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4.スマートな男
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――――――――――――――――――――――
―――――――――――
なぜ、こうなった?
私の目の前にはニコニコとほほ笑む専務。
さっきから、専務からの質問攻撃がやまない
「月下さんは仕事終わってから夜
何してるんですか?」
…ついこの間までは変態相手に
SMごっこしてました。
とは言えるわけもなく。
「そうですね、私はビールを飲みながら
テレビや、本を読んで時間を
つぶしていますよ?」
「お酒好きなのですか?」
「ええ、よく飲みますね。
…あの、専務私なんかとばかり喋って
面白いですか?
ほらっ私より若くて可愛い子いっぱい
いるんですから
そちらに行かれては?…専務を独占しすぎて
私あの子達の顔見れないんですけど?」
流石に若い子達の視線が痛い。
それに正直、ルックスもよくて性格もいい人って
読めないから苦手なんだよね…。
外面いいやつって必ず闇あるしね、
まぁ私も人のこと言えないんだけどさ。
「…月下さんは私が嫌いなのですね。」
さっきまでニコニコと嬉しそうに話していた男は急にしょぼんと、まるで捨て犬の様に
私を見つめる。
…遠ざける為に言った言葉が、
露骨すぎただろうか?
そんな傷つくタイプには思え
なかったんだけど…。
少し相手を傷つけてしまった罪悪感に
胸がチクりと痛む。
「あー…と、そんなことないですよ。
ただ、専務みたいな素敵な
男性になれていないだけです。」
「…素敵?…俺を素敵な男性と
みてくれているのですか?」
なぜ、そこに不安を持つ?
女性からいくらでもお声がかかる癖に…。
「…ええ。むしろ魅力的ではないと
思う人の方が少ないのでは
ないでしょうか?」
「…たくさんの女性よりも、貴女に魅力的だと
思われる方がうれしい。
俺も貴女が魅力的過ぎて
胸がどきどきしますよ。」
さっきまでのしょぼくれた捨て犬の
様な姿はどこに行ったのか、
目の前には捕食者の笑み…。
嫌な汗が流れる。
「あの、私たち初対面ですよね?」
「ふふふっ、そうですね。」
専務は楽しそうに笑う。
「なぜ?そんなに私に構うのですか?
今まで接点もなかったのに、
理由がわかりません。
「そのうち分かりますよ。…そんなことより
お酒飲みましょう。俺ここの美味しい
お酒知ってますよ?」
専務は手早く店員を捕まえ
お酒を頼んでいく。
…まぁ、こんなことも最初で最後だろうから
素直に大好きなお酒楽しんで帰ろうかな?
ミトは、楽観的気考え
勧められるがままに
どんどんお酒を飲んでいった。
――――――――――――――――――
―――――――――――
…こんなに飲んだのはいつぶりだろか?
流石に酔いがまわってきた。
そういえば、ももちゃんたちは
どこにいったのだろうか?
少し前まで男女仲良く
はしゃいでいる声が聞こえていたのに
姿が見えない。
「…皆さんですか?
先ほど二次会へ向かいましたよ。
私たちも誘われましたが、貴女が
まだここで飲みたいと言われたので…。」
…全然記憶にないのだか、
つまり置いて行かれたと。
「…すいません、道ずれにしてしまって。
夜も遅いですし流石に帰りましょうか?」
皆がいないのに専務と二人飲み続ける理由もない
さっさと帰ろう。
「謝らないでください。俺にとっては
役得でしたので。」
私はじっと専務を見つめる
私とずっと飲んでいたはずなのに
全然酔っていない…お酒強いんだ。
「…どうされました?気分でも悪いですか?」
「いや、お酒強いんだなーって」
「ああ、若い時に営業で散々飲まされたんですよ
気が付いたらなかなか酔えない
体になってました。
そしてストレスのせいか、いろんなところの
反応が鈍くなってしまって」
エリートってストレス多そうだもんな―
「大変なんだ。」
「ふふふっそうですね。でも
今日は貴女とお話が出来で癒されました。
…別れるのが惜しいですが
夜も遅いので帰りましょうか。」
専務は素早く店員を捕まえると
カードで支払いをしてしまった。
「あっ、私の分は出すのに!」
「いいんですよ気にしなくて
今日貴女を独り占めした代金だと
思ってください。」
こういうスマートなところも
人気の理由なんだろうな。
「…ありがとう。」
「ふっふっ 貴女は酔うとさらに
魅力が増しますね
とても可愛らしい。」
ミトは酔っぱらって気づいていない。
敬語という壁取り去ってしまっていることに。
「今まで何人に同じ言葉いったの?」
「こんなこと話したのは貴女が初めてですよ。」
「嘘つき。」
ミトは下から少しにらみ上げるように
言葉を吐いた。
「っつ!!」
専務はなぜか胸を押さえ
頬を赤く染めた。
「―――ああ、このままだと絶える自身がない。
さぁ、月下さんタクシー呼んだので
外に行きましょう。」
「手際がいいね…わっ!?」
ミトは椅子から立ち上がろうと腰を上げたが
すぐにバランスを崩して、
専務の方へ倒れこんでしまった。
しっかりと抱きこまれる体
胸元から香男物の香水が花をくすぐった。
「大丈夫ですか?
