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第113話 イールス暗殺? 前編

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数日後、イールスが出掛ける準備をしている
「イールス、アルデゼンス様を虐めない様にしなさいですわ」
メサリアが笑顔で歩いてきて言う
「メサリア様、本日も御元気なお姿を拝見できて嬉しく思います。アルデゼンス様を虐めていませんが、目の敵にされているみたいで、どうしたら良いでしょうか?」
イールスが頭を下げて言うと、メサリアが笑みを浮かべている
「レズムード伯爵家の次男と伝えれば、文句言えませんわ! 一緒に口答え出来なくしますわ」
メサリアが満面の笑顔でイールスを見ている
「下賤な身ですので、御遠慮したいと思います。 半人前の未熟者の所為で御迷惑をお掛けして心苦しく思ってます」
「もう少し頼って欲しいですわ」
メサリアが残念そうに言う
「令嬢の屋敷に向かうために出掛けて参ります」
イールスが笑顔で頭を下げて言う

令嬢の屋敷の近くに到着すると、馬車が停まっている
「イールス、乗りなさい」
アルデゼンスが馬車から顔を出して言うと、イールスが驚きながら馬車を見ている
「アルデゼンス様、本日も美しく嬉しく思います。 大変申し訳ありませんが、令嬢様達と待ち合わせが有りますから、先に馬車に乗ることは出来ません。御無礼を働いてしまいます」
イールスが頭を下げながら言う
「令嬢達は、来ませんわ! 先程急用で来れなくしましたわ」
アルデゼルスが笑顔で言う
「え! 何故でしょうか?」
「乗りなさいですわ! 令嬢達がどうなるか想像しなさいですわ」
アルデゼルスが笑みを浮かべて言うと、執事が頭を下げている

まずい・・・断れば令嬢達が困るだけだが・・・アルデゼルス様も面倒な事に・・・王都内であれば、護衛達が付いてきているから何とかなるかな?

「失礼します」
イールスが考えながら馬車に乗ると、執事が馬車の扉を閉めて、馬車が走り始める

馬車が進み門で停まり、騎士が馬車の中を覗いてから、馬車が再び走り出す
「アルデゼルス様、馬車が王都から出たようですが…何処に向かっているのですか?」
イールスが外を見てから聞く
「イールスが薬草に興味が有るのは、伺っています。王都近くに薬草が採取できる場所に案内しますわ! 感謝しなさいですわ」
アルデゼルスが笑みを浮かべて言う
「薬草の? 必要はありませんが」
「光栄に思いなさいですわ」
アルデゼルスが笑みを浮かべている
(もう少しですわ!! イールス)

馬車が山道を進み始めていると、馬車が停車すると、執事が扉を開けてくれて、イールスが馬車から降りる
「そこからの眺めは良いですわ」
アルデゼルスが微笑みながら言う
「結構な崖ですが…岩茸でも有りそうですが」
イールスが崖の方を見ている
「イールス、崖下に良い薬草が有りますか?」
アルデゼルスがイールスに近付いて来ている
「うっ!! 何を」
イールスが脇腹の痛みにアルデゼルスを見てから痛みの有る方を手で押さえている
「イールス!! よくも恥を沢山かかせてくれましたわ!! 罰ですわ!! ざまーーーーですわ!! 」
アルデゼルスが笑顔で叫んでいると、手には血が垂れているナイフを持っている
「このような事許されません…」
イールスが痛みに片膝を着く
「苦しみながら消えなさいですわ!! 公爵家に楯突いた罰ですわーーーー!! 苦しみながら崖から落ちなさいですわ!!!」
アルデゼルスが笑いながら叫び、ナイフをイールスに向けている。執事もアルデゼルスの後ろに来て短剣を抜いている

この痛み…毒か? 体が言うことを効かない…アルデゼルス様だけなら何とか出来ても、執事を無力化する前に毒が…どうする? 下は…川か?

アルデゼルスが近付くと、イールスがアルデゼルス目掛けて手を振り、血がアルデゼルスに掛かる
「キャーーーーーー! ドレスがーーー このーーーイールス!!」
アルデゼルスが血が着いたドレスを見てから叫び、ナイフをイールス目掛けて突き刺しにくると、イールスがアルデゼルスの手首を掴み止めている
「離せ!! 無礼者!! イールスーーーーー!!」
「アルデゼルス様、このような事許されないと思ってください!! 」
イールスが手首を握りしめると、アルデゼルスがナイフを落とす。執事が慌てて、短剣をイールスの腕目掛けて振り下ろして、イールスがアルデゼルスの手首を離してかわし、アルデゼルスを蹴り執事に当てて転ばす
「きゃーーーーーーー!! 早く処刑しなさい!」
アルデゼルスが慌てて叫び、執事が立ち上がり、イールスに短剣を向けながら近付いてくると、イールスが崖のギリギリまで下がる
「毒に侵されながら死ぬが良い!!」
執事がイールスを睨みながら言うと、短剣でイールスを牽制している。イールスは、追い詰められて崖を落ちていく

執事は落ちたイールスを確認してからアルデゼルスの元に近付く
「お嬢様、お怪我は?」
「イールスめーーーーー 許しませんわ!! 絶対に許しませんわ!!」
「崖から落ちましたので、毒で体は動かなくなれば、確実に命は無いでしょう」
「ふふふふふふ…ザマーですわーーーーーー!! 目障りがいなくなりましたわーーーーー!!イールスの顔を2度と見なくて済みますわーーーーーーーー」
アルデゼルスが大笑いしながら叫んでいる
「気付かれない様にお着替えを…」
執事がアルデゼルスの服に着いた血を見ている

アルデゼルスが落ち着くと、馬車に乗り馬車は、王都に向かって進み、門で馬車の中を騎士が確認してから馬車が王都に入っていく
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