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子猫時代
オハイオにやってきた!オハイオってどんなところ?
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LAからオハイオへやってきた。
デイトン空港に着いた時には真夜中過ぎていて、そこからさらにレンタカーを借り、ホリデーインという小さなホテルにチェックインした。アメリカでは人気のある低料金のホテルで、ペットも一緒に泊まることができる。別料金が追加されるけれど一緒の部屋に宿泊できる。これほど安心で嬉しいことはない。
車の中では大鳴きしていたけれど、ケージを開けるとすぐに部屋の探索がはじまった。ふんふんと匂いを嗅ぎまくる。クローゼットも点検し、ミラーに猫パンチをして、ベッドに飛び乗りあちこち眺めた後ストンと落ち着いた。
移動するたびに同じことをやっていた。
1あれこれ匂いを嗅ぐ。2クローゼットなどの中を検査。3怪しいものは猫パンチ。だ。
この後も基地の中の施設に数か月泊まり、借家を探したけれど良い物件が見つからず、家を購入することにした。
アメリカでは引っ越すたびに家を買い替えたりして少しづつアップグレードしていく人が多い。私たちもLAでは賃貸だったけれど、せっかく田舎に来たのだから広々とした一軒家にしようと決めたのだった。
建つまでの間またアパートでの数か月とあちこち転々とさせてしまった。猫は家に居つくと言われているけれど、それは外に出している猫の場合ではないだろうか。我が家の猫たちは新しい場所に移ると探検して楽しそうにしていた。
新しく家も立ち、引っ越しも無事に終わった。軍の任期はだいたい3年なのでその時にまた売るか貸していけばいいねと話していたけれど、すっかりオハイオが気に入ってしまい、ここに住むことに決めたのだった。
日本では全く知名度がないオハイオ。皆必ず「え?どの辺にあるの?」と聞く。
オハイオは北西部ではあるが、アメリカ本土の地図で見ると東に近い。すごく大雑把に言うとNYは右の上、カリフォルニアは左の下そしてオハイオは上のほうの右寄りの場所だ。ペンシルベニア州とインディアナ州に挟まれている。
地図で見るととても小さいけれど面積は北海道と四国を足したくらいある。なので、一概にオハイオはこうだと言えないけれど、私の住む地区は素晴らしく住みやすい場所だ。たまに竜巻が来るのがネックだけど(まあものすごくネックだけど)確率的にもう近くには表れないと信じている。冬の厳しさもあった。大雪が降りマイナス20度までになる。ただし、こういう場所の家は防寒がしっかりしているので、家の中は年中夏なのであまり気にならない。
ここは田舎の良いところと都会の良いところどちらもある。初めて来た時は驚いた。もうアメリカの田舎は絶対に住みたくないと思っていたけれど、どこもかしこも芝が刈ってあり、細かいところも整備されている。町はヨーロッパのように整った美しさがあった。そしてなによりも永住しようと決めたのは人々のやさしさだった。白人種が82%も占めるのに人種差別を受けたことがない。
クリスチャンが多いこの地区はとにかく人々が優しく暖かく感じが良い。初めてこの辺りをレンタカーで回ってみたときは家の外に出ている人が皆手を振ってくれて感動した。いろいろな場所に住んだけれど、こんな場所はなかなかない。
そしてご近所は動物が大好きな人が多い。
ここに住みだした頃、外をリーシュをつけていない犬が歩いていた。すぐに私も近所の人たちもわらわらと出てきた。5,6人で「あそこの犬に似てる」「それとも○○さんのところかな?行ってみる?」「こっちにおいで~」怖がっているのか犬はなかなかそばに来てくれない。道の真ん中をとぼとぼと歩いている。
その時に郵便局の車が入って来た。全員「わ~~~!」と叫ぶ。とっさに私は車の前に飛び出してしまった。「止まって!犬がいるの!」怒られるかと思ったけれど、はっはっはと笑っている。
「秘密兵器があるよ」と車から降りてきた。犬に吠えられるポストマンはつねに武器を持ち歩いていた。
犬用のクッキーだ。クッキーを投げるとすぐにとことこと走り寄ってきた。
その頃さらに数人が増えて、ついに「あ!!裏の〇さんとこの子!」と判明した。すっかり慣れた犬とその後をぞろぞろ歩く人間たち。
「良かったねえ」と犬ににこにこ話しかけている。
