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第95話 建国記念パーティー後

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アルデゼンスが不機嫌そうに足早に去っていくと、令嬢達が慌てたようにブライトルとシンシリアとセーレンとイールス達に挨拶をしている
「ブライトル様も良い振りでしたわ」
シンシリアが笑顔でブライトルを見ている
「振り? 何の事だ?」
ブライトルがシンシリアを見ている

え! あれは、振ってくれたのでは無いのか?

「わざわざイールスに挨拶に来たと言ってくれましたわ」
シンシリアが笑顔で言うと、令嬢達がブライトルを見ている
「事実だろう? アルデゼンスもあんなに不機嫌そうに」
ブライトルがアルデゼンスの後ろ姿を見ている
「これですから、女心が解らないのですわ…イールスもそうですが…」
シンシリアが微笑みながら言う
「凄い援護でしたわ! アルデゼンス様もイールスだけに挨拶をして去るなんて、何を考えてますの? エリーゼが可哀想ですの」
セーレンが笑顔でエリーゼマリーナを見ていると、アルデゼンスを追い掛けようとした、令嬢達が慌てて戻って、エリーゼマリーナとリーシアノリア達にも挨拶をしている
「リーシアにも挨拶してませんわ! 本当にイールスにしか、眼中に無かったのですわ」
シンシリアが満面の笑顔で言う
「しかし、イールスもあの挨拶失礼ですよ」
セーレンがイールスを睨んでいる
「セーレン様大変申し訳ありません、挨拶中名前を伺ってませんでしたので、名前も何も知りません…次は名前を伺った方が宜しかったでしょうか?」
イールスが頭を下げながら言う
「は? 名前を…ふふふ」
セーレンが笑いだす
「最高ですのーーーー」
シンシリアが爆笑している
「イールス様…」
ビーレルバウム男爵令嬢が苦笑いしている
(名前も知らないからって、名前を伺ったらキレますわ…知らない相手にこんな仕返しを…)
「イールス様ですね」
エリーゼマリーナが笑っている
(最高のタイミングで言いましたわ…令嬢達はなんて報告をするのでしょう?)
「イールス様、わざわざここで言う事ですか?」
クレーシアが呆れ気味に言う
(イールス様も最後に最大の攻撃を…戻ってきて、名前を伝えられませんから…)
「アルデゼンスも挨拶をしてほしければ、名前を伝えるべきだな」
ブライトルが爆笑している
「イールス様たら…」
アリシナとフレシカが顔を見合わせている
(知り合いでないから、仕返しがこんなに大事になったのですか? 名前はクレーシアが伝えてましたけど…)

令嬢達が慌てて、イールス達に挨拶してからアルデゼンスを追い掛けて行く
「イールス様わざわざ丁寧に挨拶を全員にするなんて」
アリシナがイールスの顔を見ている
「失礼になりますので、手を抜けません」
イールスが笑顔で言う
「全員の名前を知ってますか?」
「実は…全員は覚えきれません…ビーレルバウム男爵令嬢様、パーティーの際失礼になりそうになったら、教えてくれると有り難いと思います」
イールスが頭を下げている
「お役に立てる事なら、何でも致しますが、アルデゼンス様は覚えて置いて下さい」
ビーレルバウム男爵令嬢が微笑みながら言う
「挨拶で名前を伺ったら、しっかり挨拶をするようにします」
イールスが笑顔で言う
「今回は慌てて、全員が名前を伝えてました…アルデゼンス様以外は…」
「そろそろパーティーも終わりですから、最後の挨拶もしないと」
イールスが周囲を見て、保護者が歩いてくる方向に向かい、令嬢達を見送っている

「イールス様は挨拶ばかり、ライバルだらけに…」
アリシナがイールスの背中を見て呟く
「イールス様ですから…」
フレシカが呟く
「イールス様が居なかったら、こんなに楽しいパーティーにはならないです」
リーシアノリアが微笑みながら見ている
「来月の結婚式波乱が有りそう」
エリーゼマリーナが苦笑いしている
「ん? 結婚式? どなたの?」
クレーシアがエリーゼマリーナの顔を見ている
「アーセリオドール様とアーメリア様の結婚式ですが…あ!」
エリーゼマリーナが慌てて、リーシアノリア達を見ている
「招待状欲しい」
アリシナが悲しそうに呟く
「御兄様に伝えておきます」
エリーゼマリーナが微笑みながら言うと、リーシアノリアが不思議そうに見ている

