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第197話 アリシナとクレーシアのパーティー 後編

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「イールスと申します。お見知りおきしていただければ大変光栄に思います」
イールスが部屋に入ると、2人の夫人とグレイスが待っている。イールスが丁寧に挨拶をしていると、2人の夫人が不満そうにイールスを見ている

「イールス、アリシナとクレーシアの元気が無かったのは何故ですか?」
アリシナの母親がイールスを睨んでいる
「申し訳ありませんが…国家機密にされていますので、ここでお伝えは不可能です。 セーレン様が国王陛下から許可を得てアリシナ様とクレーシア様にお伝えしましたが…大変申し訳ありません」
イールスが頭を下げながら言う
「国家機密…国王陛下が絡んでいるなんて…」
クレーシアの母親が驚いている
「国家機密…素性も何もかも国家機密…」
アリシナの母親が頭を押さえている
「あの様子イールス絡みの事だとは思ったが…ブライゼナス様より軍を起こす事を禁じられたのは…」
グレイスがイールスを見ている
「御想像にお任せします…」
イールスが頭を下げたまま言う

グレイス様鋭い…話す訳にいかないのに…どうしよう

「グレイスどういう事ですか!!」
クレーシアの母親がグレイスを睨んでいる
「想像ですが、イールスも出征すると思われます。 イールスが出征の軍を起こすと、セルメリア侯爵家とルーゼント伯爵家が軍を起こす為、バーランムーア侯爵家の軍力を越えてしまい、大変な事になりかねないと言う事です…ブライゼナス様も相当不満を顕にしていましたから…」
グレイスが苦笑いしながらブライゼナスの様子を伝えている

「出征ですか!! それなら…あの様子も…断れないのですか?」
アリシナの母親が慌ててイールスを見ている
「国家機密なので…何もお伝え出来ません…大変申し訳ありません」
イールスが申し訳なさそうに頭を下げている
「何故? 若い人を出征させるのですか? 軍も起こせないなんて…許せませんわ」
クレーシアの母親が怒りを顕にしている
「噂にならないように、王家がしているのでしょう…それに王立学院襲撃の目的がイールス暗殺と判明もしています…イールスの身を隠させる為でも有ると推測されますが…超一流の剣士と知られていますので、戦力として見られていると思われます…」
グレイスが慌てて説明をしていると、アリシナとクレーシアの母親が怒りを押さえたようにイライラしている
(子供を出征? 軍も起こせないなんて何を考えていますの!! 王妃様に直接伺っていますわ!! アリシナの幸せを奪うなんて許せませんわ!!アリシナの笑顔はイールスのお陰ですのに!!)

イールスとセーレンが屋敷に戻ると、メサリアとアーメリアが待っている
「メサリア様、アーメリア様、帰りが遅くなり大変申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしながら頭を下げている
「イールス、アリシナさんとクレーシアさんは喜んでいましたの?」
メサリアが笑顔でイールスを見ている
「コートは喜んで貰いましたが…」
イールスが少し暗い顔をする
「エリーゼマリーナちゃんに頼まれて、イールスの出征の話をしましたわ…結構動揺してましたわ…」
セーレンが説明をしている
「え! アリシナさんとクレーシアさんの誕生パーティーに伝えましたの? 」
メサリアが不満そうに言う
「援軍も不可と伝えましたわ…直前になって伝えるよりも良いですが…相当心配してました…」
セーレンがアリシナの様子を伝えている
「セーレン様、場を考えた方が良かったですわ… エリーゼちゃんの策略ですね…牽制のつもりでしょうか…」
アーメリアが考え込んでいる

「実は、グレイス様に出征の事がバレています…ブライゼナス様の不機嫌と各家に伝えられた、軍を起こす事の禁止から想定されたみたいです…」
イールスが説明をしている
「グレイス様も中々考えてますね…イールスの副官になって欲しいですね」
アーメリアが考え込んでいる
「副官の件はクーセスさんに声を掛けますわ! フレシカさんの御兄様ですから信用が出来ます」
セーレンが笑顔で言う
「クーセスなら信用は出来ますわ! 結構口も固いですの」
メサリアが笑顔で言う
「アリーオとも直接話せるから、都合が良いですわ」
セーレンが笑顔で言う
「イールスの回りに良い人材が集まりましたわ…しかし、若すぎますわ…相談の出来る人も必要ですね…」
アーメリアが心配そうにしている
「相談できる…」
イールスが考え込んでいる

親ぐらい離れている人はいないかな? 何か有った時に相談が出来る人…

「シリカローレンさんに相談しますか? ビーレルバウム家なら騎士を辞めた人を派遣できるでしょうから…」
アーメリアが考えている
「あ! 隠居!! 1人当たってみます…クレオとリシアの孤児院に隠居の人がいます! 結構博識で色々相談も出来ます」
イールスが笑顔で説明している
「イールスが相談できるなら良いですわ! クレオさんとリシアさんにも会ってみたいですのーーー」
メサリアが笑顔で言う
「隠居? 博識…イールスその人に色々相談していたのですか?」
アーメリアが考えている
(もしかして、イールスに剣術を教えたのはその人ですか? それならば相当な実力者では? 剣豪を倒す実力者を育てられるのは…イールスの人脈を楽しみにしておきます…)

「ゴブリンを倒した時震えが止まらなかったとか…その時に相談しました」
イールスが考えながら説明している
「震えが…信用しているなら良いですね」
アーメリアが微笑みながらイールスを見ている
「ディオルバルクさんも兵役とされれば、相談できる人に出来ます」
イールスが笑顔で言う
「何気に相当な陣容になってないですか? ディオルバルクまで側近にするなんて…罪が無ければ、雇う事も出来たのに…」
アーメリアが考え込んでいる
「イールスの護衛になれば、安心できますのーーー アリシナちゃん可哀想ですから、お茶会に招待しますのーーーーオリフィーネちゃんも可愛いですのーーー」
メサリアが笑顔で言う
「こんな時にお茶会ですか? メサリアは…」
セーレンが呆れ気味に頭を押さえている

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