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第80話 上級ポーション作成

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王立学院に登校して、教室に入る
「イールス様、おはようございます」
アリシナが満面の笑顔でイールスの前にやってくると、フレシカもやってくる
「アリシナ様、フレシカ様本日も元気な姿を拝見できて嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス様、次の休みの昼頃、お茶会にしましょう」
エリーゼマリーナが笑顔でやってきて言うと、クレーシアも入ってくる
「エリーゼマリーナ様、本日も元気なお姿を拝見できて嬉しく思います。クレーシア様、お久し振りです。元気な姿を拝見できて、安心しています」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス様、アリシナから聞きました。 イールス様が軽蔑するなら、私もします」
クレーシアが微笑みながら言う
「クレーシア様、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんが、もう大丈夫だと思います。 お茶会の予定は大丈夫ですか?」
「勿論です! イールス様とお茶会が最優先です。セルメリア侯爵家からもイールスと仲良くして、イールスの参加するパーティーを教えて欲しいと言われてました、何をしたのですか?」
クレーシアが微笑みながら聞く
「恐らくブライトル様と長話をしていたからです。アリシナ様」
イールスがアリシナを見て言う
「もう凄く楽しそうに話していました。ブライトル様のあんな楽しそうに話しているのは、始めて見ました…グレイス御兄様を問いたださないと」
アリシナが考えながら言う
「グレイス御兄様を? 何かしましたの?」
「グレイス御兄様が私の事をブライトル様に話していました!! それもイールス様の…あ!!」
アリシナがイールスの横顔を見て真っ赤になっている
「何ですか? グレイス御兄様に聞いた方が良いですね」
クレーシアがアリシナを見てからイールスを見て笑い始める
(まさか、アリシナとイールス様の事を話したのですね…ブライトル様が話したなら、グレイス御兄様の口止めとアリシナに謝らせないと…)

昼食を食べて、魔法学の授業に向かい、講師が入ってくるとセーレンが後ろから入ってくる
「イールス君は、この授業は免除にします。どうぞ、セーレン様からの個人授業の時間にしてください…セーレン様から教わっているなら先に教えて下さい」
講師が真っ青になって言う
「イールス、この程度の授業は不要ですわ! メデルの所で個人授業ですわ、この後の魔法薬の授業も、魔法に関する事は全部免除ですわ!」
セーレンが笑顔で言うと、生徒が全員イールスを見ている
「セーレン様何故ですか?」
「この授業で聞く内容なんて、イールスに不要ですわ! じっくり教える時間が出来ましたわ! 良いですね」
セーレンが満面の笑顔で言う
「畏まりました」
イールスが頭を下げて言うと、セーレンと教室を出ていき、アリシナとフレシカが不満そうに見ている
(イールス様が出ない授業何て…)

魔法研究院の部屋に向かい、セーレンの説明の元、ポーションを作成を始める

いつもより高価な材料を…このポーションはなんだろう?

イールスが考えながら、材料を砕いて擂り潰して、魔力を込めて煮込み始めている
「凄い魔力…この鍋でも…もっと大きな鍋も必要ですね…表情も変えずにこれだけの魔力制御…人技で無いですね」
セーレンが呟きながら、イールスの作業を見ている。職員達もイールスの作業を見ている

「これで良いのでしょうか? 青から少し赤くなってしまいましたが…」
イールスが瓶に積めようとして聞く
「嘘…ちょっと待ちなさい!! 誰か大きなガラスの容器を持ってきなさい」
セーレンが慌てて叫び、職員が慌てて持ってくると、イールスが鍋の液体をガラスの容器に入れる

徐々に下側に赤い液体が溜まり、上側に青い液体が集まっている
「やはり…メデルを呼びなさい!! 大変な事です」
セーレンが慌てて叫び、職員が慌てて走っていく
「セーレン様、未熟者が作った為に御迷惑をお掛けして大変申し訳ありません」
イールスが頭を下げている
「は? 何を! 御迷惑? 逆です!! この赤い液体は上級ポーションです!! どれだけの価値か解らないのですか? って教えてませんでしたが、まさか中級ポーション作ろうとして、上級ポーションまで出来てしまうなんて、何処まで規格外なのですか!!」
セーレンがイールスを見て徐々に興奮して叫び、メデルが入ってくる