しばらく間支えて歩きますよ」
ほんといつの間にこんなに飲んだのかと
驚いてしまう。
とても一人で歩くのは出来ず
お店にも迷惑をかけてしまいそうだったので
大人しく専務の腕をかりた。
「…ありがとう」
「ふふっ どういたしまて」
ゆっくり、ゆっくり
専務に支えられながら、外で待っていた
タクシーへと乗り込んだ。
今までうるさかった店内にいたせいか
車内は恐ろしく静かに聞こえる。
そして、落ち着いた場所のせいか
眠気が一気に襲い掛かる。
「月下さん辛かった寝てもいいですよ?
ついたら起こしますから。」
悪魔のささやきにミトは
つい、スキを見せてしまう。
「…そうしてもらえる?」
「ええ、安心してゆっくり寝てください。」
―――目的地はどこか行っていませんけどね。
もう、限界だった
寝落ちする前、専務が何か言った気がしたが
良く聞き取ることはできなかった。
なにか、大事なことだったような
正常でない頭では何も考えられなかった。
※※※※
専務が私→俺に変わっているのは
猫をかぶっているからです。
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なぜ、こうなった?
私の目の前にはニコニコとほほ笑む専務。
さっきから、専務からの質問攻撃がやまない
「月下さんは仕事終わってから夜
何してるんですか?」
…ついこの間までは変態相手に
SMごっこしてました。
とは言えるわけもなく。
「そうですね、私はビールを飲みながら
テレビや、本を読んで時間を
つぶしていますよ?」
「お酒好きなのですか?」
「ええ、よく飲みますね。
…あの、専務私なんかとばかり喋って
面白いですか?
ほらっ私より若くて可愛い子いっぱい
いるんですから
そちらに行かれては?…専務を独占しすぎて
私あの子達の顔見れないんですけど?」
流石に若い子達の視線が痛い。
それに正直、ルックスもよくて性格もいい人って
読めないから苦手なんだよね…。
外面いいやつって必ず闇あるしね、
まぁ私も人のこと言えないんだけどさ。
「…月下さんは私が嫌いなのですね。」
さっきまでニコニコと嬉しそうに話していた男は急にしょぼんと、まるで捨て犬の様に
私を見つめる。
…遠ざける為に言った言葉が、
露骨すぎただろうか?
そんな傷つくタイプには思え
なかったんだけど…。
少し相手を傷つけてしまった罪悪感に
胸がチクりと痛む。
「あー…と、そんなことないですよ。
ただ、専務みたいな素敵な
男性になれていないだけです。」
「…素敵?…俺を素敵な男性と
みてくれているのですか?」
なぜ、そこに不安を持つ?
女性からいくらでもお声がかかる癖に…。
「…ええ。むしろ魅力的ではないと
思う人の方が少ないのでは
ないでしょうか?」
「…たくさんの女性よりも、貴女に魅力的だと
思われる方がうれしい。
俺も貴女が魅力的過ぎて
胸がどきどきしますよ。」
さっきまでのしょぼくれた捨て犬の
様な姿はどこに行ったのか、
目の前には捕食者の笑み…。
嫌な汗が流れる。
「あの、私たち初対面ですよね?」
「ふふふっ、そうですね。」
専務は楽しそうに笑う。
「なぜ?そんなに私に構うのですか?
