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第120話 王宮からの呼び出し 前編

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数日後、ヘルクドールの呼び出され、セーレンと共に馬車に乗り、王宮に向かい、案内で部屋に入るとブライドルとヘルクドールが待っている
「イールス、元気そうで安心したぞ」
ブライドルが笑顔でイールスを見ている
「ブライドル様、本日もお元気なお姿を拝見出来て光栄に思います。 大変な面倒事に巻き込み大変申し訳無いと思ってます」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス、気にするな! 父も喜んでいるぞ! 人事権を独り占めしていたから、腐敗も進み、危機感を持っていたからな!! 公爵家の権威が墜ちたのはこれ幸いと不正探しを開始しているぞ」
ブライドルが笑いながら説明している
「ブライドル、ここで言う事ですか?」
「父が感謝しているのは本当の事だからな! それも独占していた王宮薬師達も不正でバウルトリア師が取り締まっているからな! 余計な横槍はもう出来ないぞ」
ブライドルが笑っている。ヘルクドールが頭を抱えながら聞いている
(イールスが叩き潰したと言えないな…まさか、公爵家の威信を周囲から潰したのが、全部イールス何て公表できないぞ)

侍女の案内で部屋に入ると、バウルトリアと王太子と公爵が待っている。イールス達が丁寧に挨拶をしてから席に座る
「ヘルクドール伯爵、事情が変わった…申し訳無いが、ここで今後の方針を決めたいと思っている」
公爵が頭を下げている
「公爵殿から事情の説明は受けたが…国家機密に指定する事にする…イールスが絡むと国家機密にする他に出来なくなる」
バウルトリアが諦めたようにイールスを見ている
「え! バウルトリア様、大変申し訳ありません、責任を取って早く冒険者になります」
イールスが頭を下げて言うと、バウルトリアと王太子が顔を見合わせている
「ブライドル殿、事情が変わったのは、2人の行方不明者の件もだが…騎士団の不祥事も絡んでいる。このままだと王家の威信も地に墜ちかねない、侯爵家もこの件から手を引いて欲しい」
バウルトリアがブライドルを見て言う
「何故ですか?」
ブライドルが驚いている
「ヘルクドール伯爵殿、隠しているビーレルバウム男爵家の件の調査報告に騎士団との癒着も有ったな」
バウルトリアがヘルクドールを見ている
「口利き程度ですが…」
ヘルクドールが苦笑いしている
「この件が公表されたら、国家間の戦争に発展もあり得る…セーレン、同盟国セメトリア王国の現状は調査何処まで進んでいる?」
バウルトリアが頭を押さえながら聞く
「ここで言う事ですか? 」
セーレンが驚いて王太子を見ている
「ブライドル、ヘルクドール、セーレン、アーゼリアストリア王家として、緊急事態となっている。最優先で対処と絶対に機密にせよ!! 騎士団は王女誘拐暗殺の手助けをした事が判明した! ユリアリース王女は何とか王都まで到着出来たが、外交特使の情報が騎士団から漏れ、王女誘拐と王家乗っ取りまで目論む集団に手を貸した事になる」
王太子がブライドルを見て言う
「今回の件と繋がりが有るのでしょうか?」
セーレンが苦笑いしている
「公爵殿の調査でセメトリア王国の公爵家が黒幕だ! しかし、問題はセメトリア王国が現在ゴブリンの大群に攻められ、救援の要請されている。 この件は準備中だが、騎士団が出撃する事になるが、各家からも援軍に参加して貰いたいと、考えていた所だ!………公爵家の不祥事だからな…情報漏洩も公爵の跡継ぎが絡んでいた」
王太子が公爵を見ている
「この件を公表は難しいが…一大事なのは理解できたか?」
バウルトリアが全員の顔を見ている
「理解しました」
ブライドルが考えながら頭を下げる
「問題は、騎士団が弱体化している事だ! 各家からの援軍も戦う事に慣れた者は居ないだろう…厳しい戦いになるのは、理解して欲しい…今回先に処分すると、弱体化した騎士団を更に弱体化させてしまう」
バウルトリアが詳しく説明して、公爵からも不正に絡んだ人を説明している

「騎士団の8割の隊の隊長が交代では、まともに機能しないな…」
ブライドルが頭を抱えている
「この国大丈夫なのですか?」
セーレンが頭を抱えながら呟く
「4伯爵家が仲良くなりそうで良かったが…イールスのお陰だな」
バウルトリアがイールスを見ている
「え! バウルトリア様、未熟者の下賤な身ですので、私など役に立ってません」
イールスが驚きながら頭を下げていると、ブライドルと公爵が驚きながらイールスを見ている
「ブライドルと公爵まだまだイールスになれてないか? イールス、早く片腕になって王家を盛り立てて欲しい」
王太子が笑みを浮かべて言う
「下賤な身の未熟者ですから、御遠慮申し上げたいと思います。 御戯れで話されるのは良くないと思っています」
イールスが頭を下げて言うと、公爵とブライドルが目を見開いてイールスを見ている
「そうか? ビーレルバウム男爵家の件で、商会を支配下に納めたそうだな…借金額が金貨5000枚だったか? あの商会を完膚無きまでに叩き潰して言う事か? 流石に今回は調査して、王妃殿下と国王陛下も爆笑していたぞ…イールス、才を隠すつもりは無いのか?」
バウルトリアがイールスを見て言うと、セーレンが驚いてイールスを見ている
(知らなかった…あの商会を叩き潰して支配下に納めたなら、各家はイールスに手を出せませんよ)
「非才の身です。運が良かっただけですから」
「公爵言われているぞ…公爵家と騎士団を潰せるだけの力を持っている者が非才と」
バウルトリアが公爵を見ている
「今更ながら…セーレン殿から忠告を受けた際に息子と孫の調査をしていればと思ってます…不正の証拠に否定出来ない程の後ろ楯…イールス殿大変申し訳無かった」
公爵が頭を下げている
「え! 頭をあげて下さい!! 未熟者の下賤な身の者に頭を下げるなんて、大変申し訳ありません」
イールスが頭を下げながら言うと、バウルトリアと王太子が笑っている。ヘルクドールが頭を抱えている
(イールス!! 何処まで知られているんだ!! もう秘密に出来ないぞ!! イールスどうするんだーーー セーレン様、バウルトリア様何とかしてくれーーーーーーーーーー)
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