「セーレン様、何が有ったのですか?」
「メデル見なさい!! 赤くなりました」
セーレンが笑顔で言う
「この色合い…上級? それに中級…」
「とんでもない事です!! 何十年ぶりに上級ポーションが出来ましたわ!! しっかり取り分けて、瓶詰めしなさい! イールスは、次のポーション作成の準備をしなさい」
セーレンが笑顔で言うと、職員達が集まり、ポーションを見ている

「これはどうしたら?」
メデルが苦笑いしている
「バウルトリア師に報告はしておきます。 国家機密ですから、問題になりません! 問題はセロスの馬鹿です!! セロスの助手ではなく、セロスがイールスの助手にしてやりますわ」
セーレンが笑ながら言うと、職員達が苦笑いしている
「セーレン様が居てくれるから、安心できます…規格外過ぎますけど」
メデルがセーレンと話し込んでいると、イールスは次の準備を始めている

日が暮れるまで、イールスがポーションを作り続けている。職員は、ポーションが完成すると、大きなガラスの容器に入れて、別の部屋に持っていき、セーレンとメデルがイールスを呼びに戻ってくる
「これが…これだからあの量なのですね」
セーレンの顔がひきつっている
「これです! 目を離したら、いくらでも作ります…それも質も安定しています」
メデルが頭を抱えながら言う
「監視が必要ですね…薬草も全部使いそうですね」
「買取りも出来ないです」
メデルが泣きそうになって言うと、職員が慌ててやってきて、メデルに耳打ちする
「え!何故?」
メデルが呟くと、バウルトリアが部屋に入ってくる
「上級ポーションは何処だ!!」
バウルトリアが大声で叫ぶ
「あ! バウルトリア師、ポーション作成中ですので、後程挨拶させて頂きたく思います」
イールスが慌てたように言う
「ポーション作り最中か?」
バウルトリアが苦笑いしている
「あちらの部屋に…予想を越えています」
セーレンが苦笑いして案内すると、バウルトリアの叫ぶ声が聞こえてくる

イールスがポーションを作り終わると、鍋を職員に預けて、バウルトリアに挨拶に向かう
「バウルトリア様、本日はお元気な姿を拝見できて、光栄に思います。下賤な身のポーション作りを見せてしまい、大変申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「監視が必要か…セーレン管理できるか?」
バウルトリアがイールスを見て聞く
「この子は国家機密です。このポーションの買取り価格も桁が違うと思いますが…メデルと話し込んだ所為で、この量です。連続作成が可能な魔力の持ち主です」
セーレンが苦笑いしている
「適正価格で買い取るが…薬草が足りなくなるだろう…魔法練習は出来るのか?」
「無理です。迷宮で実践しか無いです…魔法練習場の壁を破壊してしまいます」
「規格外過ぎるか…メデル理解したぞ…監視はセーレンに任せるように…ポーション作りは毎日はさせるなよ、倉庫が一杯になるからな…薬草が足りなくなるな」
バウルトリアが苦笑いしながら呟き、メデルとセーレンが頷いている
「セロスの馬鹿をイールスの助手にしましょう…それに職員達は、瓶詰め係りになって貰いますが、研究材料でも有ります」
「頑張って、このポーションの瓶詰めするように…王宮の倉庫足りるか?」
バウルトリアがため息をすると、セーレンとメデルが笑いだす
「未熟者が調子に乗って、沢山作成してしまい、大変申し訳ありません、御迷惑ばかりかけて本当に申し訳ありません」
イールスが頭を下げていると、バウルトリアが呆れている
(いつもこの調子か? これだけの事をしておいて、未熟者扱いなんて出来んぞ!! 褒美はどうする? 何本出来るか? イールスの性格を直させないと…国家機密に指定して正解だったが…規格外過ぎる)
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