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第一章 転生したら『悪役』でした~五年前~
衝撃の話2 ~知りたくはなかった話も衝撃だった~
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まさかのでき婚……いや、実の両親は結婚していないから違うか。媚薬盛られた末の事故みたいなものだったようだし。それでも結婚を喜んでたんだよね、母は。それが叶わなくて、どれだけの絶望の日々だっただろう。私が生まれたことを少しでも喜んでくれていたなら、それだけで救いだけど。
衝撃の裏話を聞かされ、もうなにから驚けばいいのか分からない。
まあ、一番不憫なのはこの場から離脱し損ね、口外してはならない国の秘密を知っちゃった職員さんだけどさ。凍りついたように動かないから、思考停止してんだと思う。
「で、だ。どうする?」
「ひゃい(はい)?」
なんとも言えない空気感が漂っていたためか、切り替えるようにスレイが訊ねてきた。
「いやさ、ギルドに来てたってことはお前、冒険者になりたいんだろ? けどさ、ルーの話じゃ、お前はネスティアの王太子の娘ってことになるわけだしさ。とりあえずはネスティアまで行ったほうがいいだろって思ったんだが……どうする? って話だよ」
「しょれは(それは)………」
実際、スレイの言う通りなんだよね。私が、イスペライア王家ではなく、ネスティア王家の血を引いているというなら、まずはあちらの国で戸籍をはっきりさせなきゃならない。でも、私の身分が変わったら私を逃がしたシュディスの立場が………
「セシリアが悩んでいるのは、シュディスのことか?」
「っ!? にゃ、にゃんでわきゃっちゃにょ(な、なんで分かったの)!?」
私が気にしていた点をロウに的確に指摘され、動揺した。
「君のことを私たち姉弟の屋敷に預かって欲しいと頼まれた時、シュディスから事情は聞いていたからな」
「え?」
「私に頼んできた時、あいつはこう言っていた。『おそらくだが、僕とあの子──セシリアとは血が繋がっていない。なら、本当の親の元へ返すのが道理だろう。キリアが心当りがあるそうだから、その伝手で連絡しておく。その間、お前にセシリアを預かって欲しいんだ。……まあ、欲を言えば国でのゴタゴタが片付いたら、また一緒に暮らせないかな……なんて思うけどね』とな」
そう、だよね。母はお腹に私がいる時にこの国に連れ去られて来た。私はイスペライア王とは赤の他人なはずだ。当然、シュディスとも血が繋がっていないことになる。
お兄様呼びが慣れる前に呼べなくなっちゃったな。それが残念なような、対等に付き向き合えることが嬉しいような……不思議な気分だった。
シュディス、そんなこと言ってたんだ………ん? ということは、クルーシスがこの国にいるのって───
そう思い、彼を見ると苦笑しながら頷いていた。
「貴女の想像通りですよ。兄上の下に、ブレスティオンから内密に書面が届いたのです。『貴方がかつて失ったものの行方が掴めた』、とね。兄上……ネスティアの王太子の婚約者が失踪した事件は他国にも知られていた話でしたから。私は兄上から真実を確かめて欲しいと頼まれて、イスペライアまで足を運んだわけです」
「さすがにエルフ一人でうろうろしてっと、怪しまれるからな。俺が同行を頼まれたんだよ」
クルーシスの言葉を引き継ぐように、スレイが付け足した。イスペライアに辿り着いた二人は、イスペライア王から疑いの目を向けられないように、ひとまずギルドへ来た。そして私たちとばったり会った、ということのようだ。
「彼らには屋敷で君と会ってもらう予定だったんだ。ギルドマスターには『エルフの青年が訪ねてきたら知らせて欲しい』と頼んでおいたんだが……ここでこうして会えたからな。手間が省けたな」
「到着したその日に会えるとまでは思っていませんでしたがね」
「まあ、な」
ロウとクルーシスがお互いに苦笑していた。今日出会えたのはタイミングがよかったってことか。そしてロウは私が気にしているシュディスへの影響について話してくれた。
「シュディスのことだが……彼が咎められることはないだろう。君はほぼ放置の状態だったんだ、おそらくは自力で逃げ出したと思われるだろう。いつ君がいなくなっていたのか、シュディスとキリア以外の城の者たちには分からないはずだからな」
シュディスが無事だと分かり、ほっとした。
まあ、当初は私もそう思われるだけで、捜索なんてされないだろうなって思ったからこそ、あの夜逃亡を決行したからね。
よかった。シュディスやキリアに何か罰でも下ったらどうしようって考えていたから。私がほっとしていたのも束の間、ロウが予想だにしない言葉を口にした。
「ただ、シュディスには『“アレ”のことだ、セシリアを取り戻しに追っ手を向ける可能性がある。できれば早めにセシリアの立場を固めて欲しい』とも言われた。私も“奴”ならば、やりそうだとは思う」
「え?」
「へ? アレ?」
「シュディス殿下は何を警戒しているのです?」
「どうにも、ここ最近になって、セシリアに教本を与えて、知識を詰め込まさせていたようだ。あとはなにやら術具の手配をしていたそうだ」
ロウの言葉からは、その人物に対する嫌悪感が見え隠れしている。
追っ手を差し向けられて、シュディスが意見してもはね除けることのできる人間。ここまでくると私でも分かる───私の父親だと思っていた人……イスペライア王だ。
というか……術具って何をするつもりなんだろう。想像して悪寒がし、ぶるっと震えた。
「なあ、そいつ、俺でも分かんだけど。王様だろ? この国の」
「ああ。イスペライア王は『母親似のセシリアに下劣な欲望を抱いている』、とシュディスは断定しているそうだ」
「え"!?」
下劣……? 忌み嫌ってるんじゃなかったの? 城での噂ってなんだったの……? ……はっ! 時々ぞっとするような視線を感じたのってそのせい!?
