14 / 50
大猫時代
ついに日本語を覚えたコタローさん
しおりを挟む
私の夫はアメリカ人で少し日本語は話せるのだけど、普段ほとんど英語で話をしている。
結婚して以来英語ばかりの生活に疲れ切ってしまった。子供が生まれて、息子には日本語を話してもらいたいと、毎日使い面白おかしく教えた。
猫関係ないやんけと思われるかもしれないが、実は猫にも日本語を教えているのだ。こいつ頭おかしいと思われたあなた!動物は言葉を覚えるのだ。
特に犬は有名だ。 命令をドイツ語で言わなければ言うことを聞かないとか、決まった言葉を訓練で使うという。
しかし猫だって同じだと思う。絶対に理解しているのだ。 犬は返事をし、おいでと言われたら走ってくるけれど、猫だって本当は言われたことをわかっていると思う。犬と違うところは
「聞こえてるけど、わかってるけど~めんどくさいなあ、あ、そうだ今わからなかったふりして寝てようっと」という猫的性格によるのだと思う。
LAで生まれた猫達の最初の家庭はスペイン語だった。5匹連れてきた時に奥様の方はスペイン語で泣きながら囁いていた。猫達はわかったような顔をしている。
いかん、この子達と言葉が通じないと本気で思った。
LAのローンデールにあるペットショップで里親会が行われたのだが、その日猫達を連れて帰ることができなかった。2ヶ月以上ではないと譲歩できないのだそうだ。
「一週間だけよ、うちで面倒見るからね」と5匹に
It's gonna be OK! と頬ずりして、延々英語で話しかけている。
いかん、このままでは英語脳になってしまう、とこれまた本気で思った。
一週間経って我が家に来た2匹。 当時私の母が一緒に住んでいたので、すぐに(おばあちゃんの日本語)の洗礼を受けた。
母も私としか日本語が話せず日本語に飢えていた。起きている時はずっと日本語で猫に話しかけていた。
そのおかげもあり、日本語をかなり理解していると思う。そしてある日食いしん坊のコタローはついに「ごはん」という発音を物にした。
控えめで、もの静か。愛されキャラのコタローさんだが食べ物への執着心が凄い。
家に来たその日に最初に威嚇したのはコタローだった。しかもチャチャにだ。 そして2皿のキャットフードをどっちも自分の物にした。
夫は涙目で「きっと他の兄弟にいつも取られていたんだよ、お母さんのミルクもいつも押しのけられて、だからこんなに小さいんだ」と素敵な物語を作っていたが、そんなわけねーだろ。単に意地汚いだけだと思う。
そんなコタローはついに
「お、ご、ごあん、ごあん、ごはん」
「うわあああ~~~やった~~しゃべったああ~~」
世の中には「まぐろうまいにゃー」なんて言える猫もいるので今更なのだが、はじめての言葉が「ごはん」はやはり嬉しかった。
すぐにキャットフードをあげた。
「ごあん」といえば{ごあん}が出て来る。
パブロフの犬ではなくオハイオの猫だ。
それいらい時間になるとお尻をフリフリ「ごあん」とやってくる。発音も上手になってきた。ごにゃ~~ん ん、ん、ごあん! 上手に発音できたらキャットフードがさっと出てくる。
息子は「かわいそうだよ~虐待じゃないの?」と言った。ち、違うよコミュニケーションだよねえ。
それ以来ごはんの時間じゃないのに首を傾げて「ごあん?」と言われると「かわいい~」とあげてしまう。
学んだのは発音ではなく人間の操り方だった。
やはり猫は賢かった。
結婚して以来英語ばかりの生活に疲れ切ってしまった。子供が生まれて、息子には日本語を話してもらいたいと、毎日使い面白おかしく教えた。
猫関係ないやんけと思われるかもしれないが、実は猫にも日本語を教えているのだ。こいつ頭おかしいと思われたあなた!動物は言葉を覚えるのだ。
特に犬は有名だ。 命令をドイツ語で言わなければ言うことを聞かないとか、決まった言葉を訓練で使うという。
しかし猫だって同じだと思う。絶対に理解しているのだ。 犬は返事をし、おいでと言われたら走ってくるけれど、猫だって本当は言われたことをわかっていると思う。犬と違うところは
「聞こえてるけど、わかってるけど~めんどくさいなあ、あ、そうだ今わからなかったふりして寝てようっと」という猫的性格によるのだと思う。
LAで生まれた猫達の最初の家庭はスペイン語だった。5匹連れてきた時に奥様の方はスペイン語で泣きながら囁いていた。猫達はわかったような顔をしている。
いかん、この子達と言葉が通じないと本気で思った。
LAのローンデールにあるペットショップで里親会が行われたのだが、その日猫達を連れて帰ることができなかった。2ヶ月以上ではないと譲歩できないのだそうだ。
