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第123話 迷宮へ

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数日後、迷宮に向かう準備をして、出掛けようとして、リビングに向かい、ヘルクドール達に丁寧に挨拶をしている
「ヘルクドール様、アーセリオドール様、メサリア様、アーメリア様、迷宮に出掛けて参ります」
イールスが挨拶が終わると、丁寧に頭を下げている
「余り無理はしないように」
ヘルクドールが微笑みながら言う
「メサリア様、アーメリア様、リシリアの事でお手数をお掛けして申し訳ありません」
「後でゆっくり話しましょうね…可愛い妹も欲しかったですの」
メサリアが嬉しそうに言う
「あんなに睨んでいたのに…気に入ったら仲良くですか?」
アーメリアが呆れ気味に言う
「オドオドして令嬢らしく無くて可愛いですのーーーイールスが帰ってくるまで、楽しみますのーーー」
メサリアが嬉しそうに笑っていると、アーセリオドールが頭を抱えている
(メサリア、急に変わり過ぎだ! イールスが絡むと性格が変わるのは止めてくれ…)

リシリアに見送られて、護衛達と迷宮に向かっていくと、バロンとクレオとリシアが待っている
「バロン、クレオとリシアと仲良くしていてくれたか?」
イールスが笑顔で聞く
「はい、1層を毎日殲滅しています…若いですが剣術の基礎と冒険者として迷宮になれていると思います」
バロンが頭を下げながら言う
「カルスさん、バロンさんを付けてくれて本当に感謝しています」
クレオが満面の笑顔で言う
「今日も頼んだよ! 今度こそ3層でも戦える事を証明して見せる」
イールスが笑顔で言うと、クレオとリシアが頷いている

迷宮を順調に進み、2層のボス部屋の前まで到着する
「カルス様、1度休憩しますか?」
護衛がイールスの横に来て言う
「余裕が有ったから、ここまで休憩してなかったからね」
イールスが笑顔で言うと、開けた場所で休憩をする事にする

「カルスさんを探している人がいるみたいです」
クリオとリシアが座ると、イールスを見て冒険者ギルドで探している人達の事を話してくれる
「面倒な事になりそうかな? 冒険者の名前で探すとなると…誰かな?」
イールスが考えていると、護衛が苦笑いしている
(あの女性しかいないですが…言うと面倒な事を言いそうだな…探している者も秘密裏に探しているなら、大事にならないと思われるが…)
「冒険者ギルドに近付かなければ、良いだろう…誤魔化しが必要なら手をうつが…」
バロンが考えながら言う
「冒険者ギルドに近付く必要も無いですから…買い取りの時はバロンに任せるよ」
イールスがバロンを見ていると、バロンが頭を下げている

ボス部屋に入ると、サーベルタイガーが現れると、イールスが闘気をまとい一気に接近していき、サーベルタイガーがイールス目掛けて噛み付きにくるが、イールスがサイドステップを使いかわして、闘気をまとった剣を振り抜いている。サーベルタイガーの胴体に深々と切り裂いて、サーベルタイガーが倒れて黒いきりになって消えていく
「カルスさん凄いです」
クレオが笑顔で走ってくる
「動き回られる前に倒せたからね」
イールスが警戒しながら周囲を見てから言うと、バロン達もイールスの元に集まる
「次はゴブリン…今度こそ怖れない様にします」
クレオが考えながら言うと、イールスが魔石や牙や爪を拾っている
「今度こそ…最初から戦える様に…」
イールスも考えながら呟く
「軽く倒せるだろう? これだけの実力が有れば」
バロンが笑顔で言う
「前回恐怖で硬直しましたので…油断出来ません! バロンも覚悟しておくように…もしもの時撤退もするから…」
イールスが前回の事を説明していると、護衛達が微笑みながらイールスを見ている
「人形か…覚悟次第だが…油断はしてないのか?」
バロンが考えながらクレオとリシアとイールスを見て呟く
(油断はしてないのか…これだけ強くても、傲りの1つも無いのか? 本当に伯爵家の血筋か? )