「……母親が駄目だったから次は娘ってか? クズだな」
「口に気をつけなさい、スレイ。腐っても王です、無能だの、おぞましいだのといった言動は心の中だけにしておきなさい」
「いや。俺そこまで言ってねぇし……お前の言い様のほうがよほど失礼だろ。でもま、いいんじゃねぇ? この場にはそれを告げ口する奴はいないだろ」
みんな結構好き放題言っていたけど、誰も咎めないあたり、あの王に対する評価がよく分かる光景だった。
「シュディス殿下の心の内は分かりました。彼の心遣いを無駄にしないとめにも、セシリア……私と共にネスティアまで来てくれますね?」
「ひゃい(はい)、よろしゅきゅおにぇぎゃいしましゅ(よろしくお願いします)」
クルーシスの言葉に素直に頷いた。シュディスやみんなを安心させてあげるためにも、ネスティアへ行ったほうがいいと思ったからだ。
「もう少し一緒にいられるかと思ったが……また出会える時まで楽しみにしておこうか」
「ロウ……いろいろ、ありゅぎゃちょう(ありがとう)」
「気にするな。たった一日だったが、妹が出来たようで嬉しかった」
「りぃりんしゃんに(リーリンさんに)、よろしゅきゅ(よろしく)。ありゅぎゃちょう(ありがとう)って」
「ああ。伝えておく。部屋はあのまま残しておくから、この国が落ち着いたら遊びに来るといい」
「……うん」
ロウがぎゅっと抱きしめながらそう言ってくれた。変態的な行動が印象に残ったリーリンさんのことも、引きはしたけど、優しさを感じられたから嫌いじゃなかった。たった一日。それだけなのに、彼らと離れることになるのが寂しく感じた。また帰ってこれるといいな。ロウたちのもとに。なによりも、私を思って心を砕いてくれたシュディスのためにも。
そんな短くも濃いイスペライアでの日々に別れを告げ、私はネスティアへ向かうことになった。
衝撃の裏話を聞かされ、もうなにから驚けばいいのか分からない。
まあ、一番不憫なのはこの場から離脱し損ね、口外してはならない国の秘密を知っちゃった職員さんだけどさ。凍りついたように動かないから、思考停止してんだと思う。
「で、だ。どうする?」
「ひゃい(はい)?」
なんとも言えない空気感が漂っていたためか、切り替えるようにスレイが訊ねてきた。
「いやさ、ギルドに来てたってことはお前、冒険者になりたいんだろ? けどさ、ルーの話じゃ、お前はネスティアの王太子の娘ってことになるわけだしさ。とりあえずはネスティアまで行ったほうがいいだろって思ったんだが……どうする? って話だよ」
「しょれは(それは)………」
実際、スレイの言う通りなんだよね。私が、イスペライア王家ではなく、ネスティア王家の血を引いているというなら、まずはあちらの国で戸籍をはっきりさせなきゃならない。でも、私の身分が変わったら私を逃がしたシュディスの立場が………
「セシリアが悩んでいるのは、シュディスのことか?」
「っ!? にゃ、にゃんでわきゃっちゃにょ(な、なんで分かったの)!?」
私が気にしていた点をロウに的確に指摘され、動揺した。
「君のことを私たち姉弟の屋敷に預かって欲しいと頼まれた時、シュディスから事情は聞いていたからな」
「え?」
「私に頼んできた時、あいつはこう言っていた。『おそらくだが、僕とあの子──セシリアとは血が繋がっていない。なら、本当の親の元へ返すのが道理だろう。キリアが心当りがあるそうだから、その伝手で連絡しておく。その間、お前にセシリアを預かって欲しいんだ。……まあ、欲を言えば国でのゴタゴタが片付いたら、また一緒に暮らせないかな……なんて思うけどね』とな」
そう、だよね。母はお腹に私がいる時にこの国に連れ去られて来た。私はイスペライア王とは赤の他人なはずだ。当然、シュディスとも血が繋がっていないことになる。
お兄様呼びが慣れる前に呼べなくなっちゃったな。それが残念なような、対等に付き向き合えることが嬉しいような……不思議な気分だった。
シュディス、そんなこと言ってたんだ………ん? ということは、クルーシスがこの国にいるのって───
そう思い、彼を見ると苦笑しながら頷いていた。
「貴女の想像通りですよ。兄上の下に、ブレスティオンから内密に書面が届いたのです。『貴方がかつて失ったものの行方が掴めた』、とね。兄上……ネスティアの王太子の婚約者が失踪した事件は他国にも知られていた話でしたから。私は兄上から真実を確かめて欲しいと頼まれて、イスペライアまで足を運んだわけです」
「さすがにエルフ一人でうろうろしてっと、怪しまれるからな。俺が同行を頼まれたんだよ」
