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第76話 アールスレルバウム子爵家のパーティー

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数日後、アースレルバウム子爵家のパーティー会場に向かう
「招待状を拝見します」
執事が微笑みながら言う
「こちらです。前もって参加を伝えてませんでしたが、宜しいですか?」
招待状を差し出すと、執事が見て確認する
「どうぞ今日は楽しんでください」
執事が微笑みながら言うと、イールスは、会場の中庭に入っていく

会場に入り、辺りを見ている

人が少ないか…あの付近は若い人で、あっちが保護者かな? 主催はあの付近か…知り合いもいないかな?

イールスは主催に挨拶をしてから、令嬢の元に挨拶に向かう
「イールス様、何故参加して貰えたのですか?」
令嬢が驚いている
「申し訳ありませんが、少し事情が有って、参加しました。 面倒事になったら申し訳ないと思ってます」
頭を下げながら言う
「え? …構いません、イールス様が参加して貰えただけで、光栄です」
令嬢が微笑みながら言う
「妹様の誕生日と伺っていましたが、御挨拶させて貰っても良いですか?」
「あそこで見ていますが…まだまだ自分から人に話し掛けるのは無理です。仲良くなれば、良い子なのですが…」
令嬢が微笑みながら言うと、イールスを案内して歩いていく

「あ! 御姉様…」
少女がイールスを見て緊張している
「初めまして、イールスと申します。お誕生日おめでとうございます」
小さい包みを差し出して言う
「え! ありがとうございます!!」
少女が受け取ると、満面の笑顔で袋を開けている。令嬢が嬉しそうに微笑んでいる

「レミイリーナ、良かったわね」
令嬢が微笑みながら言う
「はい、御姉様」
「レミイリーナ様、もし良ければ、少し挨拶回りしませんか? 御案内致します」
微笑みながら手を差し出すと、レミイリーナが驚いて後退りしている
「レミイリーナ、行ってきなさい…羨ましいです」
令嬢が嬉しそうに言うと、レミイリーナが恐る恐る手を差し出して、イールスがレミイリーナと同じぐらいの年頃の少女達の方に案内していく

挨拶して回り、レミイリーナがソワソワしているのを見て、屋敷の方に歩いていく
「少しお疲れの様なので、御休憩を御願いします」
侍女に言うと、レミイリーナが侍女と屋敷の中に歩いていく
「本日はありがとうございます。 後程少し時間を作って頂けますか?」
侍女が笑顔で言う
「自分も知り合いがほとんどいない、パーティーですので、気になされないで下さいと申し上げて下さい」
微笑みながら言うと、パーティー会場を見て戻っていく

「イールス様、レミイリーナは?」
令嬢が周囲を見てから聞く
「疲れ始めていましたので、御休憩して貰いました」
「疲れ始めて…飲み物を飲み過ぎたのかしら?」
令嬢が屋敷の方を見ている
「挨拶回りに付き合わせてしまったので、大変申し訳ありません」
「イールス様、感謝します。御父様が凄く喜んでいました。 実は、この数年パーティー参加者が減ったので、危機を感じていましたが、本日はイールス様が来訪して貰えて凄く嬉しかったです」
令嬢が笑顔で言うと、会場にリーシアノリア達が入ってくる

「あ! イールス様、御姉様からイールス様がこちらのパーティーに参加すると聞いて、友達と参りました」
リーシアノリアがイールスの前に来て言うと、令嬢が驚いている
「リーシアノリア様、元気なお姿を拝見できて光栄です」
イールスが丁寧に挨拶をしていると、令嬢達に1人ずつ挨拶をして、仲良く話し始めると、レミイリーナが会場に戻ってきて、イールスの元にくる
「レミイリーナ様、こちらはリーシアノリア様です」
「リーシアノリア・ルーゼントと申します」
リーシアノリアが微笑みながら優雅に挨拶をすると、令嬢が驚きのあまり、目を見開いている
「レミイリーナです、よろしくお願いします」
レミイリーナがぎこちなく挨拶をすると、令嬢達が1人ずつ挨拶をしている。レミイリーナが緊張して、青くなり始めている

レミイリーナとリーシアノリア達と端にいる、飲み物を飲んでいる人達の方に向かい、リーシアノリアがレミイリーナと話しながら、イールスが飲み物を飲んでいる少女達を話の輪に入れていく

パーティーが終わり、保護者達が子供達を連れて帰り始めると、リーシアノリア達と帰る事にする
「イールス様、リーシアノリア様本日は来訪ありがとうございます。レミイリーナも感謝の言葉を言いなさい」
令嬢が両親を連れて来て言う
「イールス様、リーシアノリア様ありがとうございました」
レミイリーナが頭を下げながら言う
「本日は、楽しかったです。 レミイリーナ様、またどこかのパーティーで会いましたら、仲良くして下さい」
リーシアノリアが笑顔で言うと、イールスの横顔を見ている
「本日は招待感謝します。 中々パーティーに参加出来ませんが、お見知り置きして頂けたら嬉しく思います」
頭を下げながら言う
「イールス様、この数年リーシアノリア様の様な家柄の方が参加して貰えず、危惧していましたが、本日来訪本当に感謝します。リーシアノリア様、本当に来訪感謝します。今後も両家の関係が良い方向に向かう事を望みますと、伯爵様にお伝えください」
母親が微笑みながら言う
「はい、御父様にお伝えしておきます」
リーシアノリアが微笑みながら言うと、リーシアノリア達は、馬車に乗って帰っていき、イールスも馬車に乗って帰る事にする

「イールス、今回の目的は達成ですか? 」
アーメリアが微笑みながら聞く
「多くの会った事の無い家の方と話せました。 リーシアノリア様もレミイリーナ様と話せましたので、良い感触です。 ルーゼント伯爵家とアースレルバウム子爵家の繋がりが出来て良かったです」
笑顔で言うと、アーメリアが考え込んでいる
(アースレルバウム子爵家のパーティーに公爵家の繋がりが強い人が1人も居ませんでしたが、ルーゼント伯爵家と繋がりを強めて何をするつもりでしょう…まさか…そんな事は出来ないと思いますが…)

屋敷に戻り、リビングに入る
「メサリア様、アーセリオドール様、ただいま帰りました」
頭を下ながら言う
「セーレン様から迷宮で魔法練習するなら、護衛が足りないそうだ、イールスに更に4人護衛を連れていくように…実質護衛達をたっぷり鍛練させて欲しい」
アーセリオドールが笑顔で言う
「アーセリオドール様、良いのでしょうか?下錢な身の半人前に護衛を増やして、ご迷惑になりませんか?」
頭を下げながら言う
「イールス、セーレン様を危険に晒す訳にいかない! 実質セーレン様の護衛だ!…セロスが護衛を送ってこないから、仕方無い」
アーセリオドールが苦笑いしている
「未熟者の為、セーレン様は、どの家の出でしょうか? メデル様とセロス様とエリーゼマリーナ様とも顔見知りでしたが…申し訳ありません」
「セロスの奥様だ! セロスが唯一文句が言えない人だ」
アーセリオドールが微笑みながら言う
「セロス様の奥様…大変な失礼な事をしてしまいました。 申し訳ありません」
深々と頭を下げて言う
「セロスの所為ですから、気にしなくて良いですのーーセーレン様を仲間にしましたのーーー」
メサリアが嬉しそうに笑っている
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