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第245話 カシュー団長 後編

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カシューはユリアリースと話す為にイールスと共にユリアリースの天幕に向かう
「ユリアリース王女様、御無事な姿を拝見できて大変嬉しく思います」
カシューが頭を下げている
「カシュー団長、会えて嬉しく思いますが… 御兄様は…」
ユリアリースがカシューを見ている
「申し訳ありません… ホブゴブリンソードマスターと思われる個体に太刀打ち出来ず、軍が崩壊しました… 生き恥を晒しています」
カシューが悔しそうな顔をして説明をしている。 ユリアリースは涙目で話を聞いている

「ユリアリース王女様、護衛を是非お任せください! 近衛兵も3人残っています」
カシューがイールスを見てからユリアリースを見ている
「護衛はイールス様です!!」
ユリアリースがカシューを睨んでいる
「しかし、何か間違いが有れば問題になりかねないと思います」
「リゼッタさんに勝てる人がいたら、考えます… 今からカシュー団長が一騎討ちしてください!! 近衛兵を付けたいなら、リゼッタさんに勝てる人を連れてきて下さい」
ユリアリースが笑顔で言うと、ミネルバが苦笑いしている
「ユリアリース王女様が言われるなら、一騎討ちさせて貰います」
カシューがミネルバを見て言うと、リゼッタが嬉しそうな笑みを浮かべている

天幕を出ると、リゼッタが嬉しそうな笑顔で訓練用の剣を持ってくる
「早速、始めるぞ!!」
リゼッタが満面の笑みでカシューに剣を渡している。カシューも剣を受け取り剣の具合を確認するように振っている

リゼッタとカシューの一騎討ちが始まると、リゼッタはカシューの剣を軽くいなしている
「この程度か? 闘気をまとえないのか? つまらないぞ」
リゼッタが笑顔でカシューを見ている
「準備運動は終わりだ! 覚悟して貰うぞ」
カシューが闘気をまとうと、リゼッタに剣で打ち込んでいる。リゼッタは闘気をまとい全部かわしている
「そろそろ終わらせるぞ」
リゼッタがつまらなそうに剣を振り抜き、剣はカシューの腹を凪払い、カシューが弾き飛び地面を転がっていく

「馬鹿な… 全く捉えられないなんて… これ程の実力者が居たとは…」
カシューが起き上がりながら言う
「本気でかかってこい!! まだまだ足らないぞ」
リゼッタが嬉しそうにカシューを見ている

何回かカシューが弾き飛ばされて、痛そうにしながら立ち上がる
「カシュー団長、これでも護衛が不十分と思いますか? 直ぐ後ろにはイールス様の部隊もいます」
ユリアリースが笑顔でイールスの隣で言う
「ユリアリース王女様… これ程の実力者を護衛に付いているなら安心も出来ますが… 近衛兵は近くにおいて下さい…お願いします。 1人だけ強くても何か有れば問題です」
「イールス隊がいるぞ!! それに自分よりも強いのが48人直ぐ近くにいるからな!!」
リゼッタが笑っている
「イールス様の部隊がいれば、安心できます」
ユリアリースが笑顔で言う
「は? このクラスがそんなに多く… 冗談では?」
カシューの顔が引き攣っている
「後でイールス隊の訓練を見たら解るぞ!! あの訓練を見ていたら、全員鍛練は欠かさないからな!!」
リゼッタが嬉しそうに話している
「イールス様の勇姿楽しみです」
ユリアリースが満面の笑顔で言う
「は? イールス様の… 」
カシューがイールスを見て苦笑いする
(ユリアリース王女様の顔… まさか… イールス殿に恋を… まずいぞ…他国の男を連れて帰ったと噂になったら…)

イールスが鍛練を始めると、カシューが3人の女性騎士を連れて来て、イールス隊の鍛練を見学に来ている
「見学も来たから、今日は気合いを入れて打ち合うよ! 未熟者の半人前程度の実力を伝えるよ」
イールスが笑顔で言うと、ロイド達が苦笑いする
「イールス様、そろそろ未熟者の半人前はやめて下さい… 諦めていますが」
ロイドが苦笑いして言うと、クレオとリシアとバロンが笑っている
「未熟者の半人前ですから、騎士様なら軽く負ける程度の実力しか有りません! 始めるよ」
イールスが笑顔で言うと、闘気をまとっている

