を荒げて、玲雅はひじりを見つめていた。その目には、うっすらと涙が浮かんでいる。

「ごめ、ひじり……出た……」

 どぐ、どぐ、と中で音が立つ。ひじりはそれを目を閉じて味わいながら、玲雅に倒れ込んだ。震えた手が、ひじりの背中に回る。

「き、気持ちよかった、ですか……」
「恥ずかしすぎるんだけど……俺情けないな……」
「そ、そんなことないですっ!はっ初めてだと多分こんな感じっ……だと思います……」

 さすがに男性ではないので断言出来なかった。しかしそれが、どうやら少し冷静になった玲雅の癇にさわったらしい。彼の手が、背中を強く締めてきた。

「へえ。詳しいね」
「くっ!?いやその、あのっ」
「もう逃げないって約束したもんね?あいにく、ここから先の俺は……俺にも、わからないから」
「あのっえっ玲雅くんっそのっ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛

冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...