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第189話 出征の準備開始 後編

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騎士団の本部を出ると、1度屋敷に戻り、すぐに馬車で商会に向かい、ジエルに御者の手配準備を御願いしてから、セルメリア侯爵家に向かう
「イールス様、御来訪歓迎します。旦那様より伺っています。どうぞこちらへ」
執事がイールスの顔を見て笑顔で言うと、侍女が出てきて、イールスを案内していく
「ブライゼナス様、本日は御尊顔を拝見できて光栄に思います」
イールスが部屋に入ると丁寧に挨拶をしている
「イールス挨拶はよい! 座れ」
ブライゼナスが笑顔で言うと、ソファーにイールスが座る
「用件はいくつか有るが、出征に兵士を預けられず…王命では仕方ない」
ブライゼナスが苦笑いしている
「その件で頼みたい事が有ります。 実は荷馬車の食料等の件で、騎士爵家の町で合流を計画したいと思っています。先程クレストファー隊の副官ウィール様と話していました」
イールスが説明している
「そんな事か? すぐに手紙を送っておく…クレストファー隊の副官が王都に残っていたとは…流石はクレストファーだな…副官に伝えて話し合いもさせておくぞ」
ブライゼナスが笑顔でイールスを見ている
「感謝します。令嬢様に御願いに参る必要が無くなりました」
イールスが頭を下げている
「令嬢にか? そうだな…騒ぎになるぞ! 止めておけ! 王家も怖くて発表をギリギリまでしないつもりだ!! イールスが出征等この間のパーティーの参加者から文句が多く出るぞ!! それもユリアリース王女殿下の嘆願とは…もめるぞ」
ブライゼナスが笑いながらイールスを見ている
「そんな大事になりますか?」
「やはり自覚無しか? ディオルバルクの件は今朝公爵から調査の共有を求められた…ディオルバルク隊の部下達の証言や副団長の証言で決まるだろう…ディオルバルクまで手中に収めるとは…本当に困った実力者ばかり集めそうだ!! イールスが絡むと周囲が大変な事になるからな!!」
ブライゼナスが笑いながら言う
「最善を尽くしているだけです」
イールスが頭を下げている
「ブライドルと会っていけ! たまには手伝うように伝えてくれ! 本当に困った相手を見付けてくれて…侍女も執事も兵士もみんな困っているぞ!! 仕事をしろと言ったら、温室の仕事を手伝うと言う始末だからな!」
ブライゼナスが笑いながらイールスを見ていると、ブライドルとフィーネリーゼが入ってくる

「友よ!! 待っていたぞ」
ブライドルが笑顔でイールスを見ている
「ブライドル様、本日もお元気そうな姿を拝見できて嬉しく思っています。フィーネリーゼ様、本日も美しいお姿を拝見できて本当に嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス君、温室を見ますか?」
フィーネリーゼが笑顔でイールスを見ている
「イールス行くぞ」
ブライドルが笑顔で言うと、ブライゼナスが爆笑している
「庭弄りの格好で来て、温室に一緒に行くのか? これだから全く仕事をしない」
ブライゼナスが笑いながら言う
「この格好変ですか? 着替えるのも時間掛かります…イールス君」
フィーネリーゼが笑顔で聞く
「いつも通りです」
イールスが笑顔で言う
「友よ! 行くぞ」
ブライドルが笑顔で部屋を出ていき、フィーネリーゼが笑顔でイールスを見ている
「イールスゆっくりしていけ」
ブライゼナスが笑いながら言うと、イールスが挨拶をして部屋を出ていき、温室に歩いていく

イールスはブライドルとフィーネリーゼと温室で話をしている。ブライゼナスが覗きに来ると3人で話しながら庭弄りしているのを見て微笑んでいる
「ブライドルに弟が居たら、こんな感じなのだろう…本当に仲良しだな…妻が生きていたらどんなに喜ぶか…あのブライドルがあんなに心を開くなど今までに無いから…」
ブライゼナスが呟きながらニヤニヤしている

日が暮れると、イールスは屋敷に戻る
「ヘルクドール様、アーセリオドール様、メサリア様、アーメリア様、帰りが遅くなり大変申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「今日は忙しそうだったな…」
ヘルクドールがイールスを見ている
「クレストファー様の副官ウィール様と打ち合わせとブライゼナス様に荷馬車の件で相談をしていました」
「もう始めていたのか? 手が早いな…人員集められるのか?」
アーセリオドールが驚いている
「商会に寄って、ジエルさんに頼んでおきました」
イールスが笑顔で説明している
「本当に1人で全部準備をしそうだな」
アーセリオドールが苦笑いしている
「イールスですの!! 何でもすぐに始めますわ!! のろまのアリーオと違いますわ」
メサリアが笑顔でイールスを見ている
「アリーオ様に仕返し必要ないと伺いました。本当に感謝します」
イールスがメサリアを見ている
「アリーオが泣いて謝りましたわ!! 今日はシンシリアとエリーゼちゃんの番ですのーーーー明日はアーメリアと一緒に行きますの」
メサリアが嬉しそうに説明していると、ヘルクドールとアーセリオドールが頭を抱えている
(アリーオを泣かせた? やり過ぎではないのか? どうするつもりだ…それもシンシリアまで参戦しているのか? イールスを敵に回したくないな…)
「人を雇う資金はどうするつもりだ? 足りるか?」
ヘルクドールがイールスを見ている
「資金ですか? なるべく安く雇いますが…本日メデル様より4000枚受け取りましたので、バロン達と山分けして…1000枚残るか…後今日魔法のランプ完成しました。買取価格も結構貰えそうです」
イールスが笑顔で魔法のランプを魔法の鞄から出している
「は? 魔法のランプ…家宝物だぞ…」
ヘルクドールが驚きながら魔法のランプを見ている
「イールスですのーーーー魔法のランプを作りましたのーーーー プレゼントしたらみんな喜びますのーーーーー」
メサリアが嬉しそうに叫び、アーメリアが考え込んでいる
(こんな物まで作れるのですか? 金貨何枚ぐらいの価値ですか? イールス解ってますか? メデル様にも聞いておいた方が良いのでしょうか?)
「イールス、自重はどうした!! 目立ちたいのか!!」
アーセリオドールが慌てて叫び頭を抱えている
「バウルトリア様の依頼ですから」
「バウルトリア師の…イールスやり過ぎだけは止めてくれ…」
ヘルクドールが苦笑いしている
「やり過ぎ? 預かっている分の準備が終わったら、全部完成させます」
イールスが笑顔で言う
「イールス本当にやり過ぎないか?」
ヘルクドールが心配そうにイールスを見ている
「依頼分ですので、頑張ります」
イールスが笑顔で言うと、ヘルクドールが考え込んでいる
(本当に依頼分だけなのか? イールスの言葉は信用が出来ない…)
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