今まで接点もなかったのに、
理由がわかりません。
「そのうち分かりますよ。…そんなことより
お酒飲みましょう。俺ここの美味しい
お酒知ってますよ?」
専務は手早く店員を捕まえ
お酒を頼んでいく。
…まぁ、こんなことも最初で最後だろうから
素直に大好きなお酒楽しんで帰ろうかな?
ミトは、楽観的気考え
勧められるがままに
どんどんお酒を飲んでいった。
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…こんなに飲んだのはいつぶりだろか?
流石に酔いがまわってきた。
そういえば、ももちゃんたちは
どこにいったのだろうか?
少し前まで男女仲良く
はしゃいでいる声が聞こえていたのに
姿が見えない。
「…皆さんですか?
先ほど二次会へ向かいましたよ。
私たちも誘われましたが、貴女が
まだここで飲みたいと言われたので…。」
…全然記憶にないのだか、
つまり置いて行かれたと。
「…すいません、道ずれにしてしまって。
夜も遅いですし流石に帰りましょうか?」
皆がいないのに専務と二人飲み続ける理由もない
さっさと帰ろう。
「謝らないでください。俺にとっては
役得でしたので。」
私はじっと専務を見つめる
私とずっと飲んでいたはずなのに
全然酔っていない…お酒強いんだ。
「…どうされました?気分でも悪いですか?」
「いや、お酒強いんだなーって」
「ああ、若い時に営業で散々飲まされたんですよ
気が付いたらなかなか酔えない
体になってました。
そしてストレスのせいか、いろんなところの
反応が鈍くなってしまって」
エリートってストレス多そうだもんな―
「大変なんだ。」
「ふふふっそうですね。でも
今日は貴女とお話が出来で癒されました。
…別れるのが惜しいですが
夜も遅いので帰りましょうか。」
専務は素早く店員を捕まえると
カードで支払いをしてしまった。
「あっ、私の分は出すのに!」
「いいんですよ気にしなくて
今日貴女を独り占めした代金だと
思ってください。」
こういうスマートなところも
人気の理由なんだろうな。
「…ありがとう。」
「ふっふっ 貴女は酔うとさらに
魅力が増しますね
とても可愛らしい。」
ミトは酔っぱらって気づいていない。
敬語という壁取り去ってしまっていることに。
「今まで何人に同じ言葉いったの?」
「こんなこと話したのは貴女が初めてですよ。」
「嘘つき。」
ミトは下から少しにらみ上げるように
言葉を吐いた。
「っつ!!」
専務はなぜか胸を押さえ
頬を赤く染めた。
「―――ああ、このままだと絶える自身がない。
さぁ、月下さんタクシー呼んだので
外に行きましょう。」
「手際がいいね…わっ!?」
ミトは椅子から立ち上がろうと腰を上げたが
すぐにバランスを崩して、
専務の方へ倒れこんでしまった。
しっかりと抱きこまれる体
胸元から香男物の香水が花をくすぐった。
「大丈夫ですか?
しばらく間支えて歩きますよ」
ほんといつの間にこんなに飲んだのかと
驚いてしまう。
とても一人で歩くのは出来ず
お店にも迷惑をかけてしまいそうだったので
大人しく専務の腕をかりた。
「…ありがとう」
「ふふっ どういたしまて」
ゆっくり、ゆっくり
専務に支えられながら、外で待っていた
タクシーへと乗り込んだ。
今までうるさかった店内にいたせいか
車内は恐ろしく静かに聞こえる。
そして、落ち着いた場所のせいか
眠気が一気に襲い掛かる。
「月下さん辛かった寝てもいいですよ?
ついたら起こしますから。」
悪魔のささやきにミトは
つい、スキを見せてしまう。
「…そうしてもらえる?」
「ええ、安心してゆっくり寝てください。」
―――目的地はどこか行っていませんけどね。
もう、限界だった
寝落ちする前、専務が何か言った気がしたが
良く聞き取ることはできなかった。
なにか、大事なことだったような
正常でない頭では何も考えられなかった。
※※※※
専務が私→俺に変わっているのは
猫をかぶっているからです。
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