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第50話 フレールの追及

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翌日の夕方、アーセリオドールは、リビングに全員を集める
「領内の状況の確認は大体済んだが…かなり不正が発覚してきている。状況からモンスター捜索を別の隊に任せて、グゼーラスト隊にはこちらに戻ってきて貰っている」
アーセリオドールがザイラネとフレールを見て言う。ザイラネがアーセリオドールを驚き、フレールが睨んでいる
「グゼーラスト隊が? 領民を見捨てるのですか? それが領主のやるべき事ですか?」
フレールが睨みながら言う
「何故あんな筋肉馬鹿を」
ザイラネが大声で言うと、アーメリアが微笑みながらフレールとザイラネを見ている
「何か問題でも? 明後日の朝には戻ってきます。他にも招集した隊が戻り次第、不正を働いていた者達を捕らえ、調査を開始します」
「不正? 誰が? どんな不正ですか?」
フレールが驚いている
「次期に解ります。 更に今回の小麦の売却は、領内の商人に直接売却する事になりました」
アーセリオドールが笑顔で言うと、フレールが意味が解らない様子でアーセリオドールを見ている
「アーセリオドール、その件ですが、商人からクレームが有りました。何故急に変えたのですか! 長く付き合っている商人に下げ渡してください」
ザイラネがアーセリオドールを睨んで言うと、フレールがザイラネを見ている
「あの商人ですか? ザイラネお義母様が推薦していた」
アーセリオドールが微笑みながらザイラネを見ている
「そうです!! 領内の為に商人が色々してくれているのに、裏切る行為許されません!! 絶対に商人に下げ渡してください」
ザイラネが立ち上がり怒鳴り、フレールが驚いている
「これが何か解りますか? 現在の町の小麦価格は、こちらです。 フレールお義母様もこれを見て何を感じますか?」
アーセリオドールが笑顔で言うと、フレールが書類を見て、驚いている
「これは? 何? 商人にこんな価格で下げ渡しているのですか? クレイバルバウム騎士爵!! どう言う事ですか!!」
フレールがアーセリオドールの後ろで控えている、クレイバルバウム騎士爵に怒鳴る
「ザイラネ様から使うように言われていたので、担当者では、別の商人に売れませんでした…昨日知り、慌てて調査をしています」
クレイバルバウム騎士爵が頭を下げながら言うと、フレールがザイラネを睨み
「何を受け取ったのですか? 財政が苦しくなったのは、あなたの所為です!! 言い訳を聞いて差し上げますわ!!」
フレールがザイラネを睨み笑みを浮かべていると、ザイラネと口喧嘩を始め、フレールが書類を投げ付けて、追及を始めている

「フレール様、ロイホール様も驚いていますので、本日はこのぐらいで、後は調査が終われば、解ります。クレイバルバウム騎士爵様に任せて報告を御待ちしても良いと思いますが…」
イールスが頭を下げながら言うと、ザイラネが殺気の籠った目でイールスを睨んでいる
「言い逃れは出来ませんから、アーセリオドール任せます」
フレールが笑みを浮かべて言う
(これでザイラネは終わり、ふふふ、ロイホールあなたが次期領主ですよ)
「不正には、厳格に対処します。 この際、徹底的に調査します」
アーセリオドールが笑顔で言うと、アーメリアが微笑みながら見ている
(イールスの言う通り、フレールお義母様がここまで怒鳴り、追い詰めるとは…イールスは末恐ろしい)
「こんな居心地の悪い屋敷に居れませんわ!! 別邸に移らせて貰います」
ザイラネが怒鳴り、部屋を出ていく
「別邸に? 2度と戻って来なくて宜しくてよ」
フレールが笑顔で言うと、アーセリオドールが呆れた様子でイールスを見ている

フレールが上機嫌で部屋を出ていくと、ロイホールも部屋に戻っていく
「イールス様、例の調査は4日後全部揃います。 不確定ですが、不正は間違いないと思われます。数々の不手際アーセリオドール様に御詫び申し上げます。 この責任は私が取らさせて貰います」
クレイバルバウム騎士爵が深々と頭を下げている
「クレイバルバウム騎士爵様、今回の不正は色々な思惑が重なり、非常に面倒な状態と思います。責任を感じるなら、命有る限りアーセリオドール様を支えるのも必要と思います」
笑顔で言うと、アーセリオドールが微笑んでいる
「クレイバルバウム騎士爵の責任ではない! この資料では見付けられなかった、それは御父様の責任でも有る。親族の不手際は私の責任だ! クレイバルバウム騎士爵、これからも頼むぞ」
アーセリオドールが笑顔で言うと、クレイバルバウム騎士爵が深々と頭を下げている
「アーメリア様、教えてほしいのですが、ジュジェンタル準男爵家は、羽振りがここ数年良かったですか?後はクーレセント子爵家も」
笑顔でアーメリアを見ていると、アーメリアが驚いている
「そう言えば、パーティーを結構しています。鉱山の産出も良かったと噂が有ります」
アーメリアが考えながら説明をしていると、クレイバルバウム騎士爵とアーセリオドールが顔を見合わせている
「やはり鉱山ですか…アーセリオドール様、ヘルクドール様に確認の手紙を書いてほしいのですが…」
イールスが説明をしていると、クレイバルバウム騎士爵が青ざめている
「イールス解った…クーレセント子爵家も調べるのか? 段々大事になってきたな…」
アーセリオドールが考え込んでいる
(イールスもう次の手を… イールスだけで調べても簡単に終わるのでは…絶対に冒険者等にしたら勿体無い)
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