その後もたくさんのやさしさに触れて、ここにずっと住みたいと思えるようになったのだった。
きれいな街もあれば馬もいるオハイオ
デイトン空港に着いた時には真夜中過ぎていて、そこからさらにレンタカーを借り、ホリデーインという小さなホテルにチェックインした。アメリカでは人気のある低料金のホテルで、ペットも一緒に泊まることができる。別料金が追加されるけれど一緒の部屋に宿泊できる。これほど安心で嬉しいことはない。
車の中では大鳴きしていたけれど、ケージを開けるとすぐに部屋の探索がはじまった。ふんふんと匂いを嗅ぎまくる。クローゼットも点検し、ミラーに猫パンチをして、ベッドに飛び乗りあちこち眺めた後ストンと落ち着いた。
移動するたびに同じことをやっていた。
1あれこれ匂いを嗅ぐ。2クローゼットなどの中を検査。3怪しいものは猫パンチ。だ。
この後も基地の中の施設に数か月泊まり、借家を探したけれど良い物件が見つからず、家を購入することにした。
アメリカでは引っ越すたびに家を買い替えたりして少しづつアップグレードしていく人が多い。私たちもLAでは賃貸だったけれど、せっかく田舎に来たのだから広々とした一軒家にしようと決めたのだった。
建つまでの間またアパートでの数か月とあちこち転々とさせてしまった。猫は家に居つくと言われているけれど、それは外に出している猫の場合ではないだろうか。我が家の猫たちは新しい場所に移ると探検して楽しそうにしていた。
新しく家も立ち、引っ越しも無事に終わった。軍の任期はだいたい3年なのでその時にまた売るか貸していけばいいねと話していたけれど、すっかりオハイオが気に入ってしまい、ここに住むことに決めたのだった。
日本では全く知名度がないオハイオ。皆必ず「え?どの辺にあるの?」と聞く。
オハイオは北西部ではあるが、アメリカ本土の地図で見ると東に近い。すごく大雑把に言うとNYは右の上、カリフォルニアは左の下そしてオハイオは上のほうの右寄りの場所だ。ペンシルベニア州とインディアナ州に挟まれている。
地図で見るととても小さいけれど面積は北海道と四国を足したくらいある。なので、一概にオハイオはこうだと言えないけれど、私の住む地区は素晴らしく住みやすい場所だ。たまに竜巻が来るのがネックだけど(まあものすごくネックだけど)確率的にもう近くには表れないと信じている。冬の厳しさもあった。大雪が降りマイナス20度までになる。ただし、こういう場所の家は防寒がしっかりしているので、家の中は年中夏なのであまり気にならない。
ここは田舎の良いところと都会の良いところどちらもある。初めて来た時は驚いた。もうアメリカの田舎は絶対に住みたくないと思っていたけれど、どこもかしこも芝が刈ってあり、細かいところも整備されている。町はヨーロッパのように整った美しさがあった。そしてなによりも永住しようと決めたのは人々のやさしさだった。白人種が82%も占めるのに人種差別を受けたことがない。
クリスチャンが多いこの地区はとにかく人々が優しく暖かく感じが良い。初めてこの辺りをレンタカーで回ってみたときは家の外に出ている人が皆手を振ってくれて感動した。いろいろな場所に住んだけれど、こんな場所はなかなかない。
そしてご近所は動物が大好きな人が多い。
ここに住みだした頃、外をリーシュをつけていない犬が歩いていた。すぐに私も近所の人たちもわらわらと出てきた。5,6人で「あそこの犬に似てる」「それとも○○さんのところかな?行ってみる?」「こっちにおいで~」怖がっているのか犬はなかなかそばに来てくれない。道の真ん中をとぼとぼと歩いている。
その時に郵便局の車が入って来た。全員「わ~~~!」と叫ぶ。とっさに私は車の前に飛び出してしまった。「止まって!犬がいるの!」怒られるかと思ったけれど、はっはっはと笑っている。
「秘密兵器があるよ」と車から降りてきた。犬に吠えられるポストマンはつねに武器を持ち歩いていた。
犬用のクッキーだ。クッキーを投げるとすぐにとことこと走り寄ってきた。
その頃さらに数人が増えて、ついに「あ!!裏の〇さんとこの子!」と判明した。すっかり慣れた犬とその後をぞろぞろ歩く人間たち。
「良かったねえ」と犬ににこにこ話しかけている。
その後もたくさんのやさしさに触れて、ここにずっと住みたいと思えるようになったのだった。
きれいな街もあれば馬もいるオハイオ
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