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第184話 王宮からの呼び出し 前編

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翌日、魔法のランプの準備をしながら過ごしていると、メサリアに呼び出され、応接室に入る
「メサリア様御用と伺い参りました。 本日も美しい姿を拝見できて本当に嬉しく思います。セーレン様、本日も美しい姿を拝見できて本当に嬉しく思います」
イールスが頭を下げながら丁寧に挨拶をしている
「イールス、国王陛下から呼び出しです。 王宮に向かいますわ」
セーレンがイールスを見て言う
「国王陛下からの呼び出し? 何かしましたか? 責任取って冒険者になります」
イールスが頭を下げながら言う
「イールス、どれだけの事をしたのか解ってますか? どの件か聞いてません…イールスを連れてくる様にとの事です」
セーレンが呆れ気味に言う
「行きたくないです」
イールスが凄く嫌そうに言う
「勅命ですから、兎に角向かいますわ」
セーレンが少し呆れながら言う

王宮に向かうと、ヘルクドールと公爵が待っている部屋に侍女の案内で通される
「公爵様、本日も御尊顔を拝見できて本当に嬉しく思います。ヘルクドール様、御尊顔を拝見できて本当に嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしていると、セーレンが呆れ気味に見ている
「イールス…等々国王陛下からの呼び出しか…何をした?」
ヘルクドールが苦笑いしている
「何もしてないと思いますが…責任を取って冒険者になります」
イールスが頭を下げながら言うと、公爵が頭を押さえている
(呼び出されたのはどの件か? 何もしてないと言われても…どれだけの事をやったのか…どの件で呼び出されても仕方無いだろ? 騎士団の件が一番あり得そうな…はぁ…)

侍女の案内で部屋に行くと、国王陛下と王妃様と王太子夫妻が待っている
「国王陛下、本日は御用と伺い参上しました…」
ヘルクドールが頭を下げながら挨拶を始めると、公爵とセーレンも挨拶を終わらせ、イールスも丁寧に全員に挨拶をしている
「イールス、噂は聞いていますが…ユリアリース王女様を助けた冒険者カルスは、あなたですね」
王妃が微笑んでいる
「当然の事をしただけです」
イールスが頭を下げている
「当然の事を? 褒美を受け取らない事も当然の事か?」
王太子がイールスを見ている
「当然の事ですから、御礼の言葉を頂き本当に光栄に思っております」
イールスが頭を下げながら言う
「褒美を受け取らないのは何故だ?」
「褒美など必要有りますか? 変わりに同じように困っている人に手をさし出して欲しいと思いますが…」
イールスが頭を下げながら説明している
「イールス、1国の王族を救い、更に無事に到着出来なかったら、我が国の恥となる所だったのだぞ!! それでも褒美を受け取らないのか? ユリアリース王女殿下も相当困っていたぞ」
国王がイールスを睨みながら言う
「国王陛下、私の様な下賤な身の未熟者に褒美など恐れ多いと思います。 王女殿下様より、既に御礼のお言葉を頂いております。 それだけで十分光栄な事です…」
イールスが頭を下げながら説明している
「しかしな…王家の恥となりかねない」
「ユリアリース王女殿下の事を公にすれば、それこそ王家としての恥となります…元々護衛を失敗しているのが問題です…」
「は! ………」
国王が言葉を詰まらせて考え込んでいる

「返す言葉が無いですね…流石はイールス、本当に良い男ですね」
王妃が微笑んでいる
「イールスだからこの程度の事で褒美は受け取らないと言ったのに…王家の名誉に傷が付くと言っても、この件を公に出来ないのは、王家としての失敗が有ったのだから…」
王太子が苦笑いしながら国王を見ていると、王妃と王太子が国王と相談をしている。ヘルクドールが頭を抱えている
(国王陛下に言い返した? 良いのか? おーい、イールス自重してくれーーーーー)

「イールス、褒美の件は…後日相談をしたいと思うが…」
バウルトリアが話をまとめてからイールスを見て言う
「下賤な身の未熟者に褒美など必要有りません…御迷惑を御掛けしたなら責任を取って冒険者になりたいと思っています」
イールスが頭を下げていると、国王も少し呆れ気味にイールスを見ている

国王が侍女に何か伝えると、扉が開きユリアリースとミネルバが入ってくる
「イールス様、お会いできて嬉しく思います」
ユリアリースがイールスを見ている
「ユリアリース王女殿下、本日も御尊顔拝見できて大変光栄に思います」
イールスが慌て気味に丁寧に挨拶をしている

ユリアリース様まで…面倒な事になりそうだな…どうしたら? 全力で回避しないと…

「イールス様、本当にお会いしたかったです」
ユリアリースが満面の笑顔でイールスを見ている
「ユリアリース王女殿下、褒美の件は今しばらく待って貰いたい」
国王がユリアリースを見て言う
「え? 何故ですか? イールス様に御礼を尽くしたいと思っております」
ユリアリースが慌てて国王を見ていると、バウルトリアが説明をしている

「国王陛下、実は援軍と共に帰国する際の護衛がおりません…イールス様に御願いをしましたが、断られてしまい、困っております」
ユリアリースが笑顔で国王を見ている
「イールスよ、何故断ったのか?」
国王がイールスを見ている
「大変申し訳有りませんが、下賤な身の未熟者です。 まだまだ学ぶ事が多く、他国までの護衛の任務私等では務まりません…」
「これ程名誉な事は無いだろう?」
「冒険者になりますので、名誉も名声も必要ないです。御辞退申し上げます」
イールスが頭を下げながら説明していると、ユリアリースが少し嬉しそうにイールスを見ている
(国王陛下がイールス様の説得をしてくれます!! これで連れて帰れます)

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