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第152話 帰宅

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イールス達が屋敷に戻り、リビングに向かうと、アーメリアとメサリアがいる
「メサリア様、アーメリア様、ただいま帰りました。」
イールスが頭を下げながら言う
「イールス、迷宮に泊まって今日の夜帰宅では無かったのですか?」
アーメリアが微笑みながらイールスを見ている
「実はリシリアに無理をさせてしまったので、迷宮で寝てから帰ってきました。自分の未熟さが解りました」
イールスが丁寧に説明していると、メサリアとアーメリアがリシリアを心配そうに見ている

「頑張って次も一緒に迷宮に向かえる様にします」
リシリアが笑顔で言う
「本当に大丈夫ですの?」
メサリアが心配そうにリシリアを見ている
「はい! 兄様と一緒ですから」
リシリアが笑顔で言う
「兄様と? イールス、兄様と呼ばせているのですか?」
アーメリアが驚いた様にイールスを見ている
「クレオ達に妹として紹介したからです。迷宮内で様付けは危ないと思ってますが…」
「兄様…リシリアさん、イールスが兄様ならなんて呼んでくれますか?」
メサリアが笑顔でリシリアを見ている
「え! メサリア様」
リシリアが驚いている
「リシリアさん、イールスの姉ですから、なんて呼ぶのですか?」
「え! メサリア…御姉様?」
リシリアが迷いながら言う
「もう一度」
メサリアが満面の笑顔でリシリアを見ている
「メサリア御姉様」
「可愛いですのーーー イールスが呼んでくれなくても、リシリアが呼んでくれましたのーーー 嬉しいですのーーーー」
メサリアが満面の笑顔で叫んでいると、アーメリアが少し呆れた様にメサリアを見ている

イールスは、1人で馬車に乗り、魔法研究院に向かい、メデルの部屋に向かう
「メデル様、本日も美しいお姿を拝見できて嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス、何か用ですか?」
「メデル様、2つ用が有ります。1つ目は迷宮でリシリアの魔力が急上昇して、高熱が出たのですが、理由は解りますか?」
イールスが説明をしている
「原因ですか? 解りませんが…セーレン様の方が詳しいと思いますわ」
メデルが考えてから言う
「セーレン様に伺います。後はこちを鍛冶師に預けたいと思います」
イールスが鉱石を出して言う
「ミスリル鉱石!!」
メデルが鉱石を見て叫ぶ
「2個なら剣を作りやすいと思いました」
「は? 何を…イールスに何を言っても無駄ですね」
メデルがイールスを見ている
(簡単に手には入りません…聞きたく無いですね…おそらく大物を倒して平気な顔をしているのでしょうから…後々が怖いです)

メデルの案内で鍛冶師の部屋に向かい、メデルが説明して鍛冶師が出てくる
「申し訳ないのですが、この鉱石も足して剣を作れますか?」
イールスが鉱石を出して言う
「2個目!! これなら剣にしても十分だ!! あれこれ混ぜる必要も無いだろう」
鍛冶師が笑顔で言うと鉱石を受け取り微笑んでいる
「もう1つ相談が有るのですが…」
「何か必要なのか?」
鍛冶師がイールスを見ている
「剣を3本…冒険者が持っていても狙われない品粗な物は有りますか?」
「ちょっと待っていろ」
鍛冶師が笑顔で言うと、奥に向かい剣を持ってくる

「装飾が無いから、良いだろ? 刀身はしっかり鍛えてある」
鍛冶師が笑顔で言うと、イールスが受け取りじっくり見ている
「これなら、普段使い出来ます。お代はどのぐらい必要ですか?」
「メデル様から受け取るから気にしないように! ふふふ、沢山仕事を増やして欲しい」
鍛冶師が笑みを浮かべながら言う
「持って帰りなさい…費用は買取り価格から引いておきます…まだ査定が終わってませんから…鍛冶師もイールスの頼みなら喜んでいます」
メデルが苦笑いしている
「3層の魔石必要ですか?昨日結構倒しましたので…必要なら買取りを頼みたいです」
イールスが思い出したように言う
「今は無理です!! それよりも…魔石消費の件で相談が有ります。 魔導具を作成…ランプの魔導具の準備をしています」
メデルが考えながら言う
「ランプですか? 作りたいです」
イールスが笑顔で言う
「イールスが魔晶石を持って帰ったので、作成が出来ます。 準備しているので出来上がったら、作成をしてください…買取りもします」
メデルが少し嫌な予感を感じながら説明をしている
(この子に依頼は出したくないですが…恐ろしい想像しか出来ないです…何故全員イールス頼みなのですか?)

イールスはメデルとの相談を終わらせて屋敷に戻る
「イールス帰りましたね」
セーレンが微笑みながら出迎えてくれる
「セーレン様本日も美しい姿を拝見できて嬉しく思います」
「イールス挨拶はもう良いですから、明日王太子殿下から正式な呼び出しです。フィーネリーゼ様さんもお連れしなさい」
セーレンが笑顔で言う
「回復されたのですか?」
「そうです。 それに男爵の始末もつけてくださいね」
セーレンが微笑みながら言う
「フィーネリーゼ様を迎えに明日の朝、向かってから王宮に向かいます」
イールスが笑顔でセーレンを見ている
「商会と子爵家の始末も準備してますわ! イールスのお陰で潰せますわ」
セーレンが笑みを浮かべている
「子爵家?」
「宝物庫の物を盗んだ本人ですわ! 繋がりは男爵が全部吐きましたわ」
セーレンが自慢げに説明している
「商会は任せます…男爵は鉱山で借金返済ですから」
「フィーネリーゼさんの件も了承が得られましたわ! 国王陛下からの勅命となりましたわ!! 男爵ごときが文句言えませんわ!! 本当にイールスに関わる恐ろしさを知りなさいですわ」
セーレンが笑顔で言う
「恐ろしさ?」
イールスがセーレンの顔を見ている
「休む暇が無いですわ!!」
セーレンが笑っていると、イールスが抗議をしている
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