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247.コウモリってよく見ると可愛くない?

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 「「うわあああ!」」「きゃああああ!」

 天井から、コウモリのように逆さまの状態でぶら下がってた状態で現れた蓮さんに、絶叫する俺達3人。

 「驚かせてごめん」

 そしてそんな俺達とは正反対の涼しい顔で、シュタっと軽やかに着地する蓮さん。

 「な、何してるんすか!」

 「いや、最近天井裏から異音がするなって気になってて。個人情報を扱う会社として、きちんとチェックしたいと思ってたんだよ。ほら、この前もアスカ本社でもスパイ騒ぎがあって問題になってただろ?」

 「だ、だからってこんなコソコソ……午前中はリフレッシュの為に出かけるって言ってたじゃない!」

 「出張の代休日に仕事絡みの事をしてたら、しっか「休んでって、唯に怒られるかと思って」

 蓮さんは裾をパンパンと払いながら、お化けでも見たような顔の妻に笑いかける。
 けれど……隣にいる明に視線をうつした途端、顔つきが険しくなって。

 「それで、明? わざわざ学校をさぼって、うちの社員に無礼を働きに来たんだっけ。そうせざるを得なかった正当な理由があるなら、聞くけど?」

 対する明は、さっきまでの勢いはどこへやら。主人に叱咤された子犬のように、肩をすくませてしょげている。

 「と、父さん、俺はただ……」

 「仁はうちの貴重な戦力だ。それを……まだ社会に出た事もない子供が、解雇だなんだと騒ぐなんて」

 「で、でも」

 「それに、ママにも随分酷い事を言ってたね。到底看過できないのは、明の方だ。唯を傷付ける人間は、いくら息子でも許せないよ」

 「蓮ちゃん……っ」

 「う……っ!」

 「あ、明君!」

 蓮さんに責められ、たまらず走り去る明。
 そんな息子の背中と、夫の顔とを交互に見てから、追いかける唯。

 ああ……ああ、わかる。わかるよ。

 大大大好きなつまを守りたい蓮さんおっとの気持ちも。
 パパの事が大大大好きな息子にそんな事言わないでやってよ、というははの気持ちも。

 難しい。家族って、親子って難しい……。

 明にキレて、明をキレさせておいて言えた立場じゃないけれど……俺は目の前で繰り広げられるホームドラマに、一人、胸を痛めていた。
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