アメリカで猫と暮らす 大騒ぎだけどHappy life!

真白タミイ

文字の大きさ
上 下
41 / 50
災害

トルネードがオハイオを襲う その2

しおりを挟む

 2018年夏。ワクチン注射をしにいつもの獣医に行ってきた。診察が終わった直後にウーウーと大きなサイレンが鳴り始めた。

(トルネード警報)と(大雨洪水警報)だ。

早く帰りたい。注射も終わっていたので急いで会計のために受付に行く。

空がどんどん真っ暗になっていく。なのに受付の人がずっと話をする。アメリカではレジや受付の人がおしゃべりということがよくある。この人はいつも手を動かさずに口が動くタイプだ。

 「ねえ覚えてる2年前だっけ?トルネード来たわよねー!このすぐ横通ってすごかったわよね、あ、車舞い上がって落ちた人ね、ケガだけだったのよ!すごいラッキーよね?ラッキーじゃないか?あはは~」と延々話してる。このエッセイにも書いた数年前にあった竜巻の話だ。家からも近いこの獣医のギリギリそばを通って隣の建物を破壊していった。

診察終わった先生まで出てきて「え?洪水も来るの?私ボート持ってるから平気よ。がっはっは」って。先生、そういう問題ではないと思う。

お支払いをして家に帰る途中で雨がバラバラ降ってきた。いかん!竜巻が来る前は大粒の雨が降りだし、雷が鳴り始める。黒い雲がどんどん空を覆っていく。お天気だったのにあっという間に真っ暗になり、ゴウゴウと風も吹き始める。

 きたきたきた~!!早く早く!!

危機一髪家にたどり着き、キャリーを運び入れ、すぐテレビをつけた。地下室へ避難しようとすると、この地区の竜巻警報は解除になった。

ほっと一安心したのもつかのま、今度はものすごく強い雨と共にピカーンドッカーンと雷があちこちに落ち始めた。

今度は雷~?と思った瞬間、ストロボを1000個まとめて焚いたような強烈な光と共にすさまじい爆音が同時にした。

ドカーンというよりもドン!バリ!とかバキ!に近い。鼓膜が中から破裂するかと思った。

そしてすぐに焦げた匂いがと漂ってきた。

家、もしくは限りなく近くに雷が直撃した。

多少のことには動じないけれど、さすがに腰が抜けそうになった。

2階に逃げてきたチャチャをひっつかんで
「地下室に行くよ!コタローも連れてきて」と叫ぶ。しかし、よく考えたら雷なので地下に行かなくてもいい。

もっと言えば、もう落ちた後だし遅すぎた。

竜巻に備えて地下室を作ったけれど、雷が落ちるとは想定外だった。天災は忘れたころにやってくるというけれど、忘れられないくらい頻繁に嵐と大雨、雷と竜巻が来る。ついでに言えば11月から大雪も降る。

つねにペットと一緒の避難を考えておかないといけないと強く思った。

そしてチャチャもコタローも、もう少し体重を落とさないといけない。病気が心配なだけではなく、いざという時に私が2匹抱えて走れないからだ!

病院へ行くのも夫と一緒に行く。8キロ超えのキャリーを両手で運ぶのは大変なのだ。

犬も飼いたいなーと常に思っているけれど、大型犬はどうすればいいのか?おんぶして避難するんだろうか?と思っていたら洪水のニュースで飼い主さんが本当にそうしていた。 

ペットは家族。災害時には一緒に避難したい。常にどうするかを考えてはいた。

しかし雷が家に落ちるとは、さすがに考えていなかった。これからはあらゆる災害を考えて訓練しようと思った。







しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】愛も信頼も壊れて消えた

miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」 王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。 無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。 だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。 婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。 私は彼の事が好きだった。 優しい人だと思っていた。 だけど───。 彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。 ※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...