兵士が全員が闘気をまとい、イールス目掛けて次々と立ち向かっていくと、イールスはかわしながら次々と弾き飛ばしている

「は? 闘気を全員まとっている… 剣の太刀筋も早い……」
カシューが呆然としていると、ベルオスとディオルバルクがカシューに近付いている
「イールスは常識知らずだから、この事は内緒にするように」
ベルオスが笑顔でカシューを見ている
「は? 常識知らず…… ポーションの件も…そうだったが… ライゼーラもう少し説明が必要だぞ… 」
カシューが呆然と呟いてからベルオスを見ている
(この者何者だ? 隙が無い… かなりの使い手だな…)
「イールスの説明なんて無理だろう! 鍛練の鬼だからな… 自分の出来る事は誰でも出来ると言うぐらいだが、常識を知らなすぎる… 兵士もイールスの影響で鍛えられ過ぎている」
ベルオスが苦笑いしている
「は? 常識を知らない… 良いのか? 隊長なら副官が諌めなくて… この部隊は何を考えているのか?」
「誰が諌められるか? 誰も止めることが出来た無いぞ! ディオルバルクがもっとしっかり強いと宣伝してくれれば良いが…」
ベルオスがディオルバルクを見ている
「カシュー団長、今の内に話しておきたいが… イールス様は王国一の剣の腕と国王陛下からも手に追えないと言われるぐらい常識が通用しない! ほとんどが国家機密の人だと思って欲しい! 何か始めたら、注意だけはして欲しい… なるべく貴族を近付けない様にして欲しいが… 何故か令嬢が集まるから、パーティーには気を付ける様に王家から通達が来ている」
ディオルバルクが苦笑いしながらカシューと話している。 カシューが話を聞きながら失笑している
(何か訳解らないが… 周囲から常識知らずと剣の腕がすごいのは解った… それに出征軍の重鎮なのも解ったが… 本当に何者だろうか? 国家機密の塊になるにはどうしたら… まさか、王族の一員か?)

「そろそろ汗もかいたから、本気で打ち合うよ! ロイド、グラン、ベルンかかってこい!!」
イールスが笑顔で言うと、ロイドとベルンとグランが闘気をまとい連携して、イールスと打ち合いを始めている。カシューがあまりの速さに目を見開いている

3人を弾き飛ばす
「カシュー様、どうでしたか? 軽く汗をかきますか?」
イールスが笑顔でカシューを見ている
「は? 」
カシューが呆然とイールスを見ている
「イールス、そろそろ御飯だろ? 今日はこのぐらいにしたらどうだ? この近衛兵達も立ち尽くしているだけになっているぞ!」
ベルオスが笑顔で言う
「ベルオス様が言われるなら、今日はこのぐらいにします。 グランは義勇兵と鍛練をしてきてね」
イールスが笑顔で言う

「カシュー団長、この兵士達を越える護衛がいますか?」
ミネルバがカシューに近付いて聞く
「は? 無理だろう…こんな鍛練を見せ付けられたら…」
カシューが苦笑いしている
「近衛兵は預かりますが、下積みから始めます。 この影響で女性騎士達の鍛練もハードになっています」
ミネルバが微笑みながら言う
「は? この影響で… 」
「リゼッタさんの許可を得るためには、女性騎士達と同格の実力が必要です。 ここまで来るまでにどんどん強くなってますから… リゼッタさんの鍛え方も尋常ではないです」
「は? リゼッタ殿の… この軍は頭が可笑しいのか? 鍛練をするにもこの鍛練を続けられないぞ!! 警戒が疎かになるぞ!」
「事実だけに文句は言わないでください。 イールス様の頭に不可能は無いと思います」
ミネルバが微笑みながら言うと、3人の女性騎士を連れていき、カシューが立ち尽くしている
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