異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第302話 復興とアリーオ達の帰還 後編

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一方、王都では、ゴブリン討伐の完了を受けて、活躍した者達に褒美や叙勲が終わり、多くの土地が直轄地のままになっている。ユリアリースの元に何人かの貴族が面会に訪れる
「ユリアリース女王陛下、本日は御尊顔を拝謁出来て本当に光栄に想います」
クライゼンベスト騎士爵が笑顔で挨拶をしている。重臣とカシューが騎士爵を睨んでいる
「何の為の謁見か?」
重臣が睨みながら聞くと、騎士爵の後ろの貴族達も頭を下げて挨拶をしている
「今回のゴブリン討伐の恩賞についてご相談に………」
騎士爵が笑顔で自慢気に言っていると、カシューが呆気に取られている
「既に終わっている! 帰るが良いぞ」
重臣が呆れたように言う
「多くの土地の領主が決まってない状態で復興が進みますかな? 我が家ならば大きな領地の再建も可能でございます。 それにこの者達は没落したとは言え、名門貴族の分家です………」
騎士爵が笑顔で自慢気に話している
「何を言っている? 何もせずに領地を寄越せだと? 何様だ!!」
重臣が睨みながら怒鳴る
「名門貴族の実力が解らないのか? ハッハッハッ」
その後も騎士爵が演説を続けている。騎士爵の後ろの貴族達も笑みを浮かべている

「あなた達の言い分は解りました。 それでは貴族として義務を全うしてください。 丁度国庫も乏しい状況です。 クライゼンベスト騎士爵家には、向こう10年上納金を倍納めて貰います」
ユリアリースが笑顔で言うと、カシューが苦笑いしてユリアリースを見ている
「は? 上納金を2倍!! それは無理があります!!」
「黙りなさい!! 出兵をせずに何を言ってますか!! 危機に義務を放棄して許されますか? 義務をはたさない者に権利は主張出来ないです!! そう言えば、法はどうなってましたか? 」
ユリアリースが騎士爵を見てから重臣を見て言う
「危機に協力しない貴族には取り潰しにございます」
重臣が思い出したように説明していると、騎士爵が驚いたようにしている

「その様な法は知らん!! この様な仕打ち名門騎士爵家として抗議します!!」
騎士爵が慌てて叫ぶ
「黙りなさい!! 口答えは王家に対しての反逆と取ります!! 家を取り潰されたいですか? どうしますか? 降爵して準騎士爵として… 領地の半分をめしあげましょうか? カシュー団長、証拠も集めてありますね」
ユリアリースが微笑みながら言う
「いつでも反逆者として、取り潰しも出来ます。 罪滅ぼしの為に罰は必要でしょう… 」
カシューも笑顔で言うと、クライゼンベスト騎士爵は震えている
(何故だ!! どうして交渉が出来ない? 何故? 倍なんて納めたら… どうする? このままでは、破滅に向かう… 子爵を脅して何とか資金を得るか?)

「答えよ」
重臣が睨みながら言う
「ユリアリース女王陛下… 上納金の件承りました」
騎士爵が悔しそうに頭を下げて言うと、他の貴族達も頭を下げている
「退場せよ」
重臣が睨みながら言い、騎士爵達が謁見の間を出ていく

ユリアリース達が部屋に戻り、重臣とカシューも一緒に部屋に入る
「イールス様がこの程度にするように言うから… 本当なら爵位没収なのに…」
ユリアリースが呟くと、ミネルバが頭を押さえている
「ユリアリース様、声が出ています」
ミネルバがユリアリースに耳打ちすると、カシューと重臣が頭を押さえながら苦笑いする
(イールス様の入れ知恵か… 何を企んでいる? 何をするつもりだ? 褒美までイールス様の思いのままなのか? 早く王配として国王になってくれないか?)
「何が目的か伺ってますか?」
重臣が困惑したように聞く
「借金地獄に落とすとか… 取り潰した貴族達が集まっているから、余裕は無いと言ってましたが… まとめて地獄送りと言ってました」
ユリアリースが笑顔で言う
「まとめて… やっぱり… そうなると反乱も考えなくては…」
重臣が考え込んでいる
「クライベルトン子爵家に男爵領を与えたので、子爵家に対しての脅迫も効かないと言ってました。 王都と伯爵家につながる道も確保出来ていますから、反乱ならすぐに潰せます。 伯爵家と子爵家に挟まれて勝てる訳有りません… ノートンもイールス様に鍛えられた兵士を持ってますから」
ユリアリースが笑顔で説明している
「詰んでいるか… 監視の騎士を派遣しておこう」
カシューが苦笑いして言う
「相手が悪いですな… イールス様が鍛えた兵士?」
重臣が苦笑いする
「聞かない方が身の為だな… この前従者にボコボコにされたし… あの軍は別次元の軍だ… 少し鍛えた兵士の実力が精鋭騎士に匹敵するだろう… 同行させた騎士達が目撃しているが、闘気もまとう手前ぐらいだと言っていた…」
カシューが苦笑いして説明している
「クライゼンベスト騎士爵達も何も行動を起こさなければ、こうならなかったのか?」
重臣が苦笑いして言う
「最初から何も言わなければ、手を出すなと言われてました… 早く潰したかったのに!! 何が交渉ですか? イールス様に礼を欠いて許す筈は無いです!! イールス様は救国の英雄だと言っていたのに!! 絶対に許さないです!!」
ユリアリースが声をあげると、重臣とカシューが少し呆れたように顔を見合わせている
(イールスの考えは凄いが… ユリアリース様はもう少し言いなりでなく、自分で政策を考えて欲しい… 国を動かしているのがイールスだとバレたら大変な事になりそうだが… 公爵家の後始末も…)

イールス達は、アリーオを見送った後、ケビンに地域の管理を任せて、王都に向かって進み、王都に到着すると、カシューと打ち合わせして、イールス達は迷宮に入り兵士達を鍛えて過ごしている
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