イールスが馬車に乗る
「イールス凄い令嬢を集めてましたわ」
メサリアが満面の笑顔で言う
「イールス御兄様の人脈の凄さが解りました」
ロイホールが笑顔で言う
「ロイホール様は本日はどうでしたか?」
「伯父様が来られましたが、メサリア御姉様が話してくれて、帰っていきました。かなりショックを受けてましたが、何か有るのでしょうか?」
ロイホールが笑顔で聞く
「ふふふ、あの慌てよう、直ぐに効果が有りますわ」
メサリアが満面の笑顔を見せている

「イールス、誰かに呼び出されましたの?」
メサリアが笑顔で聞く
「王妃様と王太子殿下に呼ばれました」
「え! 王妃様に!! 何の用でしたの?」
「ビーレルバウム男爵令嬢の事ですが…王太子殿下から、片腕になって欲しいと、頼まれました」
「え!! 片腕!!」
「丁寧にお断りしました…冒険者に爵位なんて必要ないので…」
イールスが笑顔で説明をすると、ロイホールが驚いている
「イールスですのーーー 王太子殿下にもしっかり断りますのーーー」
メサリアが満面の笑顔で叫んでいる

屋敷に到着すると、リビングに向かい、ヘルクドールとアーセリオドールが待っている
「メサリア、かなり嬉しそうだな」
アーセリオドールがメサリアを見ている
「そうですのーーー イールスが王太子殿下からの誘いを断りましたのーーーー 凄すぎますのーー」
メサリアが嬉しそうに叫び、イールスが説明をしている

「王太子殿下まで、イールスの策謀が知られたのか…」
ヘルクドールが苦笑いしている
「後が怖いような…」
アーセリオドールが頭を抱えている

「イールス、令嬢達が集まっていたが、アルデゼンス様とも挨拶をしていたか? 楽しそうなシンシリアの笑い声が聞こえていたが」
ヘルクドールがイールスを見ている
「アルデゼンス様が挨拶に来てくれましたが、ブライトル様がアルデゼンス様と挨拶をした後、イールスに挨拶に来たのかと、言われて、アルデゼンス様から挨拶をして貰いました」
「は? アルデゼンス様から? あの令嬢が?」
アーセリオドールが苦笑いしている
「ブライトル様もやりますわ」
メサリアが笑顔で叫ぶ
「それをシンシリア様がブライトル様に伝えたら、振ったつもりは無いと言われて、シンシリア様が女心が解らない人と言ってました」
イールスが説明をしている
「シンシリア楽しみすぎですのーーー悔しいですわ」
メサリアが悔しそうに叫ぶ
「セーレン様にお叱りを頂いたのですが…」
「セーレン様から? イールス何をしたのか?」
ヘルクドールが驚いている
「アルデゼンス様に挨拶をした時に名前を申し上げなかったので、失礼だと」
「喧嘩の相手なら仕方無いか…しっかり謝っておくように、それで不機嫌に」
ヘルクドールが笑いながら言う
「公爵令嬢様と挨拶はしましたが、名前を覚えて頂いていたので、お礼を申し上げました。そしたら不機嫌に…それに挨拶の時、名前を伺ってませんので、次は名前を伺った方が良いのでしょうかと、セーレン様とシンシリア様に伝えたら、爆笑していました。 セーレン様とシンシリア様がエリーゼマリーナ様とリーシアノリア様に挨拶も無しで行くなんて、礼儀知らず者と言ったら、令嬢達が慌てて、全員に挨拶をしてから公爵令嬢様を追い掛けていました」
イールスが笑顔で説明をしている
「イールスーーーーー最高ですのーーーーアルデゼンスは、礼儀知らずものですのーーーー 一緒に礼儀知らず者と言いたかったですのーーーーー」
メサリアが満面の笑顔で叫んでいる。アーセリオドールとヘルクドールが頭を抱えている
(礼儀知らず者と言ったらダメだろう…イールスが言わなくても、相当恨まれているぞ! 後始末どうするつもりだ)
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