クルーシスの言葉を引き継ぐように、スレイが付け足した。イスペライアに辿り着いた二人は、イスペライア王から疑いの目を向けられないように、ひとまずギルドへ来た。そして私たちとばったり会った、ということのようだ。
「彼らには屋敷で君と会ってもらう予定だったんだ。ギルドマスターには『エルフの青年が訪ねてきたら知らせて欲しい』と頼んでおいたんだが……ここでこうして会えたからな。手間が省けたな」
「到着したその日に会えるとまでは思っていませんでしたがね」
「まあ、な」
ロウとクルーシスがお互いに苦笑していた。今日出会えたのはタイミングがよかったってことか。そしてロウは私が気にしているシュディスへの影響について話してくれた。
「シュディスのことだが……彼が咎められることはないだろう。君はほぼ放置の状態だったんだ、おそらくは自力で逃げ出したと思われるだろう。いつ君がいなくなっていたのか、シュディスとキリア以外の城の者たちには分からないはずだからな」
シュディスが無事だと分かり、ほっとした。
まあ、当初は私もそう思われるだけで、捜索なんてされないだろうなって思ったからこそ、あの夜逃亡を決行したからね。
よかった。シュディスやキリアに何か罰でも下ったらどうしようって考えていたから。私がほっとしていたのも束の間、ロウが予想だにしない言葉を口にした。
「ただ、シュディスには『“アレ”のことだ、セシリアを取り戻しに追っ手を向ける可能性がある。できれば早めにセシリアの立場を固めて欲しい』とも言われた。私も“奴”ならば、やりそうだとは思う」
「え?」
「へ? アレ?」
「シュディス殿下は何を警戒しているのです?」
「どうにも、ここ最近になって、セシリアに教本を与えて、知識を詰め込まさせていたようだ。あとはなにやら術具の手配をしていたそうだ」
ロウの言葉からは、その人物に対する嫌悪感が見え隠れしている。
追っ手を差し向けられて、シュディスが意見してもはね除けることのできる人間。ここまでくると私でも分かる───私の父親だと思っていた人……イスペライア王だ。
というか……術具って何をするつもりなんだろう。想像して悪寒がし、ぶるっと震えた。
「なあ、そいつ、俺でも分かんだけど。王様だろ? この国の」
「ああ。イスペライア王は『母親似のセシリアに下劣な欲望を抱いている』、とシュディスは断定しているそうだ」
「え"!?」
下劣……? 忌み嫌ってるんじゃなかったの? 城での噂ってなんだったの……? ……はっ! 時々ぞっとするような視線を感じたのってそのせい!?
「……母親が駄目だったから次は娘ってか? クズだな」
「口に気をつけなさい、スレイ。腐っても王です、無能だの、おぞましいだのといった言動は心の中だけにしておきなさい」
「いや。俺そこまで言ってねぇし……お前の言い様のほうがよほど失礼だろ。でもま、いいんじゃねぇ? この場にはそれを告げ口する奴はいないだろ」
みんな結構好き放題言っていたけど、誰も咎めないあたり、あの王に対する評価がよく分かる光景だった。
「シュディス殿下の心の内は分かりました。彼の心遣いを無駄にしないとめにも、セシリア……私と共にネスティアまで来てくれますね?」
「ひゃい(はい)、よろしゅきゅおにぇぎゃいしましゅ(よろしくお願いします)」
クルーシスの言葉に素直に頷いた。シュディスやみんなを安心させてあげるためにも、ネスティアへ行ったほうがいいと思ったからだ。
「もう少し一緒にいられるかと思ったが……また出会える時まで楽しみにしておこうか」
「ロウ……いろいろ、ありゅぎゃちょう(ありがとう)」
「気にするな。たった一日だったが、妹が出来たようで嬉しかった」
「りぃりんしゃんに(リーリンさんに)、よろしゅきゅ(よろしく)。ありゅぎゃちょう(ありがとう)って」
「ああ。伝えておく。部屋はあのまま残しておくから、この国が落ち着いたら遊びに来るといい」
「……うん」
ロウがぎゅっと抱きしめながらそう言ってくれた。変態的な行動が印象に残ったリーリンさんのことも、引きはしたけど、優しさを感じられたから嫌いじゃなかった。たった一日。それだけなのに、彼らと離れることになるのが寂しく感じた。また帰ってこれるといいな。ロウたちのもとに。なによりも、私を思って心を砕いてくれたシュディスのためにも。
そんな短くも濃いイスペライアでの日々に別れを告げ、私はネスティアへ向かうことになった。
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