3層に向かうと、イールスはゴブリンを見付けて、警戒しながら近付き、一気に間合いを詰めて剣を振り抜き、ゴブリンを両断すると、すぐに頭から両断して、ゴブリンが十字に両断されて黒い霧になって消える
「ふぅ…」
イールスが息を吐くと周囲を警戒している
「カルス、大丈夫ですか?」
護衛が警戒しながら聞く
「なれるしかないが…手は震えているよ」
イールスが震える手を見て言う
「無理をしないように」
護衛が手を見てから別のゴブリンを探している

ゴブリンを倒して進み、開けた場所で休憩を取る事にする
「カルスさん、やっぱり凄いです」
クレオとリシアがイールスを見て言うと、青ざめている
「クレオもリシアも無理しないようにね」
「実は手の震えが止まりません…心構えしてきたつもりでしたけど…」
クレオが苦笑いしている
「中々難しいね…1人前の冒険者ならこのぐらい簡単に出来ると思うけど…」
イールスが笑顔で言うと、水を飲んでいる
「はい! 頑張ります! カルスさんみたいになりたいです」
「まだまだ未熟者だよ、一流の冒険者ならゴブリンなんて簡単に倒せるのだろうから」
イールスが笑顔で言うと、バロンが驚いている
「はい! カルスさん」
クレオとリシアが落ち着こうとしながら言う
「バロンも簡単に倒せて凄かったよ」
イールスがバロンを見て言うと、クレオとリシアがバロンを見ている
「は? 討ち漏らし2体しか狩ってないぞ…それも死にかけの…いつもこの調子か?」
バロンが苦笑いして、護衛達を見ている
「いつもの調子です。 すぐに半人前と言います。傲るよりは良いですが…弱いと思い込んでいますから」
護衛が苦笑いしてバロンを見ている
「これだから、魔物を余裕で狩って、誰でも出来るか…」
バロンが呆れたように呟く

その後もゴブリンを倒して回り、迷宮の出口に向かい、迷宮を出るとバロン達が冒険者ギルドに魔石の買取りに向かい、イールスと護衛達は冒険者ギルドの中の様子をしばらく見ている
「あれは…騎士ですね」
護衛が冒険者ギルドの中にいる人を見て呟く
「騎士が探しているのか…冒険者ギルドに近付かない方が良いかな? バロンが居てくれて本当に助かる」
イールスが呟く

誰の差し金だろう? 用心した方が良いかな? 騎士が来ているなら、貴族が絡んでいそうだな…

バロンに硬貨を預けて、イールスが屋敷に戻り、リビングに入ると、メサリアとアーセリオドールとアーメリアが微笑みながら待っている
「メサリア様、アーセリオドール様、アーメリア様、遅くなり申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしてから頭を下げている
「イールス様…お帰りなさいませ…」
リシリアがドレス姿で恥ずかしそうに言う
「リシリア様、凄く似合ってます。 見違えました…」
イールスがリシリアを見て驚きながら言う
「イールスの照れた顔見れましたのーーー」
メサリアが上機嫌で言う
「帰りを待つ間、オドオドしたリシリアさんは、可愛かったですね」
アーメリアが微笑みながらイールスを見ている
「出掛けてから、メサリアがドレスに化粧に色々注文付けていたからな…ここまで綺麗になると…言い寄る人が現れるぞ…イールス守るようにな」
アーセリオドールが呆れたように言う
「ドレス姿は人前に見せない様にしたいと思います」
イールスが考えながら言う
「そうですのーーー 可愛いですから、イールスと一緒にパーティー連れていきたいですのーーー」
メサリアが満面の笑顔で言う
「騒動になりますよ…国家機密ですから、パーティーに連れていけませんよ」
アーメリアが呆れたように言う
「残念ですのーーー 可愛い妹が出来て嬉しいですのーーー シズラーザも一緒に礼儀作法の練習をしてくれて嬉しかったですのーーー」
メサリアが本当に嬉しそうに言っていると、リシリアが真っ赤になってイールスを見詰め続けている
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