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第170話 帰宅

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イールスとセーレンが帰ろうとする
「友よ! 温室を見に来てくれ」
ブライドルが笑顔でイールスを見ている
「ブライドル様、少しお願いが有るのですが…」
イールスが思い付いたようにブライドルを見ている
「イールスの頼みごとか? 何でも話してくれ」
ブライドルが笑顔で言うと、イールスが小声で伝えているとブライドルが真剣な顔になっている
(ディオルバルク・ランドルセイルバウムの手配の件か…もし不正で犯人にされているなら、国家としての損失だな…公爵家側に知られる前に調査が必要か? 御父様ならすぐに調べられるな…)

「イールス、御父様に調べて貰うぞ! そのぐらい簡単だろう…副団長を牢屋送りにしたのだから」
ブライドルが笑いながら言う
「イールス、何を企んでいるのですか? 自重して下さいね…フィーネリーゼ様、自重の意味をイールスに教えてあげて下さい」
セーレンが諦めたように言うと、フィーネリーゼを見ている
「自重の意味を? イールス君、自重の意味は知ってますか?」
フィーネリーゼが微笑みながら聞く
「フィーネリーゼ様解ってます………」
イールスが笑顔で説明している
「知っていますよね、何故教えるのですか?」
フィーネリーゼが微笑みながらセーレンを見ている
「すぐに解ります。イールスの自重の無さを…襲撃事件の黒幕を1日で捕まえて、平然と未熟者と宣言するのですから…既に騎士団もイールスに関わらない様にしています」
セーレンが呆れながら言う
「イールス君、凄いです。 先日の王立学院襲撃事件を解決したのですか!! 安心できます」
フィーネリーゼが満面の笑顔でイールスを見ている
「イールスは凄いだろ? 友として嬉しいぞ」
ブライドルが満面の笑顔で言う
「はい! ブライ様」
フィーネリーゼが笑顔で言うと、セーレンが頭を押さえている
(ブライドルは解ってましたが…フィーネリーゼ様も似すぎています…イールスに関わらせたら、後が面倒な事になりそうです…似た者同士が集まると…はぁ…………変な想像しか思い浮かばない…温室大丈夫ですか?)

イールスが屋敷に戻ると、ヘルクドールとアーセリオドールとアーメリアとメサリアが待っている
「ヘルクドール様、アーセリオドール様、メサリア様、アーメリア様帰宅が遅くなり申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしていると、セーレンが微笑みながら見ている
「男爵はどうなった?」
ヘルクドールがイールスを見ながら聞く
「予定通り、鉱山に軟禁して貰います」
イールスが頭を下げながら説明している
「それなら良いが…何か問題は無いのか?」
アーセリオドールが心配そうに聞く
「実は…予定外の事が有りました…フィーネリーゼ様が受け取られていた褒美に、王太子妃様の手紙と紋章と宝石が入っており、借金が完済してしまいました」
イールスが苦笑いしている
「それは良いことでは無いのか?」
ヘルクドールが呟く
「男爵を借金返済の為に鉱山送りにするつもりが…完済されてしまい…商人に頼んで送り込みましたが…予想外過ぎて…」
イールスが説明している
「イールスが負けましたの…悲しいですのーーー」
メサリアが悲しそうに言うと、アーメリアが呆れぎみにメサリアを見ている
「その程度なら良いだろう…不利益は無いのだろ?」
アーセリオドールが笑顔でイールスを見ている
「無いですが…手紙の内容でフィーネリーゼ様に色々知られたと思います…仕返しも考え直さないと…」
イールスが考えたように呟く
「仕返しはしなくても良いぞ!! 後始末だけはしてくれ」
アーセリオドールが慌てて叫ぶ
「イールス、王家に仕返しは止めてくれ」
ヘルクドールが頭を押さえながら言うと、セーレンが嫌な予感に苦笑いしている
「早く薬草を沢山集めないと…迷宮で全部集められれば良いのだけど」
イールスが考えながら呟く
「5層域ならポーション作れるドロップアイテムが有ります…あ!!」
セーレンが笑顔でイールスを見て言うと、言った内容に気が付き途中で止める
「5層域ですか? 4層域のボス倒せるかな? その前に鑑定も教えて欲しいな…腕輪が1個鑑定してないから…」
イールスが笑みを浮かべている
「イールス自重して下さいね!! イールスがポーション作りすぎると、王家の宝物庫に入りきらなくなります」
セーレンが慌てて言う
「宝物庫を溢れさせれば良いのか…」
イールスが笑みを浮かべていると、セーレンが頭を抱えている
(恐ろしい想像が…止められるのですか? どうしましょう……不安しか有りません…イールスを誰か止めて下さい!!)

イールスが部屋に戻ろうとすると、シスラーザの侍女が部屋の前で待っている
「イールス様、申し訳ありませんが…今お勉強をしています」
侍女が微笑みながら頭を下げていると、イールスが部屋の中を覗いている。リシリアとオリフィーネとシスラーザが並んで礼儀作法や挨拶の仕方を練習している
「シスラーザ様も勉強をしているのですね」
イールスが微笑みながら呟く
「同い年のオリフィーネさんが勉強しているのを知って慌てて一緒に始めました。 良い影響です。リシリアさんも優しいので懐いています」
侍女が微笑みながら言う
「仲良くしてくれれば、良いですが…少しは一緒に遊んで欲しいかな?」
「侍女の勉強するなら、是非専属侍女候補にして欲しいです」
「専属侍女か…もしかしたら…令嬢に戻るかも知れないから、両方の勉強をして欲しいな…」
イールスが微笑みながら呟く
「え! どこかの家の令嬢様なのですか?」
侍女が驚いている
「元令嬢ですけど、父親の罪が無くなれば、父親次第で爵位を取り戻しそうです。 実力が有りますから…」
イールスが考え込んでいる
「それなら尚更共に育って欲しいです。 社交界で年の近い仲良しが必要です」
侍女が嬉しそうにイールスを見ている
「可能性だからね…内緒だよ」
イールスが微笑みながら言うと、侍女が約束をしている

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