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第183話 レメルノリアの暴走

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迷宮鍛練を毎日して過ごして、休息日にバロン達に集まって貰い、集合場所の食堂に入る
「カルスさん」
クレオが入ってきた、イールス達を見て言うと、リシアとバロンとレメルノリアとキャリーアルノがイールスを見ている
「もう集まっていたの? 」
「迷宮に向かうよりも、遅いので早く来てしまいました」
クレオが笑顔で言うと、イールス達もクリオ達のテーブルの方に行く

「今日はどのような用件ですか? 」
バロンが笑顔で聞くと、みんなイールスを見ている
「クレオもリシアもそろそろ孤児院を出ないと行けないのかなと思って」
イールスがクレオとリシアを見て言う
「え! 知っていたのですか? 」
クリオが驚いたようにイールスを見ている
「自立しているからね…相談なんだけど、この場所は治安は良いかな?」
「この付近は治安が良いですが…その分家賃は高くなります」
バロンが考えながら説明している
「ここの4階使ってね」
イールスが笑顔で言う
「は? 使ってね? …」
バロンが驚いて護衛を見ている
「既に契約済みです。 案内します…」
護衛がバロンを見て言う
「は? …それが用ですか? ここに住めと言われれば、そうしますが…」
バロンが苦笑いしている
(契約済み? 決定事項なのか? クレオ達に拒否権は? …)

食堂の主人に挨拶をしてから、鍵を受け取り、裏の階段から4階に向かい、4階の鍵を開けてから各部屋を見て回っている
「良い部屋ですけど、高そうです」
リシアがイールスを見て言う
「最低限の家具とテーブルは用意して貰ったけど、高く無いよ…分け前の買い取り価格もまだ決まってないし… 必要なら金貨1000枚ぐらいなら用意して貰うから…」
イールスが少し申し訳なさそうに言う
「え!! きききき金貨1000枚!! そんな大金あり得ないです!!」
リシアが大声で叫ぶ
「そのぐらい稼いでいると思うけど」
イールスが考え込んでいる
「リシア、クレオ、カルス様だから、金銭感覚もカルス様に合わせるように…上級ポーションを普段使いする人だぞ」
バロンが慌ててクレオとリシアに説明していると、クリオとリシアが落ち着きながらイールスを見ている。レメルノリアとキャリーアルノがイールスを呆然としながら見ている

バロンとリシアとクリオが使う部屋を決めて、鍵を受け取っていると、イールスが2部屋の鍵をレメルノリアとキャリーアルノに差し出している
「え! 私達の分も」
レメルノリアが驚いて叫ぶ
「クリオとリシアとバロンが世話になっているし、良かったら使って下さい」
イールスが笑顔で言う
「しかし、この意味は…」
レメルノリアが考え込んでいると、キャリーアルノが不安そうにレメルノリアを見ている
(この意味は…囲うと言うことなら…断らないと…しかし、ポーションの代金も有るから…キャリーだけは、助けないと…)
「どうかしましたか? この頃毎日鍛練に行っているので、中々稼げないで申し訳ないです。是非受け取って下さい」
イールスが頭を下げて言うと、レメルノリアが決心したように鍵を受け取り、キャリーアルノも鍵を受け取っている
「この後時間は有りますか? もし良ければ、この後…少し時間を…準備も有るので…食堂で待っていて欲しいです」
レメルノリアが赤くなりながらイールスを見て言う
「何か相談事ですか? 多少なら時間は有ります」
イールスが笑顔で言うと、レメルノリアと約束して、建物を後にする

イールスはリシリアと町中を散策して、食堂に戻り、キャリーアルノが呼びに来るのを待っている
「カルス様、部屋で御姉様が待っています」
キャリーアルノが緊張したようにカルスを見ている
「解りました、リシリア行くよ」
イールスが微笑みながら言う
「リシリア様はお待ち下さい」
キャリーアルノが慌てた様に叫ぶと、リシリアが驚いている
「リシリアが居たら話せない内容ですか?」
イールスが驚いたようにキャリーアルノを見ている
「え? はい…」
キャリーアルノが驚いたように言う
(何を考えているのですか? 妹様を連れて一緒に出来ないでしょう…え? もしかして…その気が無いのですか? 御姉様はその気でも…もしかして…)