「一週間だけよ、うちで面倒見るからね」と5匹に
It's gonna be OK! と頬ずりして、延々英語で話しかけている。
いかん、このままでは英語脳になってしまう、とこれまた本気で思った。
一週間経って我が家に来た2匹。 当時私の母が一緒に住んでいたので、すぐに(おばあちゃんの日本語)の洗礼を受けた。
母も私としか日本語が話せず日本語に飢えていた。起きている時はずっと日本語で猫に話しかけていた。
そのおかげもあり、日本語をかなり理解していると思う。そしてある日食いしん坊のコタローはついに「ごはん」という発音を物にした。
控えめで、もの静か。愛されキャラのコタローさんだが食べ物への執着心が凄い。
家に来たその日に最初に威嚇したのはコタローだった。しかもチャチャにだ。 そして2皿のキャットフードをどっちも自分の物にした。
夫は涙目で「きっと他の兄弟にいつも取られていたんだよ、お母さんのミルクもいつも押しのけられて、だからこんなに小さいんだ」と素敵な物語を作っていたが、そんなわけねーだろ。単に意地汚いだけだと思う。
そんなコタローはついに
「お、ご、ごあん、ごあん、ごはん」
「うわあああ~~~やった~~しゃべったああ~~」
世の中には「まぐろうまいにゃー」なんて言える猫もいるので今更なのだが、はじめての言葉が「ごはん」はやはり嬉しかった。
すぐにキャットフードをあげた。
「ごあん」といえば{ごあん}が出て来る。
パブロフの犬ではなくオハイオの猫だ。
それいらい時間になるとお尻をフリフリ「ごあん」とやってくる。発音も上手になってきた。ごにゃ~~ん ん、ん、ごあん! 上手に発音できたらキャットフードがさっと出てくる。
息子は「かわいそうだよ~虐待じゃないの?」と言った。ち、違うよコミュニケーションだよねえ。
それ以来ごはんの時間じゃないのに首を傾げて「ごあん?」と言われると「かわいい~」とあげてしまう。
学んだのは発音ではなく人間の操り方だった。
やはり猫は賢かった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちりつも仮スコアを獲得せよ!~ほとんど読まれない作品がインセンティブ獲得するには~(※個人の感想です)(おかーさんの浅知恵)【ほぼ完結】
今田ナイ
エッセイ・ノンフィクション
というわけで、こんばんはー。(^^)/
アルファポリスさんに来てまだそんなに日が経ってない今田ナイと申します(2023/12/17初投稿)
こちらのエッセイですが(2024/6作成)、
もうズバリ、タイトルそのままの内容です。(^_^;)b
インセンティブに誘われて辿り着きながら(それだけじゃないですがw)、
どういう仕組みでインセンティブが付くのかいまひとつ分からないまま投稿を続けておりましたが、
半年間の観察を行った結果、個人的におかーさんがそう【思い込んでいる】という
ひとつの結論に至りましたので、ここにまとめさせて頂きました。
信じるも信じないもあなた次第ということで、
話半分で暇つぶしにでもお読み頂ければ幸いです。(-人-)
※たまに覗くとお気に入りが増えていたりします。ありがとうございます。(-人-)
※たまに覗くといいねが増えてました。ありがとうございます。(-人-)
----------------
※たまに眺めて内容を更新していますが、情報は常に古くなるものと思って頂けるとありがたいです。
※内容としては完結しているんですが、半年毎の確定スコアを公開しているので更新があります。
----------------
※本作品はアルファポリス限定です。そりゃそうだ。(^_^;)
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
モナ・リザ新たなる出発[2024.02.12完結]
鏡子 (きょうこ)
エッセイ・ノンフィクション
「モナ・リザ新たなるタイトルに向けて」という論文のような本を出版する予定でしたが、なかなか前向きな努力をする勇気が出なくて、出版社にアプローチするなどの積極的な行動が出来ず、今日に至ります。
霊体験や、前世の記憶は、ややもすれば、空想話のような絵空事に思えてきて、時に、もの凄く凹みます。
しかしながら、私が体験したことを、このまま私の心のなかだけに埋もれさせるのは勿体無いと思い、この場を借りて投稿させて頂きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる