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34.大人になってからも友達って出来ますか?
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『うち、セッ〇〇・○○なのよ』
一体何を言いだすかと思えば……このマウント女。
俺は沸き上がる怒りを、必死になって抑えていた。
ガキもいる真昼間のファミレスで、何言ってんだよ。初対面の相手(しかも俺は異性)もいるっつーのに、恥ずかしくねえのかよ。
そんな事を思っているわけじゃない。
気がかりなのは、唯だ。
マウント女が触れたのは、唯にとって最も嫌悪感の強い類の話題。
思い出したくもない過去をよぎらせる、最悪なワード。
「唯……」
大丈夫か? 無理して聞かなくてもいいんだぞ。
と、言おうとして、隣に座る唯に視線を移したのだが。
唯は……小さな耳まで真っ赤にして、恥ずかしそうに俯いていた。
「あ、えと、そ、そうなんですね……っ」
かわ~~~~~~~~!!!
「あ、あの、あの、大園さん、大丈夫ですか? そんなご夫婦のプラ、プライベートな……大切な事を、こんな所で……」
「別にいいわよもうなんでも。それより、いい大人が赤面しすぎじゃない? なんだかこっちが恥ずかしくなってくるんだけど」
かわ! かわ! かわ!!
ほっぺがポッ。とかじゃなく、もう服から出てる部分全てが赤い! そしてめっちゃどもってる!
そうかそうかっ! 俺はてっきり、忌まわしい記憶を呼び起こす禁断ワードだと思ってたんだけど、そういうリアクションか!
唯が辛い想いをしてないなら何より。マウント女も許してやろう。それどころか、こんなに可愛い唯を見せてくれてありがとうと、感謝したい気持ちにすらなってくる。
「セッ〇〇・○○? どういう事です? あなたとあなたのご主人がセッ〇〇・○○である事と、病院でキレた事と、どう関係があるというんですか?」
茹でダコ状態の唯とは反対に、躊躇なく当該ワードを連呼する斎藤。
そのたびに、唯がピク、ピクっと反応するのが、またたまらなく可愛い。
俺は生娘に興奮するようなタチじゃないが、唯のウブだったりピュアだったりする所は大好物。
調味料もタレもドレッシングも無しで完食できるほどに。
「……レ〇になったのは……私が子供ができにくい体だってわかったからなの。旦那は子供を欲しがってたから……出来ないなら意味ないだろって。それで……不妊治療してたんだけど……そのせいで、体調が悪くなる事も多くなって。今日も飛鳥さんと別れた後、うずくまってたら……通りがかった人が救急車を呼んでくれて」
「そ……そうだったんですか……」
えらくしょんぼりした雰囲気で、レ〇の経緯について話し始めたマウント女。
でも俺は、心半分にしか聞けていない。
動揺と羞恥心が全面に出た赤面顔から、同情と慈愛に満ちた女神顔へと変化していく唯を見つめるのに、夢中で。
さすがは唯だ。
恥ずかしい、照れくさいという自分の感情よりも、相手の悲しみや苦しみを自然と優先的に察知し、受け止めている。
「あの病院の医者……私に何て言ったと思う? 日常生活に支障が出る位なら、不妊治療を一旦やめたらどうですかって言ったのよ?」
「え……そ、それは……」
「その言葉のどこが問題なんです? 常識的で真っ当な提案だと思いますけど」
恐らく唯も斎藤と同じ事を思ったんだろう。
でも言わない。それを言ったら、マウント女を傷付けるかもしれないと考えているから。
「私や私の家庭の事情を、何もわかってない初対面の人間に! 簡単にやめろとか言われた事にムカついているのよ私は!」
再びテーブルをバンと叩くマウント女。
その瞳に、涙が溜まって来た。
「私は血統種としては三流で……だからせめて持ってるものを活かさなきゃと思って、見た目を磨いて来たの! それでようやく玉の輿に乗れたのに……子供を産めないなら妻として不要! レ〇なら女としても不要でしょ!? そうなったら、もうあとは捨てられ待ちじゃない!」
「大園さん……そんな事ないです! 私がご主人だったら、大園さんがただ毎日傍にいてくれるだけでいいです! だって美人は目の保養になるから! 陽のエネルギーを放出してくれる華やかな存在だから! たとえ子供がいなくても、女性として愛されていなくても、結局美人は人生得だらけなんです! だから大丈夫です!」
「いや、ちょ、唯……」
熱弁する唯には悪いけど。ここはちょっと違うんじゃないか。
『子供がいなくても、レ〇でも、ご主人は大園さんをちゃんと愛してる。容姿だけじゃなく中身を愛してる。そうじゃなければとっくに別れてる筈です。自信をもって』
とか……そんな感じでフォローするのが普通じゃないか。
いや、そういう所に関して唯に普通を求めるのは酷か。唯の生い立ちは特殊だから、
俺が思春期真っ盛りの頃、『親に愛されてない』風な悩みを吐露した時も、『愛されなくても心臓は動き続けるから大丈夫』って言うような子だし。
それに、唯は自分の容姿に昔からコンプレックスを抱いているから……。それで、今みたいな言葉が出て来るんだろうな。
「……飛鳥さんて、ホントに変わってるわよね。普通、そんな慰め方する? ていうか、ちっとも慰めになってないし」
「え!? あ、ごめんなさい! 私本当に気の利いた事が言え無くて……」
「…………あの、奥様が容姿端麗な人間は得だらけ、とお考えになっている理由はなんですか?」
「へ?」
予想通りのリアクションをするマウント女と、話を脱線させ、おかしな方向にレールを敷き始めた齋藤。
「私も、容姿以外にはさして長所のない残念な人間です。何か失敗をする度に、美人だからって何でも許されると思ってる、顔だけの無能な女、など。美人である事をネガティブに絡めたお叱りを受けてきました。正直、美人でなければもっと人生うまくいったのかも、と思う事もあります。でも奥様は……そうではない、と?」
「斎藤、今はお前の話じゃねぇから、ちょっと黙っ」
「ええと、私には美人故の悩みや苦労がわからないので……あくまで美人を羨む一個人の意見として、聞いて頂きたいんですが……」
これ以上唯を困らせてくれるな、というつもりで口を挟んだのだけど。
唯は言葉を選びつつ、斎藤を正面から見つめた。
「美人さんて、人に好かれるチャンスがすご~く多いと思うんです。お友達も恋人も出来やすいし、社会に出てからも、美人じゃない人よりも優遇されたり、助けてもらえたり……その分、妬み嫉みの被害もあるのかもしれませんが」
「まぁ、それはそうよね。認めるわ」
「でも、最初はもてはやされても、人間性や能力だと期待値以下だと、蜘蛛の子を散らすように、皆離れて行きますよ? それでも得だと?」
「それは」
「うん、まぁそれもそうよね。スタートが高得点から始まっちゃうと、あとは引き算されていくだけ……みたいな」
「あ、なるほ」
「そうなんですよ! 容姿から勝手に性格や能力を推測されて……その通りじゃないと、また勝手にがっかりして……!」
「わかるわ! 美人てだけでチヤホヤしてくるくせに、美人な上にあれもこれも出来る、ってわけじゃないと、何か勝手にがっかりされるのよね!? だから私も一生懸命料理の勉強したのよ! せめて、結婚したらいい奥さんになりそうな女って思われたくて……」
「なのにそういう苦労は、誰も見てくれてないんですよね! こっちだって、容姿だけに頼らず努力してるんですよ! 人に認めてもらうために!」
なんだこりゃ。
何やら、意気投合し始めたマウント女と斎藤。
メインで話をしていた筈の唯が、蚊帳の外状態になっている。
それに気付いた二人は、ハッとしたように唯の方を見て。
「あ……なんかごめんなさい、飛鳥さん。勝手に盛り上がっちゃって」
「こちらから訊ねておいて、失礼致しました」
でも唯は、穏やかかつ、少し悲しそうな笑顔で、応じた。
「いえ、とんでもない……やっぱり美人さんはいいですね……言い争っていても、意気投合して盛り上がっていても、何をしていても美しい……眼福です。見惚れてしまいます。ただ存在しているだけで、その場を華やかにしてくれる……」
「えっ……」
唯の言葉が意外だったのだろう。キョトンとする二人。
「ちょ、飛鳥さん、なんでこのタイミングでヨイショ?」
「ヨイショじゃないですっ。私、本当に、美人さんが羨ましくて。あ、もしよかったら、三人でこのままお茶しませんか? 大園さんにはもうスーパーでお聞きしましたが……斎藤さんにも、美の秘訣を是非教えて頂きたいです!」
「び……美の秘訣と仰られましても……」
「あ……っ、でも大園さんも斎藤さんも、さっきまで病院にかかっていたんですもんね。ごめんなさい、私ったら……早く帰って、しっかり休んだ方がい」
「わ、私は別に構わないわよ? もう眩暈も吐き気もおさまったし。なんなら小腹も空いてきたわ!」
「私も……直帰の許可は頂いていますし……元々大した怪我ではないので、お付き合いできますが……」
ん? ん? この流れはもしや……
「嬉しいですっ。じゃあ仁ちゃん……私はもう少し、お話しさせて貰ってから帰るね」
「飛鳥さん、奥様の事は私がしっかりお守りしますので、安心して社にお戻りください」
「やあね、私はもう落ち着いてるから大丈夫よ」
「……ああ、そういうことなら」
立ち上がる俺を見上げて、微笑む唯。
「ありがとう、仁ちゃん」
「……帰り、気を付けて、な」
本当は、マウント女にも、斎藤にも、まだ脅威を感じる。
でも唯は……意気投合している二人に、可能性を見出したようだ。
なら俺は、その意向を信じて、尊重しよう。
妻を愛する、夫として。
一体何を言いだすかと思えば……このマウント女。
俺は沸き上がる怒りを、必死になって抑えていた。
ガキもいる真昼間のファミレスで、何言ってんだよ。初対面の相手(しかも俺は異性)もいるっつーのに、恥ずかしくねえのかよ。
そんな事を思っているわけじゃない。
気がかりなのは、唯だ。
マウント女が触れたのは、唯にとって最も嫌悪感の強い類の話題。
思い出したくもない過去をよぎらせる、最悪なワード。
「唯……」
大丈夫か? 無理して聞かなくてもいいんだぞ。
と、言おうとして、隣に座る唯に視線を移したのだが。
唯は……小さな耳まで真っ赤にして、恥ずかしそうに俯いていた。
「あ、えと、そ、そうなんですね……っ」
かわ~~~~~~~~!!!
「あ、あの、あの、大園さん、大丈夫ですか? そんなご夫婦のプラ、プライベートな……大切な事を、こんな所で……」
「別にいいわよもうなんでも。それより、いい大人が赤面しすぎじゃない? なんだかこっちが恥ずかしくなってくるんだけど」
かわ! かわ! かわ!!
ほっぺがポッ。とかじゃなく、もう服から出てる部分全てが赤い! そしてめっちゃどもってる!
そうかそうかっ! 俺はてっきり、忌まわしい記憶を呼び起こす禁断ワードだと思ってたんだけど、そういうリアクションか!
唯が辛い想いをしてないなら何より。マウント女も許してやろう。それどころか、こんなに可愛い唯を見せてくれてありがとうと、感謝したい気持ちにすらなってくる。
「セッ〇〇・○○? どういう事です? あなたとあなたのご主人がセッ〇〇・○○である事と、病院でキレた事と、どう関係があるというんですか?」
茹でダコ状態の唯とは反対に、躊躇なく当該ワードを連呼する斎藤。
そのたびに、唯がピク、ピクっと反応するのが、またたまらなく可愛い。
俺は生娘に興奮するようなタチじゃないが、唯のウブだったりピュアだったりする所は大好物。
調味料もタレもドレッシングも無しで完食できるほどに。
「……レ〇になったのは……私が子供ができにくい体だってわかったからなの。旦那は子供を欲しがってたから……出来ないなら意味ないだろって。それで……不妊治療してたんだけど……そのせいで、体調が悪くなる事も多くなって。今日も飛鳥さんと別れた後、うずくまってたら……通りがかった人が救急車を呼んでくれて」
「そ……そうだったんですか……」
えらくしょんぼりした雰囲気で、レ〇の経緯について話し始めたマウント女。
でも俺は、心半分にしか聞けていない。
動揺と羞恥心が全面に出た赤面顔から、同情と慈愛に満ちた女神顔へと変化していく唯を見つめるのに、夢中で。
さすがは唯だ。
恥ずかしい、照れくさいという自分の感情よりも、相手の悲しみや苦しみを自然と優先的に察知し、受け止めている。
「あの病院の医者……私に何て言ったと思う? 日常生活に支障が出る位なら、不妊治療を一旦やめたらどうですかって言ったのよ?」
「え……そ、それは……」
「その言葉のどこが問題なんです? 常識的で真っ当な提案だと思いますけど」
恐らく唯も斎藤と同じ事を思ったんだろう。
でも言わない。それを言ったら、マウント女を傷付けるかもしれないと考えているから。
「私や私の家庭の事情を、何もわかってない初対面の人間に! 簡単にやめろとか言われた事にムカついているのよ私は!」
再びテーブルをバンと叩くマウント女。
その瞳に、涙が溜まって来た。
「私は血統種としては三流で……だからせめて持ってるものを活かさなきゃと思って、見た目を磨いて来たの! それでようやく玉の輿に乗れたのに……子供を産めないなら妻として不要! レ〇なら女としても不要でしょ!? そうなったら、もうあとは捨てられ待ちじゃない!」
「大園さん……そんな事ないです! 私がご主人だったら、大園さんがただ毎日傍にいてくれるだけでいいです! だって美人は目の保養になるから! 陽のエネルギーを放出してくれる華やかな存在だから! たとえ子供がいなくても、女性として愛されていなくても、結局美人は人生得だらけなんです! だから大丈夫です!」
「いや、ちょ、唯……」
熱弁する唯には悪いけど。ここはちょっと違うんじゃないか。
『子供がいなくても、レ〇でも、ご主人は大園さんをちゃんと愛してる。容姿だけじゃなく中身を愛してる。そうじゃなければとっくに別れてる筈です。自信をもって』
とか……そんな感じでフォローするのが普通じゃないか。
いや、そういう所に関して唯に普通を求めるのは酷か。唯の生い立ちは特殊だから、
俺が思春期真っ盛りの頃、『親に愛されてない』風な悩みを吐露した時も、『愛されなくても心臓は動き続けるから大丈夫』って言うような子だし。
それに、唯は自分の容姿に昔からコンプレックスを抱いているから……。それで、今みたいな言葉が出て来るんだろうな。
「……飛鳥さんて、ホントに変わってるわよね。普通、そんな慰め方する? ていうか、ちっとも慰めになってないし」
「え!? あ、ごめんなさい! 私本当に気の利いた事が言え無くて……」
「…………あの、奥様が容姿端麗な人間は得だらけ、とお考えになっている理由はなんですか?」
「へ?」
予想通りのリアクションをするマウント女と、話を脱線させ、おかしな方向にレールを敷き始めた齋藤。
