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第77話 迷宮3層域へ

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イールスと護衛達が迷宮に向かい、入口で待っているクレオとリシアと合流する
「カルス様、護衛が増えましたか?」
クレオが後ろの4人を見ている
「鍛えて欲しいと言われただけ、足手まといかも知れないけど」
笑顔で言うと、1人ずつ紹介している
「クレオ、リシア行くよ」
「カルスさんと一緒に潜れるのを楽しみに待っていました」
クレオが笑顔で言うと、リシアが微笑みながら見ている

イールスを先頭に迷宮に入っていき、近付くモンスターを容赦無く倒しながら進み、1層域のボス部屋前まで到着する
「手応え無いな、早く2層域に向かうか?」
イールスがクレオを見て言う
「カルスさん、行きましょう…まだ1匹も倒してないですけど」
「え! ごめん、剣を振ったら簡単に両断できていたから」
「いつもカルスさんが沢山倒してくれるから、安心して後ろを付いていけます」
クレオが笑顔で言うと、護衛達が苦笑いしている
(護衛なのか? モンスター1匹も倒させて貰えないが…必要なのか?)

ボス部屋に入ると、グレイウルフが現れる。イールスが一気に接近して、剣を振り抜き、グレイウルフは慌てて飛び退こうとするが、イールスの剣はグレイウルフが動くより先にグレイウルフを両断して、黒い霧になって消えていく
「2層域行くよ」
イールスが魔石を拾い、みんなを見て言う

2層域もイールスが先頭に、見付けたモンスターを次々と両断して進み、ボス部屋の前に到着する
「カルス、休憩しましょう」
護衛が4人の護衛を見て言う
「あ! 疲れたのか? クレオ休憩しよう」
「はい、カルスさん…カルスさんどうしてそんなに強くなったのですか? 」
クレオが考えてから聞く
「そうかな? 剣のお陰かな?」
イールスが剣を見ながら言う
「凄そうな剣です。高かったのですか?」
クレオが剣を見ながら聞く
「作って貰ったけど、魔力が無いと使えないから、クレオでも体力切れすぐに起こすかな?」
「魔力ですか? カルスさん専用の剣です! いつか自分も凄い剣を使いたいです」
クレオが笑顔で言うと、護衛達が苦笑いしている
(魔剣を簡単に手に入らないのですが…イールス様だから持っているだけです)

休憩後、ボス部屋に入ると、サーベルタイガーが現れて、イールスに目掛けて突進してくる。イールスは剣を振り抜き、サーベルタイガーの頭から両断して、黒い霧になって消えていく
「3層域に行くよ」
イールスが笑顔で言う
「初めての階層域です。緊張します」
クレオが笑顔で言うと、リシアが緊張したように見ている
「少しは手応え有るモンスターが現れて欲しいかな?」
「カルスさんなら余裕かも知れないです」
クレオが笑顔で言うと、イールス先頭に3層域に向かって進んでいく

3層域は、荒れた大地と所々木が生えているのが見える
「あれは? 人影? だけど・・・緑色?」
クレオが指差して言う
「あれは、ゴブリンです。この階層域は、ゴブリンやオークやコボルト等に遭遇します。 人形なので、油断はしないように」
護衛が周囲を見ながら言う
「油断しないように・・・未熟者だから、精一杯頑張ります」
イールスが考えながら言うと、クレオとリシアが顔を見合わせてため息をする
(まさか、まだ強いと認識してないのですか? )

緑色の人影の方に歩いていくと、ゴブリンがイールス達に気が付き、近くの石の斧を持って突進してくる。イールスは、すぐに剣を振り、ゴブリンの斧を真っ二つに斬り、ゴブリンは、飛び退き胴体から黒い煙をあげている
「ギャーーーーーグァーーー」
ゴブリンが咆哮の様に叫ぶと、イールスが剣を振ろうとするが、剣先はゴブリンの胴を斬り裂き、ゴブリンの上半身が地面に転がり、奇声をあげている
「え?」
イールスがゴブリンを見て、剣を握る腕が震えているのに、気が付く
「カルス、早くトドメを」
護衛が周囲を見ながら叫ぶが、イールスが躊躇している。護衛が慌てて、剣を抜き、ゴブリンに突き立てて、ゴブリンが黒い煙になって消えていく

「カルス大丈夫ですか?」
護衛が心配そうに聞く
「手が震えて、上手く動かなかった…未熟だからか?」
イールスが手を見て言う
「1度戻りましょう、顔色も悪くなってます」
護衛が言うと、クレオとリシアがイールスの両脇に来て、警戒しやすい場所に移動する

警戒しやすい、岩陰で休息を取り、護衛達が周囲を警戒している
「カルスさん大丈夫ですか?」
リシアが心配そうに聞く
「どうして? こんなに…」
カルスが考えながら呟く
「ゴブリンを人と見たのでしょう・・・人殺しと思い、躊躇した為です。カルスは、優しすぎます」
護衛がイールスを見詰めて言う
「人殺し…罪悪感か…どうやって克服すれば良いのだろう」
「慣れるしか無いです。 カルスにはこの階層域は、早すぎました…クレオもリシアも危ないと思います」
護衛が考えてから心配そうに言う
(まだ早すぎた…ここは何としても撤退しないと…)

「しまった! 囲まれているぞ」
護衛が慌てて声をあげると、周囲の岩陰にゴブリンの姿が見えている。護衛達が周囲を見ながら、盾を構えている
「突破出来るか? 迷宮がトドメを討ちに来たか!!」
護衛が立ち上がり叫ぶと、ゴブリン達が近付き始める
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