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146.オフィスカジュアルって結局何?
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「え……かわ……っ」
朝食後。
オフィスカジュアルなファッションに身を包んだ唯に、思わず率直な感想を漏らしてしまう。
「大丈夫? 変じゃないかな?」
「全然変じゃない! 似合い過ぎてびっくりしてる!」
「ふふ……ありがとう……」
三月初旬。今日は唯の初出社の日。
といっても、蓮さんのアシスタントデビューは四月から。
三月中はアシスタント見習いと言う事で、斎藤についてノウハウを学ぶ事になったのだ。
「このお洋服のお代も、お給料を頂いたらちゃんとお返しするね」
「いいよ。俺からの就職祝い……? って言ったらあれだけど」
洗い物をしながらお礼を言う唯。
可愛い……白いブラウスも、ベージュのジャケットとネイビーのスカートも。その姿でキッチンに立っているその様も。全てが可愛いの集合体。
「失敗……洗い物まで終わってから、着替えれば良かった」
唯は独り言のようにつぶやきながら、服にはねた水をタオルで拭う。
「帰ったら俺がやるよ。置いといて」
「ううん! 私の希望でお仕事させて貰うんだもん。家の事もこれまで通り任せてほしい」
「いやそれフラグじゃん。家庭と仕事の両立を目指して倒れる人の。洗い物が残ってても死にはしないけど。俺は唯が倒れたら死ぬ程心配だから、一人で抱え込むなよ」
「仁ちゃん……ありがとうっ」
仕事初めの不安もあるのだろうか、この程度の言葉で瞳を潤ませる唯がまた……一層愛おしい。
「ギュー、するか。今日からは、唯にも出勤前の気合が入るように、力こめる」
「うんっ。お願いします!」
キッチンで、恒例のハグをする。お互いのジャケットが皺になる位、強く。
これからは週に3回、パリッとした唯を抱きしめて、一緒に出勤出来るんだ。
控えめに言って、恐悦至極。
俺の心には、一足先に春が来て……唯のほっぺのような淡いピンク色の桜が、満開に咲き誇っているのだった。
朝食後。
オフィスカジュアルなファッションに身を包んだ唯に、思わず率直な感想を漏らしてしまう。
「大丈夫? 変じゃないかな?」
「全然変じゃない! 似合い過ぎてびっくりしてる!」
「ふふ……ありがとう……」
三月初旬。今日は唯の初出社の日。
といっても、蓮さんのアシスタントデビューは四月から。
三月中はアシスタント見習いと言う事で、斎藤についてノウハウを学ぶ事になったのだ。
「このお洋服のお代も、お給料を頂いたらちゃんとお返しするね」
「いいよ。俺からの就職祝い……? って言ったらあれだけど」
洗い物をしながらお礼を言う唯。
可愛い……白いブラウスも、ベージュのジャケットとネイビーのスカートも。その姿でキッチンに立っているその様も。全てが可愛いの集合体。
「失敗……洗い物まで終わってから、着替えれば良かった」
唯は独り言のようにつぶやきながら、服にはねた水をタオルで拭う。
「帰ったら俺がやるよ。置いといて」
「ううん! 私の希望でお仕事させて貰うんだもん。家の事もこれまで通り任せてほしい」
「いやそれフラグじゃん。家庭と仕事の両立を目指して倒れる人の。洗い物が残ってても死にはしないけど。俺は唯が倒れたら死ぬ程心配だから、一人で抱え込むなよ」
「仁ちゃん……ありがとうっ」
仕事初めの不安もあるのだろうか、この程度の言葉で瞳を潤ませる唯がまた……一層愛おしい。
「ギュー、するか。今日からは、唯にも出勤前の気合が入るように、力こめる」
「うんっ。お願いします!」
キッチンで、恒例のハグをする。お互いのジャケットが皺になる位、強く。
これからは週に3回、パリッとした唯を抱きしめて、一緒に出勤出来るんだ。
控えめに言って、恐悦至極。
俺の心には、一足先に春が来て……唯のほっぺのような淡いピンク色の桜が、満開に咲き誇っているのだった。
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