「私も、容姿以外にはさして長所のない残念な人間です。何か失敗をする度に、美人だからって何でも許されると思ってる、顔だけの無能な女、など。美人である事をネガティブに絡めたお叱りを受けてきました。正直、美人でなければもっと人生うまくいったのかも、と思う事もあります。でも奥様は……そうではない、と?」
「斎藤、今はお前の話じゃねぇから、ちょっと黙っ」
「ええと、私には美人故の悩みや苦労がわからないので……あくまで美人を羨む一個人の意見として、聞いて頂きたいんですが……」
これ以上唯を困らせてくれるな、というつもりで口を挟んだのだけど。
唯は言葉を選びつつ、斎藤を正面から見つめた。
「美人さんて、人に好かれるチャンスがすご~く多いと思うんです。お友達も恋人も出来やすいし、社会に出てからも、美人じゃない人よりも優遇されたり、助けてもらえたり……その分、妬み嫉みの被害もあるのかもしれませんが」
「まぁ、それはそうよね。認めるわ」
「でも、最初はもてはやされても、人間性や能力だと期待値以下だと、蜘蛛の子を散らすように、皆離れて行きますよ? それでも得だと?」
「それは」
「うん、まぁそれもそうよね。スタートが高得点から始まっちゃうと、あとは引き算されていくだけ……みたいな」
「あ、なるほ」
「そうなんですよ! 容姿から勝手に性格や能力を推測されて……その通りじゃないと、また勝手にがっかりして……!」
「わかるわ! 美人てだけでチヤホヤしてくるくせに、美人な上にあれもこれも出来る、ってわけじゃないと、何か勝手にがっかりされるのよね!? だから私も一生懸命料理の勉強したのよ! せめて、結婚したらいい奥さんになりそうな女って思われたくて……」
「なのにそういう苦労は、誰も見てくれてないんですよね! こっちだって、容姿だけに頼らず努力してるんですよ! 人に認めてもらうために!」
なんだこりゃ。
何やら、意気投合し始めたマウント女と斎藤。
メインで話をしていた筈の唯が、蚊帳の外状態になっている。
それに気付いた二人は、ハッとしたように唯の方を見て。
「あ……なんかごめんなさい、飛鳥さん。勝手に盛り上がっちゃって」
「こちらから訊ねておいて、失礼致しました」
でも唯は、穏やかかつ、少し悲しそうな笑顔で、応じた。
「いえ、とんでもない……やっぱり美人さんはいいですね……言い争っていても、意気投合して盛り上がっていても、何をしていても美しい……眼福です。見惚れてしまいます。ただ存在しているだけで、その場を華やかにしてくれる……」
「えっ……」
唯の言葉が意外だったのだろう。キョトンとする二人。
「ちょ、飛鳥さん、なんでこのタイミングでヨイショ?」
「ヨイショじゃないですっ。私、本当に、美人さんが羨ましくて。あ、もしよかったら、三人でこのままお茶しませんか? 大園さんにはもうスーパーでお聞きしましたが……斎藤さんにも、美の秘訣を是非教えて頂きたいです!」
「び……美の秘訣と仰られましても……」
「あ……っ、でも大園さんも斎藤さんも、さっきまで病院にかかっていたんですもんね。ごめんなさい、私ったら……早く帰って、しっかり休んだ方がい」
「わ、私は別に構わないわよ? もう眩暈も吐き気もおさまったし。なんなら小腹も空いてきたわ!」
「私も……直帰の許可は頂いていますし……元々大した怪我ではないので、お付き合いできますが……」
ん? ん? この流れはもしや……
「嬉しいですっ。じゃあ仁ちゃん……私はもう少し、お話しさせて貰ってから帰るね」
「飛鳥さん、奥様の事は私がしっかりお守りしますので、安心して社にお戻りください」
「やあね、私はもう落ち着いてるから大丈夫よ」
「……ああ、そういうことなら」
立ち上がる俺を見上げて、微笑む唯。
「ありがとう、仁ちゃん」
「……帰り、気を付けて、な」
本当は、マウント女にも、斎藤にも、まだ脅威を感じる。
でも唯は……意気投合している二人に、可能性を見出したようだ。
なら俺は、その意向を信じて、尊重しよう。
妻を愛する、夫として。
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