キャリーアルノと4階の部屋に向かうと、イールスが1人で部屋に入り、レメルノリアが真っ赤になりながら立っている
「カルス様」
レメルノリアがイールスを見詰めながら呟く
「レメルノリアさん、何か相談事ですか?」
イールスが笑顔で聞く
「こちらへ…」
レメルノリアが緊張したように言うと、イールスにベットに座るように言っていると、イールスが疑問そうにベットに座る

レメルノリアがワンピースを脱いで、イールスが慌てたように目線を反らしている

え? 何故服を… どうしたら? 止めないと…

「イールス様、初めてなので…うまく出来ないと思いますが…どうかキャリーだけはお見逃しを…」
レメルノリアがイールスに抱き付きながら言う
「レメルノリアさんちょっと待って下さい!!」
イールスが慌てた様に叫び逃れようとすると、レメルノリアともつれる様に床に倒れると、イールスがレメルノリアの上に乗っかる様になっている
「カルス様…お好きに」
レメルノリアが目を瞑っている
「え! ごごごごめんなさい」
イールスが慌てて立ち上がり、レメルノリアから離れている
「まさか…キャリー目当てだったのですか? キャリーだけは…」
レメルノリアが驚いたようにイールスを見ている
「何を勘違いしているのですか!! どうしてこうなるのですか?」
イールスが慌てて叫ぶと、キャリーアルノが入口から見ている
「キャリーごめんなさい…2人で…それが望みの用です…」
レメルノリアがキャリーアルノを見て言うと、キャリーアルノがレメルノリアを見て苦笑いしている
(これって、カルス様にその気が無いだけでは…御姉様の早とちりでは…どうしたら?)

キャリーアルノが部屋に入ると、レメルノリアの横に座る
「カルス様…この部屋の意味は何ですか?」
キャリーアルノが苦笑いしながら聞く
「え? バロン達と仲良くしてくれているから…それに部屋も余っていただけです!」
イールスが慌てた様にレメルノリアを見ないようにしながら説明している
「御姉様は、カルス様が囲う為に用意したと思っています。 御姉様はそれを受け入れたと今日示す為に…それを拒否されたので2人で無いと満足しないと思ったようです」
キャリーアルノがイールスを見ながら説明している
「え? そんな事考えてなかったです」
イールスが慌て気味に否定していると、レメルノリアが呆然とイールスを見ている
「やっぱり…紳士なカルス様です…御姉様の妄想で御迷惑をお掛けしました…」
キャリーアルノが頭を下げながら言う
「え? カルス様…妾にする為ですよね?」
レメルノリアが信じられないようにイールスを見ている
「兎に角先に服を着て下さい! 目のやり場に困ります」
イールスが慌てて言うと、レメルノリアが真っ赤になりながら、慌てて服を着ようとしている

レメルノリアが服を着る
「カルス様、本当に妾のためで無いのですか? 何の得が有るのですか?」
レメルノリアがイールスを見ながら言うと、キャリーアルノもイールスを見ている
「え? だからクリオとリシアとバロンと迷宮に向かうなら、一緒にいた方が良いですよね? それにここなら生活費に困らないですよね?」
「は? …何の得が…」
レメルノリアが理解できない様に考え込んでいる
「御姉様…カルス様は変わっているのだと思います…完全な善意しか考えてないと思います…損得感情も何も考えてなく、ただの善意しか無いのだと…」
キャリーアルノがレメルノリアを見ている
「は? 善意だけ? そんな人は居ないです」
「目の前に居ます」
「絶対に下心有ります!! 無い人なんてあり得ません」
レメルノリアとキャリーアルノが言い合いを始めていると、イールスが2人の会話を聞いている

レメルノリアさんは誰も信じてないのか? キャリーアルノさんは理解してくれたのかな? バロン早く帰ってこないかな? 面倒だから兎に角丸投げしたい…
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