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第81話 エリーゼマリーナと御茶会

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王立学院が休みの日にイールスは、セーレンと一緒にバーランムーア侯爵家の屋敷に向かう
「イールスと申しますが、エリーゼマリーナ様の御茶会に参加に来ました、お取り継ぎをお願いします」
イールスが馬車を降りて門番に伝える
「イールス様? 本当に? 何処の家の方ですか?」
門番が怪しんでいる
「えーと、エリーゼマリーナ様なら解ると思いますが…アリシナ様かクレーシア様かフレシカ様でも…本日約束をしていますので…お伝えして貰えれば、御理解して貰えると思います」
イールスが丁寧に伝えて頭を下げると、門番が兵士に伝えて、走っていくのが見える

しばらくすると、侍女が慌てたように走ってくる
「イールス様ですね、エリーゼマリーナ様が待っています。どうぞお通り下さい」
侍女が慌てて言うと、門番を睨んでいる
「家庭教師のセーレン様も御一緒するのですが、良いでしょうか?」
「同行する事は、アリーオ様から伺っています」
侍女が笑顔で言うと、馬車に乗り中に入っていくと、侍女が凄い剣幕で門番を怒鳴っている

馬車を降りると、侍女の案内で庭の見える部屋に入る
「エリーゼマリーナ様、本日はお招き頂き本当に感謝します。 本日も美しく本当に嬉しく思います」
「イールス様、門番が粗相をしてしまいましたか?」
エリーゼマリーナが申し訳なさそうに言う
「エリーゼマリーナちゃん、馬車に紋章が無いのですから、仕方無いですね」
セーレンが笑ながら言う
「エリーゼマリーナ様、門番さんに申し訳ない事をしたと、伝えておいて下さい、非は未熟者の私に有ります」
イールスが頭を下げて言うと、セーレンが笑ながらイールスを見ている
「やっぱり、イールス様です。今回ので門番も顔を覚えて貰うようにします。次からは顔を見て通してくれると思います」
エリーゼマリーナが微笑みながら言う
「イールスの対応も凄いですね、普通の貴族なら相当怒鳴り、不機嫌になる事ですから、面白かったですわ」
セーレンが微笑みながら言う
「セーレン様も楽しまれたのですか?」
「こんな事無いですから、馬車に紋章を取り付けるのを止めようかしら」
セーレンが上機嫌で言うと、アリーオが入ってくる

「弟よ、門番にはこれから叱責してくるぞ」
アリーオが笑顔で入ってくると、セーレンを見て苦笑いする
「アリーオ様、本日は屋敷に招待本当に感謝申し上げます。お元気そうで嬉しく思います。こちらはメサリア様からの手紙です」
イールスは、丁寧に挨拶をすると、手紙を差し出している
「アリーオ御兄様、イールス様は怒ってません…門番さんに申し訳無いと伝えて欲しいそうです」
エリーゼマリーナが微笑みながら言うと、説明をしている

「流石弟だ!! 門番達に顔を覚えて2度と間違いが無いようにするぞ」
アリーオが笑顔で言う
「メサリアの言う通り、本当に弟と呼ぶのですね」
セーレンが微笑みながら言う
「自慢の弟だ!! エリーゼと一緒になって欲しいぐらいだ!!」
アリーオが笑顔で言う
「イールスは、女性だけでなく、男性にも好かれるのですね」
セーレンが微笑みながら言う
「メサリアの自慢振り凄いぞ! 10家から申し入れが有ったと、笑っているぞ、その内2家は今日ここに居るがな」
「イールスと一緒になる人は苦労しますね、未熟者と一生言いそうですから」
セーレンが微笑みながら言うと、アリーオとエリーゼマリーナが爆笑している

侍女が入ってくると、クレーシアとアリシナとフレシカが入ってくる
「クレーシア様、アリシア様、フレシカ様、本日もお元気な姿を拝見できて嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶を始めると、セーレンとアリーオが微笑みながら見ている
「イールス様も早く着いているなら、もっと早く来れば良かった」
アリシナが笑顔で言う
「アリシナ、先にエリーゼマリーナ様に挨拶をしないと…」
クレーシアが苦笑いしている
「あ! ごめんなさい、エリーゼマリーナ様、本日は招待を感謝します」
アリシナが慌てて挨拶をしていると、フレシカが笑っている
「エリーゼマリーナ様、先に挨拶をしてしまい、本当に申し訳ありません」
イールスが深々と頭を下げて言う
「やっぱりイールス様ですね、あちらに焼き菓子を用意してあります。どうぞ」
エリーゼマリーナが微笑みながら言うと、それぞれ席に座る

世間話が終わると、エリーゼマリーナがイールスを見ている
「何処まで話せば良いでしょうか? この間は、王妃様よりの呼び出しで急遽王宮に向かいました」
イールスが考えながら言う
「え! 王妃様から! まさか本当に? 誰かと顔合わせに?」
エリーゼマリーナが大きな声を上げる
「エリーゼマリーナちゃん落ち着いてね、ここからの話しは、国家機密になりますので、絶対に誰にも言わないで下さいね…約束できますか?」
セーレンが微笑みながら全員の顔を見て言う

「国家機密にイールスの家柄やイールス自身が指定されています。 理由はいくつか有りますが…夏休みにイールスは、薬草の群生地発見や多くのモンスター討伐の功績が認められています。薬草の発見のお蔭で、王太子殿下の病の治療も出来て、イールスを命の恩人として、王妃様の招待は御礼の為です。褒美が国家機密指定ですから、王立学院も調査出来なくなりました」
セーレンが微笑みながら言う
「え! そんな事をしたのですか!! 国家機密何て…どうしたら?」
アリシナが驚いていると、クレーシアがイールスを見詰めている
「セーレン様が何故家庭教師に? それに魔法関係の授業免除なんて、ほとんど聞いたことが無いですが…」
エリーゼマリーナがセーレンを見ていると、アリシナとフレシカとクレーシアがセーレンを見詰めている
「あんな授業必要ないです。 既に攻撃魔法にポーション作りに付与魔法まで習っています。魔法研究院に出入りしているのですから…昨日バウルトリア師から宮廷魔術師の書庫に立ち入り許可も下りました。 例外過ぎますが、セロスを越える天才としてバウルトリア師が認定指定ます」
セーレンが微笑みながら言う
「え! あのセロス様を越える!! そんなに凄いのですか? イールス様魔法まで使えるなんて凄すぎます」
エリーゼマリーナが大声をあげていると、アリシナとクレーシアとフレシカが顔を見合わせている
「凄いで片付けられないですね…国家機密に指定して無ければ、とんでもない争奪戦になります。魔法研究院と宮廷魔術師と騎士団と各家の令嬢達…考えただけで背筋がぞっとしますね」
「確かに…今でも凄い争奪戦ですから」
エリーゼマリーナが苦笑いしている
「絶対に負けません」
アリシナが急に大声を上げると、全員が爆笑して、アリシナが真っ赤になってうつ向いている
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