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第116話 イールス王都へ 後編

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男達を騎士が縛り馬に乗せて進み、ブライドル達の場所まで戻る
「イールス、戻ったか? 待っていたぞ」
ブライドルが笑顔で出迎えてくれると、騎士達が夜営の準備をしている
「ブライドル様、お待ちしてなくても良かったのですが…」
イールスが驚いた様にブライドルを見ている
「すぐに戻ってくると思っていたからな! その男達が何をしたのか?」
ブライドルが馬に縛られている男達を見ている。騎士が聞き取った内容の書類を見せて説明を始める

「アルゼデンスが…イールス本当に大丈夫なのか?」
ブライドルが少し困惑したようにイールスを見ている
「実は、毒を塗ってあって危なかったです。 このポーションと万能薬のポーションを持っていたので治療済みです。 こんな事も有るかもと常に常備してました」
イールスが腰のポーチから中身の無い瓶を3本出して言うと、ブライドルが瓶を見ている
「普通は持ってないだろう? 」
「それに冒険者になったら、こんな事も想定が必要です。 執事は警戒してましたが、まさか、アルゼデンス様までは想定外でした… まだまだ未熟者で迷惑を掛けてしまっています」
イールスが笑顔で崖から落ちた後の事を説明している。執事が驚いた様にメモを取っている

「あの可愛かったアルゼデンスが…信じられないが…相応の罰も必要だな…失敗して無いと思っているなら…」
ブライドルが考え込んでいる
「帰ったらセーレン様にも相談します。相当心配を掛けている可能性も有りますから」
イールスが笑顔で言うと、ブライドルと相談をしている

翌朝、王都に到着すると、ブライドルが馬車から顔を出して騎士に挨拶をすると、馬車は王都内に入っていく
「イールス出て来て良いぞ」
ブライドルが言う、馬車の椅子の天板を開けてくれる
「簡単に入れるのですね」
イールスが苦笑いしている
「騎士と顔見知りだったからな…イールスの屋敷まで送るぞ」
ブライドルが笑顔で言う
「え! ここからは巻き込めませんので、歩いて帰ります」
「友達と思っていたが…ここまで内緒にするのか?  セーレンと相談もしたいからな」
ブライドルが笑顔でイールスを見ている
(イールスの素性知りたいぞ)

イールスが考えながら、諦めた様に並走する騎士に行き先を伝え、馬車が走っていくと、レズムード伯爵家の屋敷の門に入り、屋敷の前に到着すると、執事や侍女が驚いた様に集まる
「セバスさん、ただいま帰りました。ヘルクドール様は在宅ですか?」
イールスが馬車から降りる
「イールス様!! 御無事で何よりです!!」
セバスが大声で叫び、周囲の侍女や兵士が笑顔になっている
「ヘルクドール様に早く御相談が必要ですので、案内をお願いします」
「ヘルクドール様とアーセリオドール様は出掛けております。早く中に」
セバスが慌てて言うと、イールスが屋敷に入っていく

イールスが屋敷に入って行ったのを見た、ブライドルは驚きながら苦笑いしている
「ブライドル様、まさか…イールス様はレズムード伯爵家の人間ですか?」
執事が驚きながらブライドルを見ている
「知らなかったが…あの様子関係が有るのだろう…レズムード伯爵家にイールスと言う男子は居なかったような…」
ブライドルが苦笑いしている
「調査も必要ですが…」
「レズムード伯爵家の人を暗殺しようとしたなら、大問題になるぞ…セーレンとシンシリアも後ろ楯なら…メサリアも出てくるか? 煩いのが勢揃いだな…」
ブライドルが苦笑いしている

イールスが屋敷の部屋に入ると、メサリアが待っている
「メサリア様、ただいま帰りました。御心配お掛けして大変申し訳ないと思っています」
イールスが丁寧に頭を下げながら言う
「イールス!! 大丈夫なのですのーーーー! 怪我は!! 痛い所は無いですか? イールスーーーーーーーーーー」
メサリアがイールスを見て驚きイールスの元に駆け寄り、イールスを見ている
「面倒事になりましたので、ヘルクドール様とアーセリドール様にも相談したいと思います」
「御父様は、アールストリア公爵家に乗り込みに行きましたわ!!」
「え! そうすると…時間が無いか…証拠隠滅されたら面倒になるな…」
イールスが呟き考え始める

まずいな…証拠隠滅されて、追及出来なくなると…乗り込むしかないか…あの証拠も持っていくか…ブライドル様にバレたのだから口止めも…

イールスが慌てて部屋に戻り、荷物を持って戻ってくると、メサリアと屋敷を出ようとする
「イールス…」
シズラーザがイールスを見て呟くと、ロイホールも見ている
「シズラーザ様、ロイホール様本日もお元気なお姿を拝見出来て嬉しく思います。 少し出掛けて来ますので、申し訳無いですがこれで失礼します」
イールスが丁寧に頭を下げながら丁寧に言う
「イールス、帰ってきてね」
シズラーザが恥ずかしそうに言う
「イールス御兄様、お帰りを待っています」
ロイホールが笑顔で言う

屋敷を出ると、ブライドルが待っている
「ブライドル様、イールスを送って貰い感謝しますわ! ついでに、御一緒しなさいですわ」
メサリアが笑顔でブライドルを見ている
「聞きたい事も有るが…乗り込むのか?」
ブライドルが苦笑いしている
「イールスの事は秘密にしなさいですわ!! 良いですね! 約束しなさいですわ!!」
メサリアが睨みながらブライドルに言うと、ブライドル達が約束している
「イールスは、弟ですの!! アルゼデンス覚悟しなさいですわ!! ふふふ」
メサリアが笑みを浮かべていると、ブライドルが頭を押さえている
(あの笑み終わったな…メサリアが怒っているぞ…イールスやっぱり伯爵家の人間か…アルゼデンスも手を出した相手を調べてなかったのか?…後が怖いから何も言わずに黙っていた方が良いな)
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