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第133話 王立学院に復帰

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10日間迷宮探索とブライドルとフィーネリーゼの温室に遊びに行く日々を過ごし、イールスは久々に王立学院に向かい、教室に入る
「え! イールス様!!」
アリシナがイールスを見て叫び、駆け寄ってくると、生徒達が一斉にイールスを見ている
「アリシナ様、お久し振りです。本日のお元気な姿を拝見できて嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしていると、フレシカも笑顔でアリシナの後を追ってくる
「イールス様、本当に元気そうで…嬉しいです」
アリシナが涙目でイールスを見詰めている
「アリシナ様、心配をお掛けして申し訳ありません」
イールスが丁寧に頭を下げていると、生徒達がボソボソと話をしている
「イールス様…何をしていたのですか? 会えなくて寂しかったです」
「鍛練をしていました。 凄く楽しかったです。 まだまだ未熟者だと実感しました…」
イールスが笑顔で話していると、アリシナとフレシカが嬉しそうに聞いている
(イールス様が元気で良かった)

「席に座るように…イールスもう大丈夫なのですか?」
講師がイールスを見て驚いたように呟く
「申し訳ありません、すぐに席に着きます。長く休んでしまい申し訳ありません」
イールスが丁寧に頭を下げて言うと、席に向かい、アリシナとフレシカが両脇に座り、講師の授業を聞いている

授業が終わると、エリーゼマリーナとクレーシア達が教室に入ってくる
「イールス様、もう大丈夫なのですか? 色々噂が飛び交っていますが…」
エリーゼマリーナが周囲を見てから聞く
「エリーゼマリーナ様、お元気なお姿を拝見できて本当に嬉しく思います。御迷惑ばかりかけて申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶を始めると、次々と令嬢達に挨拶をしている。アリシナが不満そうにイールスの後ろ姿を見ている
「今度お茶会に来訪して貰えますか?」
エリーゼマリーナが微笑みながらイールスを見ている
「色々面倒な事になりましたので、少し相談をしてからでも宜しいですか? 1人の判断で動き回れなくなってます」
イールスが考えながらエリーゼマリーナを見ている
「イールス様…お待ちしています…事情が事情でしょうから」
エリーゼマリーナが少し考えてから微笑みながらイールスを見ている
(イールス様、相当な事になっているのですね…アリーオお兄様が忙しくて中々状況を確認できませんでしたが…顔色から元気なのは解りました。 イールス様がアルゼデンス様を追い込んだのですか? 色々聞きたいですけど…今はイールス様の元気な姿を見れるだけで幸せです)

「アリシナ、イールス様を独り占めは出来ないからと、不機嫌になるのは良くないですよ」
クレーシアが微笑みながらアリシナを見ている
「え! クレーシア!! 」
アリシナが慌てた様にクレーシアを見ると、フレシカが笑っている
「顔に出過ぎです。イールス様が居ないと笑う事もほとんど無いのですから…」
クレーシアが笑顔でイールスが居なかった時の事をイールスに話していると、アリシナが真っ赤になっている
(クレーシア、イールス様に話さないで下さい!! 恥ずかしーーい クレーシアーーーお願いですからバラさないで下さい! もぅーーーー)

「クレーシアもイールス様と話したいからと、アリシナ様をダシに使うのですか?」
フレシカが微笑みながら言う
「え! クレーシア!! 本当に!!」
アリシナが驚いたようにクレーシアを見ている
「フレシカ様も何気にイールス様の横に陣取って居ますね」
クレーシアが慌てて言う
「え!フレシカ!!」
アリシナが振り向き、フレシカを見ている
「やっぱりイールス様が居ると楽しいですね」
エリーゼマリーナが笑いながら見ていると、クレーシアとアリシナとフレシカが話しているのをイールスが見ている

その後も講義を受け、帰りの時間になると、シリカローレン達がやってくる
「イールス様、本日もお元気なお姿を拝見できて本当に嬉しく思います」
シリカローレンと2人の令嬢がスカートの裾を掴み丁寧に頭を下げている
「シリカローレン様、本日もお元気なお姿を拝見できて嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしていると、生徒達がシリカローレンを見ている
「イールス様、実はアルゼデンス様の取り巻きだった令嬢達より、挨拶をしたいと頼まれたのですが…事情が事情なので念の為、断っています。 令嬢様達も後ろ楯を失い、慌てています」
シリカローレンが微笑みながら言うと、アリシナとフレシカが驚いたようにシリカローレンを見ている
「ここで話しても良いのですか?」
イールスも驚きながらシリカローレンを見ている
「はい、イールス様のお陰でメサリア様とシンシリア様とセーレン様と知り合えたので、文句を言える令嬢はいません…王立学院内でもエリーゼマリーナ様達と直接話せますので、問題になりません」
シリカローレンが笑顔で言うと、生徒達がシリカローレンを見ながらヒソヒソ話している
「何か他の用が有るのですか?」
「実はアルゼデンス様の仇を討つと言っている人達がいると、噂が有りますので気を付けて欲しいと思います」
シリカローレンが微笑みながら、詳しく話している
「気を付ける様にします。 教えて貰えて嬉しく思います。シリカローレン様も気を付けて下さい」
イールスが丁寧に頭を下げている

ここで話してくれたと言う事は、牽制と何か有った時、犯人が誰か解る様にかな? シリカローレン様も危ないのに…使える人を使うかな?

イールスは考えてから、上級生の教室に向かい、セレベレスバウム準男爵家5人衆を探して見付ける
「本日もお元気そうで嬉しく思います」
イールスが微笑みながら挨拶をすると、シリカローレン達が笑いを堪えている
「イールス!! 何か用か?」
男子生徒が慌ててイールスを見ると、生徒達がイールス達を見ている
「実は、シリカローレン様より伺いましたが、誰かに狙われているみたいなのですが、止めて頂く様に伝えて貰えますか? 約束は覚えてますよね」
イールスが笑顔で言うと、男子生徒達が苦笑いしている
「約束は…解りました、何か起きる前に止めておきます…イールス様」
男子生徒が考えてから頭を下げると、シリカローレン達が嬉しそうに微笑みながら見ている
「ありがとうございます。 周囲に迷惑を掛けなくて済みます」
イールスが笑顔で言うと、イールス達が帰っていき、男子生徒達が顔を見合せて溜め息をしている
(直接乗り込んでくるなんて…イールスを闇討ちしようとしている奴らで勝てる訳無いのだから、すぐに止めないと、後が怖そうな…シリカローレンもあの笑み…悔しいけど従うしか…全部アルゼデンス様の事を信じた所為だが………)

アリシナとフレシカはイールスの後ろ姿を見ている
「イールス様、先輩をコマ使いのように使うのですか? イールス凄いですけど…本当に良いのでしょうか?」
フレシカが呟くと、アリシナがイールスの後ろ姿を見惚れている
(イールス様…凄いです。やっぱりイールス様です………)
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